KALEIDOSCOPE

Written by Sumiha
 
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  ひとやすみ・6


2003年12月01日(月)
 






What is your wish?
5



 リビングに通されソファの前で立ち止まる。
 コートを脱ごうと襟に手をかけ、……固まった。コートの下はワンピースなのだ。なにを今更と鼻で笑われるかもしれない。だが滅多に着ない服だからして。レゾと外で会う時だってパンツスタイルである。スーツも然り。
 普段着で来れば良かった……。ゼルなんて(コート付きの)あたしの格好を見るなり仮装か、なんて言ったのだ。あとで覚えてろ。
 とは言え、仮装という表現もあながち的外れではない。今日の日付――ハロウィンを意識しなかったと言ってしまえば嘘になる。実際あたしも初めてこの服を見たとき、かぼちゃみたいだって思った。アメリアにも、ぜったい似合うからハロウィンのパーティーにこれ着て来てね、と言われた。現実にはアメリアの家で開かれているパーティーに行かず、レゾの家にいるけれども。
 元凶の服は、というと。襟元はタートルネックで一風変わっている。ファスナーは後ろにあるから着る時に苦労した。ウェストを濃緑の幅広のリボンをベルト代わりに締めている。リボンが濃緑で生地の色がオレンジと黄色を混ぜたような色だから、本当にかぼちゃをモチーフにして作られたのかもしれない。スカートの部分はふわりと足下に向かって広がっている。フリルなどが一切無い分、女らしさを際立たせている。
 どこを取ってもあたしに合わない。無難にパンツスーツにすべきだった。
「今日はダージリンにしますか?」
 大袈裟にびくつきそうになった。勢いをつけて振り向きたくなる衝動を抑える。
 不自然にならないよう体の向きを変える。急ぐでもゆっくりでもなく。
「あ、アールグレイ、が、いいです」
 意味ない。ぜんぜん意味ない。思いっきり不自然だ。
 頭を抱えたくなった。我ながらなんて間抜けな返答なんだか。
 妙にかしこまっていたら緊張を悟られてしまう。それをネタにからかわれたくない。
 情けなく途方に暮れた心持ちでそろりとレゾの様子を窺う。
「わかりました。どうぞ、かけていてください」
 ……あれ? なにも無し? からかわれたい訳じゃないけど。無反応?
 レゾはなにも気付かなかったように、あるいは何事もなかったようにキッチンへ行ってしまった。拍子抜けして背中を見送る。
 ぼけっと突っ立っていてもしょうがない。どこか釈然としない気持ちでさっさとコートを脱いだ。言われた通り黒い皮張りのソファに腰を下ろす。広がったスカートを整える。裾をつまんでぴん、と伸ばした。
 緊張した自分が馬鹿みたいだ。意識しなければ何とも思わない。
 でも、なんか。薦められてとは言え、自らの意思で着たワンピースなのに何も言われないとなると。何故か不安になってしまう。
 あたしが何を着てても関係ないと思われていそうで。どんな格好であろうと興味が無いと、あたし自身に興味が無いと言われているようで。
 変な不安だ。からかわれたくない。ひやかされたらもう二度と着るかと思っただろうし、実際着ないだろう。からかわれなかったらホッとすべきだ。それなのにどうして不安なのだろう。
 不自然すぎる態度にだって気づく素振りすら見せなかった。レゾは鈍くない。どちらかと言うと敏いほうだ。無視された?
 水がやかんに注がれる音、食器戸棚からポットやティーカップを出す音、茶葉が缶の中で立てる音……などなど。たくさんの物音が耳に入り込んでくる。
 目を閉じて音に聞き入った。
 音の中心地にはレゾがいる。そう思うと衣擦れの音さえ貴重だ。どんなかすかな音でも聞きのがしたくない。電話越しではなく直に耳に届く音だから。
 目を開ければ見える。近付けば触れられる。近い位置にいる。
 波立った心も凪ぐ。この距離以上のなにを大切に思うのだろう。なにもない。会いたくても声すら聞けない時間に比べたら不安なんて用無しだ。
 ここには彼とあたししかいない。なにもかも一人占めできる。
 そばにいる。肉声が届く。充分だ。他になにを望む? なにを不安に思う?
「お待たせしました」
 写真でもビデオでも絵でも偽物でもない。本物のレゾがいる。これ以上なんて望みようがないじゃない? これ以上が存在しないのだから。
「ありがと」
 差し出されたティーカップとソーサーを慎重にテーブルへ置いた。
 アールグレイのいい香りに目を細める。
 ひとくち、火傷しないよう慎重に飲む。ふたくち、みくち。クセの強い味を楽しむ。
 舌が熱でしびれる。熱はだんだん体に浸透していく。
 レゾのようだ。知らない内に心を支配していく。ゆっくりゆっくり病魔が肉体を蝕むように。気づいた時には手遅れ。誰といてもなにを話していても、彼の存在を忘れられない。
 ぽかぽか体を温める、紅茶もまた彼と同じ。会えない時間は心が冷えるけれど、会えればほら。こころもからだも、あたたまる。
 勝手に結びつけてそっと微笑った。
「ところで」
 カップをソーサーに戻し彼を見る。目が合う。
 なにかが微笑に含まれているような――――嫌な予感。本能がチリリと警鐘を鳴らした。
「ワンピース、よくお似合いですよ。今日の為にわざわざ?」
 空気がぐっと喉に詰まった。紅茶が口の中にあったら吹いていた。
 なにを言うかと思えば!
 顔に集まった血をなだめる為と落ちつく為に深呼吸を一回、二回。怒鳴り散らさなかった理性を自分で褒めたい。
 きっ、とレゾを睨む。
 もしかしなくてもこのタイミングは。
「狙ってたでしょ」
 そーだった忘れていた。電話じゃ世間話程度しかできないから、レゾの性根の悪さをすっぱり忘れ去っていた。
 なにも言われなかったと油断してすぐ脱いだ自分を悔やむ。室内でいつまでもコートを着ている訳にもいかないのだが。
 着て来るんじゃなかった。だって帰るつもりだったし、アメリアのパーティーに出るつもりで着た服だったし(彼女なら目を輝かせて喜んでくれただろう)、そりゃレゾにも見せたいと思わないでもなかったけどやっぱり着てくるんじゃなかった。ここが自分の家ならすぐ着替えられたのに。ここだけ別バージョンで話を書きたいv(笑)
「何の話ですか?」
 話題が話題でなければ微笑み返せた。いまは彼の笑みがうさんくさく見える。謀ったとしか思えない。否、絶対わざとだ。
 素っ気無いふりをすれば油断してすぐコートを脱ぐと踏んで。紅茶のカップを置いた後の爆弾発言も、紅茶をこぼして服を汚しては勿体無いという考えからだろう。
 アメリアが似合うから着てみてと熱心に薦めるから――ダメだ、罪のないアメリアを責めそうだ。
「ワンピースの色とリボンの色から考えてハロウィンの為にある服ですね」
 かぼちゃをイメージしたと聞くとどうも良い印象を受けないが。実物――実際に着ているワンピース――は悪い印象を簡単に一蹴する。アクセントがリボンだけだからシンプルだ。生地の色もべたっとした重さがない。明るく華やかな色だ。リボンも濃緑とは言え黒に近いから悪趣味にならない。
 ごまかしてるんじゃなかろーか。邪推しつつも完全に疑いきれない。意地の悪さなんて欠片も無さそうな目でじっと見られたら。
 表情から声から眼差しから、伝わってくるはずのない体温を感じる。もっとはっきり言えば、感情が伝わってくる。うっすらと熱を帯びて。同じ感情を共有しているとわかるから、ごまかされてもいいかなとほだされる。
 それにしたって限度がある。凝視されたら身動き取れない。蜘蛛の糸に掛かった獲物か、蛇に睨まれた蛙の心境だ。目を逸らすに逸らせずしどろもどろに答える。
「う、ん、一応。せっかく買ったから一回くらい着なきゃと思って」
 何故さっき――コートを脱ぐに脱げなかった時に――なにも言わなかったのか。説明されなくても、なんとなくわかってしまった。
 企みではない。あたしがガチガチに緊張しないで済むように。彼は無関心さを装いあたしの緊張をほぐしてくれたのだ、たぶん。服についてわざわざ口に出したのは、態度そのままに受け取られないため。あたしが誤解した事実はないと言う代わり。いつもと違った服装にちゃんと気づいていたというサインだ。
 性格悪い。ほんとうに性格悪い。逃げ場をなくされたら囚われるしかない。
 底無しに優しいってのも考えものだ。特別(むしろ格別?)扱いされているとわかったらもう、好きになるしかない。惚れ直すってこういう心境なのだろうか。
 なにを考えているんだか。恥ずかしい。レゾに心を読まれたら赤面どころの騒ぎで済まない。墓穴を掘る前に話を変えたい。
「そっそれよりっ、パズル、どこに置くか決めた?」
 服の鑑賞会では(断じて)ない。パズルを渡す為に来たのだ。本題を忘れていたら何の為に来たのだかわからない。渡すには渡したが、渡してそれで終わり、というのもなんだか寂しい。
「寝室に一つ置くとは決めてました。それ以外はまだ」
 あたしの心境を察してくれたのだろう、話題の転換に乗ってくれた。どこまで優しいのだろうか。際限が無いように思えるから甘えたくなる。
 ちょうど良い熱さになった紅茶をまた一口飲む。
 レゾはテーブルを挟んだ向かいに座っている。あたしに合わせたのか気分に合わせたのか、彼も同じ紅茶だ。
 あたしのカップはヘレンドのインドの華、レゾのカップはマイセンの波の戯れ。初めてレゾの部屋で紅茶を飲んだ時にお気に入りのカップだと聞いた。
 カップをソーサーに戻す。陶器がかちりと音を立てる。その音も、紅茶の香りも。沈黙さえ心地良さに変えてくれる。
 何故なのかなんて自問するまでもない。レゾがいるからだ。
 意味なくソーサーのふちをなぞる。高価で大切に扱われてきたのであろうカップを出される意味を、考えている。
 紅茶もパズルも。レゾがいるから意味を為す。
 カップの意味を、貴重な時間を割いてくれている理由を、うぬぼれてもいい? 瞳の熱は、包み込む声は、あたし一人に向けられていると盲目的に信じても。独り善がりにならない?
 ――――今更と言ってほしい。
「実際に見てからの方が良いでしょう?」
 それもそうだ。絵柄は教えていなかった。イメージと違う完成品だったら、どこに置くか決めていても徒労に終わる。
 話題のパズルは近くにある。小さめのパズルがテーブルの上に箱から出された状態で。大きめのパズルは箱の中に入っている。レゾの側のソファに立てかけて置いてある。
 指を止めソーサーから離す。くるりと部屋を見まわした。
 ソファがあるのはリビングだ。やや離れた位置にテレビとビデオ、LDやDVDなどが配置されている。レゾの背後はダイニングキッチンだ。冷蔵庫やら食器戸棚やらが所狭しと並んでいる。
 寝室に大きいパズルは似合わないだろう。……一度も足を踏み入れてないからわからないが。だとしたら寝室に小さいパズルを、大きめのパズルはこのリビングに置くのが最適か。
「なんで寝室なの?」
 我が事のように考えながら訊いた。
 真っ先に置き場所を考えるとしたら玄関や、ここ、リビングではないだろうか。
 レゾはきょとんと瞬きを数回繰り返した。質問の意味がわからない、というよりも、どうしてそんな質問をするのかわからない、といった表情だ。
 不意に――不健康な生活の影響の――白い顔を鮮やかな微笑で彩った。
「寝る前と起きてすぐ、あなたからのパズルが目に入るなんて、とても素敵でしょう?」
 この、英国紳士もかくやというセリフまわしをどこで培ったんだか。
 うつむいて額に手を当てる。
 なにも真剣に悩んでいるのではない。もっと単純だ。悩んだふりをして手で赤くなった顔を隠したのだ。どうせお見通しだろうが。照れ隠しにテーブルの上のパズルを取る。
 上方にフルムーン、その下に、交差するように、競い合うように、挨拶するように海上でジャンプしている二頭のイルカ。月の光で夜の暗い海を照らしている。おかげで沈んだ印象は受けない。
 このイルカたちは静かな――他の生き物の存在を感じさせない――海で、なにを思うのだろう。月が二頭のジャンプを華麗に浮かび上がらせる。
 照れ隠しのつもりがじいっと見入ってしまっていた。
 かすかな物音で我に返る。レゾが目を伏せカップをソーサーに戻したところだった。
 あたしが魅入られてどうする。レゾにあげるために持ってきたのに。
「寝室にね、飾るならこっちのほうがいいと思うわ。あまり大きいのを飾っても圧迫感あってイヤでしょ」
 慌てて取り繕う。
 パズルをそっとテーブルに戻し、冷めかけた紅茶を飲んだ。
 程よい甘さがあり砂糖もミルクも入れていない。ただ冷めてしまうと多少、渋くなる。
「そうですね。こちらの大きい方は――――」
 言いかけた彼に右の手の平を上に向け、箱の中のパズルを示す。見たほうが絵柄を答えるより早い。
 レゾが立てかけた箱から大き目の額縁を取り出す。
 ジグソーパズルの絵柄はやはり青が基調となっていた。真中には親子だろうか、二頭のイルカがまるでキスでもするように向かい合っている。右手の奥のほうには二頭のイルカが悠悠と泳いでいる。また小さい熱帯魚が手前のイルカの周りを行進しているように取り囲んでいる。他に生物はいない。
 イルカたちは海上でも海中でもなく海底にいる。このパズルも暗さを微塵も感じさせない。イルカの表情と熱帯魚の明るい色、上方から幾筋もさし込む光により。
 多くの色が使われている割に雑多な印象を受けない。青がベースに使われ、熱帯魚がばらばらに見えてその実、規則的に配置されている為だろう。
「……綺麗ですね」
 彼は額に入ったパズルを膝に置き、ぽつりと一言のみ洩らした。
 あたしはあたしで残りの紅茶を飲み干す。ミルクくらい入れれば良かった。レゾに頼めば出してくれるが邪魔したくない。渋くても我慢して飲んだ。
 飲み終わると手持ち無沙汰になってしまった。うかつに話しかけられない。ソファに体を投げ出す。あたしがさっきパズルに集中していた時、レゾもこんな気持ちだったのだろうか。はっきり言えばつまらない。
 人によく猫みたいと言われるが、猫ほど素直ではない。構ってと口に出して言えないし態度にも出せない。先刻レゾの存在を忘れてしまった負い目もある。自分の時ばかり、寂しいつまらない構って、と言える訳がない。あまりにわがままで手前勝手だ。
 ふと指先に当たる硬い感触に気づいた。コートでもソファでもクッションでもない。身を起こし体をねじる。コートの下の重なり合ったクッションの更に下だ。なにかがある。クッションが崩れ落ちないよう押さえつつ引っ張り出した。けっこう重い上に大きい。
 A4サイズのハードカバーの本……ではないらしい。表紙は茶色、幾何学模様が描かれている。本来ならタイトルが書かれる部分は空白だ。なにも書かれていない。
 開くと写真が中に何枚も貼ってある。整理しきれず突っ込んであるのか、写真の端が複数のページからはみ出ていた。アルバムだ。
 町の風景、花、雲、川、夕焼け、月……ピンぼけした写真から、アップになりすぎて全体を写しきれていない写真、逆光でほとんど何も写っていない写真などなど。それぞれの写真付近に撮影日時と天気、撮影場所、ちょっとしたコメントが書かれている。
 アルバムを足に乗せる。一ページ目から見ていく。
 曇り、近くの川原にて。フラッシュたくのを忘れる。晴天。自宅にて。雲が無い空は面白味が無い。雨、渋谷の喫茶店。色とりどりの傘が花のよう。晴天、自宅にて。ガラスの撮影方法要研究。曇り、散歩道にて。動く動物は難しい。晴天、小学校のグラウンド。サッカーの試合。ブレすぎている。晴天、自宅のベランダ。霜にピントを合わせられない。晴天、車内。光がフロントガラスに反射、真っ白。雨、車内から近所を撮影。葉が青に見える。同日、知人のワインセラー。ピンぼけ……。
 ぱらり、ぱらりとアルバムをめくる。レゾの視点で撮られた写真を全て見ていく。
「これは玄関に置くより、ここに置い――――ッ何を見ているんですかっ」
 ぱっとアルバムを奪われる。ひらひら落ちた写真もテーブルに触れる前にレゾの手の中へ。早業に感心すべきか呆れるべきか。
 レゾは怒りと羞恥で赤面して口を真一文字に結んでいる。
 なにを見ているかという問いに対し答えるなら、アルバムを、だ。彼の求める返答ではないから言わない。
 ぶう。と口をとがらせる。
「いーじゃない。見せてくれるって約束、忘れた訳じゃないでしょ?」
 まだ五ページほどしか見ていない。そんなの見た内に入らない。第一、見られたくないならクッションの下に隠すという、ずさんな管理しなければいいのに。几帳面で真面目なレゾにしては珍しい。
 彼は応えを返さない。閉じたアルバムを片手で持ち、片手で表面を触っている。
「写真、見たいなー。あなたの目から見た世界ってどんな色でどんな形で、どんな景色なの? 見たいと思っちゃだめ?」
 上目遣いで見る。視線は一瞬合ったものの、すいっと逸らされてしまった。
 完全にヘソを曲げてしまったようだ。意外と子供っぽい。拗ねると無口になる。親類なだけあってゼルに似ている。いや訂正、年齢から言えば逆だ。レゾがゼルに似ているのではなく、ゼルがレゾに似ている。
 こんな時、ゼルが相手なら彼の興味のある話題を振って目先の対象を変えれば機嫌を直してくれるのだが。
 ご機嫌斜めの彼の対策を考えようと目を部屋に巡らせる。
 上品な色の壁紙、要所要所に置かれた観葉植物、無言のレゾ、大理石のテーブル、小さなパズルと大きなパズル、空のティーカップ二つ、パズルが入っていた空き箱。
 室内をひととおり巡ると足もとへ。テーブルの脚、ふかふかのじゅうたん、ソファ、自分の足、――プラス、もうひとつ。
 足の近くでぽつんと存在を主張している。ハガキほどの大きさの紙一枚、もとい人間が複数写っている写真だ。アルバムから落ちたのだろうか。
 右側に指とおぼしき影が、中央にはあたしが写っている。ピントはあたしに合っているようだった。
 日付はふたつき前だ。彼はその頃も忙しかった。電話もろくにできず、会えない日々を送っていた。連絡手段は一行メールだった。メールを打つ暇も無かったのだろう。当然、彼に写真を撮られた覚えなんて無い。結論。――――隠し撮り。
 遅れ馳せながらレゾが焦ってあたしからアルバムを取り上げた理由を理解した。
 写真を拾い、ぴらりとレゾに向ける。引きつったあたしの笑顔と共に。
「……なにコレ」
 レゾは横目でこちらを見、まともに表情を変え絶句した。



――続く。
 



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 廻れ舞えよ自動人形 
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