蓮田のお店 現場の雰囲気 - 2005年11月23日(水) 昨晩は長野に泊まり蓮田に移動しました。新幹線を使って約1時間半ということは横浜から蓮田と時間的には然程変わりませんが、距離はぜんぜん違いますので如何に新幹線って早いかということですね。車内でお弁当を食べて書類のチェックやらで寝ることは出来ませんでしたが、午後一番から現場チェックと打合せです。 そして、今日は通常はあまり公開しておりませんが、工事中の現場の画像等をお見せしたいと思います。現場の雰囲気、色合わせ、家具工場・・・いろいろなプロセスを経て一つのお店が完成します。 ![]() <ホール 1> 造作物もだいぶ出来上がってきましたが本番はこれからです。各部材に最終仕上げを施していくのが大変な仕事となります。今日は夕方から壁面の塗装工事が入りましたが、ただ単に吹き付けるというものではなく、ノズルの調整やらガン自体を変えながらテクスチャーをチェックし、修正を重ねていって漸く最終的なものが決まります。 ![]() <ホール 2> 壁面は柚子肌調の拭き付けを施します。その下処理としてパテを扱いて下地を均しますが、料理もそうですが下処理が大切です。上の説明にもありますが、最終的なテクスチャーを決めるまでに何時間も掛けて試し塗りをしていきます。 ![]() <パントリー> 左側がホールと厨房の間にパントリーと呼ばれる配膳スペースです。調理人とお客様を繋ぐ大切な部分となる場所となります。見えている部分と更に左側の手前にバッシングカウンターがあります。 ![]() <厨房> 厨房内は塗装とステンレス貼りも終了し、あとは厨房器具が納入されるのを待つだけです。天井から下がっている棒はフードや食器棚などを吊る為のボルトです。一見広く見えますが、器具が入ると意外と狭く感じてしまいます。 ![]() <カウンター材> カウンターは当初無垢材の二枚剥ぎでしたが、施工業者さんから一枚板が手に入りそうだとのことで、家具工場に届いた現物を見に行きました。間口3m90cmで変わりがありませんが、奥行は63cm〜70cmの範囲で使えそうです。これを接ぎ剥ぎなしの一枚板となるのですが、これほど大きな一枚板は中々手に入りません。大きさが分かるように図面を乗せて撮影しましたが、図面はA3サイズ(約30cm×42cm)ですから如何に大きいかがわかるかと思います。 このカウンターはお店一番の見せ所となるかもしれません。湾曲している場所が丁度お店の状況に合っているので大幅にカットせずに、ほぼそのままの状態で使えるというのは思いがけない産物でした。 ![]() <色合わせ> それぞれの木部の色を調合していきますが、見本帳にある既製色は使いません。毎回毎回色を調合して作っていきます。最初にベースの色を何パターンか作っておいて、それから微調整をしますが、ちょっと赤を入れて薄くして・・・とか、茶を入れて少しだけ濃くしながらぼかして・・・とかという無理難題を言いながら一つ一つの色を決めていきます。 ![]() <実施設計図> これは店内のエントランス部分とその付近の平面図です。図面をベースに現場で少しづつ修正したりしながら最終的な造作寸法が決まります。これは1/30の縮尺ですが詳細図面は1/10、1/2、1/1(原寸大)というスケールでミリ単位の納まりを考えていく箇所も出てきます。 出来上がったお店の画像は見る機会は多いと思いますが、完成前の現場はこういう感じとなります。造作物が取り付けられてもこれから先の仕上げ工事が大変です。そして、照明器具が付くと更に雰囲気が変わってきます。 一軒のお店をつくるには驚くほど数多くの職人さん達が携わります。その一人一人の思いが完成した際に伝わるようなものに持っていくのが現場監督さんの仕事であり、それを願ってデザイナーは図面を描いて、テクスチャーを決めていきます。 出来上がったお店には見えてこない部分しか携わらない職人さんもいます。でも、仕事は内容は見えてこないけど、決して不要なものではなく、絶対になくてはならない裏方さん的な職種もあります。 -
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