MUSIC春秋
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 2006年10月29日(日)
バランス

ありゃ、店名が写ってない。


ギリギリまで迷っていた。
昼過ぎから急に体調が悪くなったので。
でもこのところなんだかとても
ライブに行きたいと思っていたし
杉鉄のリサイタルは久しぶりで
楽しみにしていたので
行きゃなんとかなるだろうと思って
時間ギリギリにボトムラインに向かった。

ギリギリに着いたものだから席がほとんど空いていなかった。
200人前後ぐらいだろうか、
回数を踏むごとに順調に客数が増えている。
4年ほど前だったか、二人の初めてのリサイタルは
会場が杉ちゃんの実家で、2〜30人ほどの客のほとんどは
身内や近隣の人のようだった。
その他はおそらく梅ちゃんのファンで、私を含めて数人だけ。
今ではもう
梅ちゃん経由でない杉鉄ファンの方が多いのだろうか。
最近はテレビで流れる事業PRで名前が呼ばれたりして
また知名度も上がることだろう。

客数だけでなく当然演奏もスケールアップしている。
寸劇を見せるなど演出にもいろいろ工夫している。
でも、客を喜ばせようと力が入るにつれ
MCが芸人調になって行くのが
どうしても私にはしっくりこない。
梅ちゃん経由とは言え、
私はミュージシャンとして二人を見てきたし
二人も自分たちのことを芸人ではないと断言している。

冗談音楽というジャンルで
笑いをテーマにしているから
芸人じゃないけど他のミュージシャンとも違う。
それは新しいスタイルなのか。
だとしたら最初首をかしげた「杉ちゃん&鉄平」という
ネーミングも頷ける。
しかし、
ステージ終盤に集められた、
笑いの要素の一切無い曲の本気の演奏は
自分たちがミュージシャンであることを
無言で観客に念押しする。

その実力で音楽だけで笑わせられるのに。
台本どおりのようなMCより
ふとしたハプニングで漏れた自然な呟きの方が
自然な笑いを誘うのに。

新しく増えたファンの人たちは
そんな今の杉鉄を見て好きになったのだから
それでCDやチケットが売れているのだから
私が見当違いなのかもしれない。
しれないっつうかそうなのか。
趣味の問題と言ってしまえばそれまでだけど
それでサヨナラはもったいない。

サイン会に群がる人で溢れる終演後のロビーを通りぬける時、
次の公演のチケットを大声で連呼して売っていたスタッフが
「杉ちゃん&鉄平のチケットはこちらで販売していまーす!
 杉ちゃん&チケッ・・・。杉ちゃん&鉄平のチケットは〜」
って言っちゃってたのが一番笑っちゃったかもしれなくて
ごめんなさい。



杉ちゃん&鉄平 刑事クラツアー2006 in 名古屋ボトムライン



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