MUSIC春秋
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 2004年02月06日(金)
廃線  

♪世情/中島みゆき



通勤途中に携帯で撮った、
鉄道会社が撤退を決定したばかりの
路面電車。

今後は第3セクター化が協議されると
新聞には書いてあるけれど
ほんとの所は、完全な廃線が
もう決まっているような気がしてしまう。

大正時代に造られたレトロな外見、
郷愁そそる、味わい深い 木造の内装。
「乗って残そう」のスローガンで
市民団体ががんばっている。
“無くなるのは嫌だけど乗っていない”
という人が多く存在するという意味だ。
私もその一人。
最後に乗ったのは
20年以上も前の、子供の頃のこと。
今の生活で乗る機会はない。

廃止を決めたその鉄道会社だって
一方でこの車両の77周年、喜寿を
記念するイベントを企画している。
鉄道の仕事に携わる人たちなら尚更、
この電車や路線に
愛着を持っていないはずがないだろう。

私たちはわがままな子供みたいだ。
「もう、いらないでしょう」 と、
古いおもちゃや人形や洋服を捨てられて
「いつかまた使う時がくるかもしれないから捨てないで」
という言葉を
ただ、涙で詰まらせるだけの
無力な子供みたいだ。



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