「いつもにこにこ・みけんにしわなし」
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ミーとマルと3人で家に帰ってきたら、 うちのまえで子供が群れている。なんだなにごとだ。
「あっ!おばちゃーん!ネコ、こうて〜!」
はぁ!?
あちゃー。 でかいネコ。 ・・・・・・なんだか、ぐったりしてるように見えますが。
「うん!今日学校行くとき血だらけになって倒れとったんさ!」 「うん!うん!で、学校まで連れていってー、」 「そう!それで、給食食べさせてー、」 「でもなーちっともよくならへんからさぁ!」 「みんなで、連れて帰ってきてん!」 「このうちで、こうて〜!!!」
・・・・・・・・・。 「ちょっと、そのネコ、下におろしてみ。」
子供たちがわいわいと、抱いていたネコを玄関先におろす。
・・・・・・・・。 ネコは柔らかいものだけど、 この柔らかさはおかしくはないかい? なんか下半身、変な方向に曲がってますよ? ああ。もう立てないのか。 力が入るのは、前足だけ。 目も開かない。鼻からは血が垂れる。
「なぁ!おばちゃん、うちはお母さんが、ネコあかんから、飼えへんねん!」 「うちも!」 「でもかわいそー!」 「なぁ!こうてー!」
言いたくはないけど、仕方ないな。 「あのね。うちでは、飼えないわ。」
えーっ!と、こどもたち。
「おばちゃんとこ、子ネコいてるやろ。 今、ほかにネコ飼うつもりはないの。 見てみ、さっきから怖がってずっとフーって言うてる。 オオケガしててかわいそうやから病院に連れてっていったげるのはかまわないけど、 たぶん病院に連れていっても、治らないかもしれないひどいケガやと思う。 今はまだ命があるけどね。もう、長くないのとちがうかな。 おばちゃん、このネコの寿命までよう面倒見てあげられへんと思う。 ごめんな。よう飼わんわ。」
「そしたら、・・・・どうしよう・・・・。」
ほんと。どうしよう。 かかりつけの獣医さんに電話して相談してみる。
先生は、車にでもはねられたんでしょうねぇ。多分、背骨が折れてますね。 と、話を聞いてくれた後、優しい声でアドバイスしてくれた。 「あー。つらいですねぇ。 うちは、病院ですからね、連れてきてもらえば治療はします。 でも、問題は、そのあとですよね。 飼えないネコを治療しても、そのあとの引き取り手がいないんであれば、 つらいでしょうけど、ボクは保健所に連絡することをおすすめします。」
先生の一言に背中を押してもらって、 ぐずぐずと保健所に電話する。
保健所の担当さんは、さっきの動物病院の先生の後輩さんだった。 すぐ来てくれた。
箱にタオルをひいて寝かせたネコは持ち上げられてももう動かない。 担当さんが様子を見る。 「・・こちらで引き受けますね。 先生のいうとおり、治療に連れていってもたぶん・・・・・。 ・・それに治療するだけで軽く10万近くはかかりますね。」 と慰めてくださる。
連れてきた子供たちみんなあつめて、ネコをお願いする。 「みんな、自分で責任もって飼えないんだったら、今度から拾ってきちゃだめよ。 自分は飼えないから、よそで飼ってもらおうなんていうのもやめてね。」 「はーい。」
ネコをトラックの荷台に積んで、 担当さんが「今は何か飼われてるんですか?」 「はい、子猫を飼い始めたばかりです。」 「じゃ、そのコを、かわいがってやってくださいね。」
トラックの荷台に乗せられたネコにみんなでお別れ。 「ネコ、ばいばーい!」 「ばーいばーい!」
つら〜。
「・・・おばちゃん、ごめんな・・。」 うん。 「おかあちゃん、ありがとうな。」 う、うん。
わかってくれたなら、いいんだけど。
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