MUSIC春秋
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 2007年12月04日(火)
愛される理由




〔昨日の続き〕

諸々の配慮のおかげで
二桁台の整理番号で入場できたものの
ソールドアウトということは
結局最後にはぎゅうぎゅうの満員電車状態になり
環境は前日とたいして変わらない。
二日間のライブの記憶が混ざらないように
前日とは反対側の場所に立った。
右隣の女性二人組は
「吉井さん以外(の出演者は)全く知らない」
と言っていた。

オープニングは前日と同じで
まず司会者のようにリーダーとボーカルが出てきて
挨拶と前座の紹介があった。
(メインが前座の紹介するなんて他に知らん)
右隣の吉井ファンは
最初に吉井が(呼び捨て)登場すると思い込んで
いたようで(普通はそうだもんね)
客電が落ちた途端、身をのり出して
思い切り拍手しかけたら
ちっこいおっさんと類人猿ぽいおっさんが
ひょこひょこ現れたので
「え?」
と、固まっていたのが
そりゃもうおかしくてたまらんかった。
その後吉井が出てくると
真ん中辺りにいた群衆がキャー!と
前に押し寄せていってくれたおかげて
視界が開けてよく見えるようになった。
わかっちゃいたけど
吉井ファンの割合結構多めね。

身長差25センチの会話のあと
吉井さん(呼び方を変えてみた)の
弾き語りが始まった。
隣の二人は「近い!」と喜んでいる。
私の感覚ではやや遠めなんだけど
そうかいつも武道館とかで見てるんだもんな。
よかったねえ。

正直に言ってしまうと私は
イエローモンキーの曲が好きじゃなかったので
あんまり聴きたくなかった。
でも実際生で聴いたら
そう悪くなかった。
好きではないけど、良さはわかる。
人気があるのも頷ける
と思ったら、ステージを去る時に
「これを目当てに来た人もいると思うけど
 帰らずにちゃんと最後まで観て行って下さい。」
ってコラいい気になるなよ後悔してもしらんぞ。

前座の次はゲストの出番。
ランクヘッドは若いバンドで
とにかく音がでかくて
ボーカルはそうとう大声で歌っていたけど
何を歌っているのかわからなかった。
ずっと叫ぶように歌い続けて
たった一度だけ爽やかな笑顔を見せたのが
かっこよかった。
ファンにはあれがたまらんのだろう。

クールでかっこいい二組の後に出てきたフラカンが
1曲目に何をやるのかと思ったら
“馬鹿の最高”。
その開き直りが一番かっこいいよ。

(中略)

アンコールの手拍子の中で
隣の吉井ファンが笑いながら言った。
「こっちの方が親近感ある。」
結構みんな、自分のことをダメなヤツだって
思ってるものだもんね。

そして帰りの地下鉄に乗り込む時にはこんな声が。
「吉井さんを見て感動したはずなのに余韻が残ってない。」
「あとのが強烈だったからねー。」
「うん。特に最後のが。」

やった、吉井を食った。
いや違うよ、もともとメインはフラカンだよ。

斉藤くんや吉井さんはキャーキャー言われてるのに
自分たちには誰も言ってくれないってすねてたけど
それは
愛される理由が違うから愛され方も違う
ってだけのことだと思うよ鈴木くん。



〜THANX! ELL 30th ANNIVERSARY〜
フラワーカンパニーズ追加公演
guest:ランクヘッド
special oa:吉井和哉
/大須 エレクトリック・レディ・ランド
(12月3日)



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