蓮田のお店 - 2005年08月26日(金) クライアントが約2ヶ月振りにサイパンから帰国し、本格的に店舗の打ち合わせを進めていくことになった。数日前の日記にも綴ったがプランナーとして引っ掛かるところがあり、大幅なる平面計画の変更を考えていた。建築の定例会議の前にその件でクライアントとの打ち合わせの時間を持ったが、工事が進んで躯体が出来上がってくると全体的な大きさも把握出来るようになってくる。 実際にその感覚を掴んだ中で現在の区画ではやはり大き過ぎるのではないかと言う考えを持って頂いたようなので思い切っての縮小案をぶつけてみた。出来上がれば凄い厨房になるだろうが、果たしてこの規模のお店でここまでのスペックが必要であろうかという疑問を持っていたのでクライアントの帰国まで設計の進行をストップしていた。建築サイドからは図面はまだですかと言う問い合わせもあったが、時間的にはまだ大丈夫だったので本当に納得いくまで悩み考えた中で最終的に提案しようと思っていた。 面積にして約1坪半程縮小することになるが、その分を客席へ廻せることになり全体的にゆとりを持ったレイアウトが出来るようになる。今日提案したものはラフプランの段階からも大きくレイアウトを変更していたが、更なる修正を加えることによってより良い本当に納得行くものがつくれると確信している。中途半端に妥協するのは自分自身の信念から言っても絶対に嫌だし、時間が許す限りは突き詰めて考えていきたいと思っている。 最初にラフプランで可笑しなものになるかといったら決してそうではない。厨房区画にしてもクライアントが納得したものであればそのままつくれば良いことである。しかし乍それでは良心の呵責に駆られてしまうことになる。気になることはトコトン突き詰めて考えていきたいし、それによって出来上がったプランの方が良いに決まっている。面倒臭いからと言ってそのまま図面を進行させるのは私には出来ない。クライアントとぶつかることになっても修正案を進めていくことを優先したと思う。それが真剣に考えているという証でもある。 その後、建築の定例会議があり出席したのだが、ちょっと腑に落ちない点があったのである。外壁のタイルがクライアントが海外出張中に決まっていたのである。何度もサンプルを作り直すくらいに拘っていた箇所だからどうして不在の状態で決まってしまったのか?実際にクライアントも「これに決まったの?」と驚いていたが、私も同様に驚いてしまったのである。これまでの茶系をベースにした中での濃淡から、全く異なる系統の色合いになっていたので建物のイメージが大きく変わってしまう。これほどまでに大きく変わる内容のことが不在のところで決まっていたら納得できないのは当然なこと。納期云々の問題であっても、現物をサイパンへ送って確認していただく事だって出来たはずである。 何故こういうことになったのかは定かではない。発注済であるからメーカーでは生産を進めているだろうが、ここから先は建築設計者とクライアントとの納得いくまでの話し合いであると思う。同じ設計者として自分がこうしたいという思いがあれば、それをクライアントに納得して頂ければいい訳で、そこでぶつかり合うことも必要だろうし、お互いの思いや拘りをぶつけ合った中での解決を望みたい。少なくとも今日の段階では設計サイドからの強い主張と言うか、それに対する思いや拘りは感じなかった・・・。これでは平行線のままだろう。とにかくこういう問題は双方の主張をぶつけ合った中で、双方が納得いくまで話し合うことが大切であると思う。 -
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