墨出し・・・現場に描く原寸大の図面 - 2005年08月05日(金) 今日から西浦和のお店が着工した。途中で出店予定の物件が変わりスケジュールが遅れていたのだが、漸く着工を迎えることが出来てホッとしている。タイトルにある「墨出し」というのは現場の床に設計図通りに造作が出来るかどうかを確認する為に線を引いていく作業であるが、昔は「墨壷」という鋳物で出来た瓢箪を半分に割ったような形をしたものを使っていたが、今はプラスチック製のものや、墨ではなくチョークの粉を使ったもので線を引いたりと様々なものが出ている。だから、昔ながらの墨壷に出会うことは殆どなくなったのはちょっと残念でもある。 この墨出しを行い、図面と異なる部分を何処かで調整していくのであるが、これを何処をどのように変更するかをその場で決めなければ現場が進まない。それと図面通りであるが実際に原寸で見た場合に狭く感じたり、調整を迫られる箇所も出て来る。今回の現場は直前まで事務所として使用していたテナントなので、床もクッションフロアというシート状の床材がそのまま残されていたので、その上に墨出しを行うことが出来たので非常に楽であった。通常は解体をして床をはつったり、土間コンを打った後にしか出来ないのであるが、こういうテナントの場合はそれが省けるので工程的にも楽になる。お陰で今日もかなりの箇所を変更や修正しながらもほぼ全体の墨出しが終わった。 この辺の調整が難しいところでもある。意匠にも絡んで来たり、金額的な変更に関わる場合もあるので重要なるポイントでもある。だからこういう作業は例えスタッフがいたとしても完全に任せられる仕事ではない。責任者がその場に立会い、その場で確認が出来れば現場は順調に運ぶことになるし、変更後の図面等の段取りも上手くいくことになる。一部意匠的な部分を変えざる得なかったり、急遽異なる仕様に変えたりもしたが、これはスタッフには任せられないことでもある。 この墨出しをしっかりと行わないと図面通りに造作が出来なかったり、後から納まらないことに気付いたりするというトラブルが発生したりするので非常に重要なる作業の一つである。業者さんによってはこの辺のことを疎かにしてしまい、後々大変なことになったりしたという話しを聞くこともある。 今回は現場の床も綺麗なので途中から厨房区画の中に実際に使う器具の形を原寸で書き出してみた。こうやることでクライアントには実際のオペレーションを現実的に組み立てて貰うことも出来るし、それぞれの機器の大きさや位置を原寸で把握して頂くことが出来る。 ![]() <厨房内の墨出し> 厨房全体をパントリー側から見た原寸図。実際にどの位置に立ってどの作業を行うかとかを把握することが出来る。 ![]() <パントリーの墨出し> パントリーのサービス機器の配置図の一部。これはホールスタッフがどう動くかをシミュレーションするためのもの。お客様が来店されてからの実際の流れを考えての配置をしている。 -
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