私季彩々
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2003年05月01日(木) ギョウジャニンニク

 5歳も年下の人と山菜採りに行ってきた。完全なおじさん趣味だが、やる人はやっているんだなと。

 ギョウジャニンニク(アイヌネギ、ヒトビロなど呼び名は多彩)は、なかなか人気のある山菜である。雪解けが始まって、真っ先に出るのがふきのとうとギョウジャニンニクだろうか。フキノトウはそこらじゅうに元気に映えてくるが、ギョウジャニンニクは今となってはかなり奥に行かないと手に入らない。大きくなるまでに8年ほどかかる気長な地下茎をもつもので、乱獲に遭うとほぼ絶滅だから、近年の山菜ブームですっかり貴重になったとのこと。ヤチブキやカタクリも同様である。

 そんなわけだから、素人がちょっと入ったくらいでわかるものではないのだが、大胆に地図で目星をつけて入ってみた。札幌から1時間強の町からさらに奥に入った鉱山の沢伝いである。期待はしていなかったのだが、着いてみるとすでに先客がいて、ビニル袋に目当てのものを膨らませている。ビンゴ♪
 すでに動きを止めているように見える鉱山の施設は遺構のように錆びつき、重い佇まいをみせている。いたるところにホースがあり、鮮烈な沢水を導いて所々に池を作っている。沢の北側には残雪がまだまだ健在で、南斜面にはヤチブキが美しい。
 しばらく沢登りをするが、ギョウジャニンニクはわからない。私は竹の子採りにはよく入ったが、ギョウジャニンニクは食べたこともろくにない。噂では北側の斜面に生えるというが、雪と土しかない。南斜面は賑やかだが、賑やか過ぎて本命がいない。が、見事なカタクリの群生が広がっている。上品な紫が斜面に散在して、日の光を浴びて俯いている。旭川の名所には観光バスが連なるというが、ここはそれに劣らないのではないかと思う。少なくとも、ここでは2人占めである。札幌近郊でヤチブキとカタクリがこれほど競演しているところはすでに刈り尽くされてないであろう。
 と、同行が北の急斜面を登っていった。土砂が露出しているばかりに見えたが、その遥か上のわずかな緑の部分がギョウジャニンニクだった。先を越されたー。
 となると、花景色で満足していた私もそうは言っていられなくなった。かなり急な北斜面の雪渓をジグザグに登り、雪と土の境目を探すこと10分、ようやく群生地にぶつかった。ふっふふふ。山菜採り最高の瞬間である。

 ギョウジャニンニクは基本的に2本1対で生える。一般的に、一本だけを採り、他方は残すのが後のためだという。急斜面のため慎重に足場を確保しながら、一袋を一気に採り終える。雪渓の下を流れる川の音が清々しい。ふとその静寂に怖くなって、クマ鈴を打ち鳴らしてみたり。

 休憩にお湯を沸かして紅茶を頂く。雪の白、深緑の淡い緑、ヤチブキの黄色、カタクリの可憐な紫、空の青。まさに絶景である。北海道に居て、この良さがわからないなんてもったいないねェと二人。私はそういえるのはようやくこの歳だが、彼はさらに若い。いいものである。

 お互い十分を知っていたので、サクッと山を降りた。デジカメに花を納めつつ、満足。温泉に入り、帰宅して、ギョウジャニンニク入り餃子を作って食す。美味。

 高い山ばかり登っていたが、低いところの方がむしろ楽しめる。そんな気がする今日この頃。体力の衰えを感じつつ、人の関心も応じて変わるものなんだとしみじみ。よく出来ているものだ。

 で、戻るとデジカメ不調、というか修復不能。全て○とは行かないようで。ふにぃ。 Home&Photo


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