17番の日記...17番

 

 

「ジョゼと虎と魚たち」 - 2004年03月28日(日)

ん〜、キャスティングに助けられたという感じかな。前評判で良さを聞いていたけど、それほど強いインパクトは受けなかった。

ジョゼと恒夫が別れる理由は、観た人によって受け入れ方が違ってくると思う。別れを切り出したのはジョゼからなのか、それとも恒夫なのか。「結局僕が逃げた」と恒夫が映画では言っているが、はっきりしたことは最後までわからなかった。僕が思うに、別れを切り出したのはジョゼではないかなと思う。

ジョゼが別れを切り出した理由、それは恒夫が物足りなかったから?それとも恒夫に迷惑をかけたくなかったから?恒夫が就職し、すれ違いの生活が続いていたから?様々な理由が考えられる。

パーキングエリアで、恒夫が「車椅子買おうよ」と言ったのに対し、ジョゼが「あんたがおんぶしてくれたらいい話やん」と言う。そこで恒夫は「年寄りなったらきついだろ」と言った。それに対しジョゼは黙った。結婚を考えていた恒夫に対し、結婚は頭になかったジョゼ。僕が、ジョゼから別れ話を切り出したと考える理由のシーンだ。

この作品は、よくある障害者との恋物語とは少し違う感じがした。それはどういう感じなのかといえば、よりリアルに描かれていたということだろう。別れることが決まって、それが原因で恒夫とジョゼが苦悩する姿なんて描かれてなかったし(最後に恒夫は泣いてたけど)、いざ別れる時だって、たんたんとしてた。最後は弱い男性(恒夫)、障害者だが強く生きる女性(ジョゼ)ってな感じで話が終わっていった。男としては痛い映画だ。しかし、恒夫が変に格好つけなかったところに、僕は好感がもてた。女性からすると、すぐに香苗に乗り換えた恒夫に対して憤りを感じた人がいたと思うけど。

障害者との恋愛は難しい、女性は強い生き物で男性は弱い生き物。結局、この作品で伝えたかったことはこの2点なんだと思う。だから女性にとっては感動、男性にとっては痛みを感じる映画なんだと思う。

僕にとっては、妻夫木聡、池脇千鶴、上田樹里、新井浩文といった好きな俳優、女優が出てたから面白かったといえる感じだ。障害者との恋愛は難しいとリアルに感じたが、肝心の男性が感じるはずの「痛み」を僕はそれほど感じなかった。

それは、僕は男が弱い生き物だっていうのを認めたがらないからだろう。10年後にもう一度この映画を観て、そういう風に思えたらいいんだけど。





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