徒然
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傷口は思った以上に深く、そしてその『蛇』はやはり毒を持っていて。
そして毒は一時、体内全てに回るような勢いで私の中を侵食した。
本当は、何よりも欲しかったのは、毒を消してしまう為の。
だけど、それはもう手に入らないから。 手に入ることは、無いだろうから。
だからやっとの思いで、毒を自分の力で吐き出した。 「吐き出してしまえ」と思えるうちに。
消してしまうためのソレを、訪れることもないそれを待ち望んでいる、 愚かな自分ごと、吐き出してしまえるうちに。
もしかしたら、まだ何処かに残っているであろう毒は 何時また体内を侵食するかわからない。 けど願わくば、永遠にその日が訪れないことだけを願って。
たとえ、身体中から毒がなくなってしまったとしても。 傷跡が癒える為には、まだまだ時間が必要だろうから。
そしてきっと、傷跡を見るたびに思い出すんだろう。
全てが癒えるのは、何時になるのか。
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cherokee
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