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  2001年12月22日(土)   「ジャック・フロスト」  

大ヒットしたファミリー映画ということで、
「ビートル・ジュース」や「バットマン」の
マイケル・キートンファンとしては、
今ごろになってやっと観ています。

Jack Frostは英語で「霜」や「冬将軍」を
いいますよね。ううっ、さむい。

そんな名前の主人公、ジャックは売れないバンドマン。
いつもジョークを連発するお父さん。
知る人ぞ知る、といった渋さが少しずつ注目されたころ。
ひとり息子のチャーリー少年との大事な
約束を、仕事のためにすっぽかしてしまいます。
そして、クリスマスに訪れた最大のデビューチャンスを
家族のためにあきらめようとしたジャックは、
その夜、かえらぬ人となりました。

しかし、ここからがこの映画の始まり。
ジャック・パパは、わが家に帰ってきたのです!
一年後のクリスマス・シーズンに。
チャーリーがつくった雪だるまに"入って"。

この映画の日本語版は「パパは雪だるま」。
ちょっとおかしいほどですが、まさにそのとおり。
雪だるまになってしまったジャックは、チャーリーと
仲直りして、新しい思い出をつくるのでした。

この雪だるまの表情が、とてもユニークで、
「死」という境界をはさんでいることもあって、
涙をさそわれます。
マイケル・キートンの顔に似せた雪だるま、
とにかく表情がくずれていて、悩ましげで、愛嬌がある。
人間みたいに複雑なのです。
SFXはILM、アニマトロニクスは
ジム・ヘンソン・スタジオとのこと。
日々進歩している世界では、3年前となると
技術的には古いのかもしれませんが、
親子の情愛は年を経ても色あせず、
死をへだてても気持ちは通じます。

それにしても、このママは美人ですね。
星のつえを持った、クリスマスの天使みたい。
そして、ジャックがシャウトする、
ジャック・フロスト・バンドのライブも
なかなかでした。

子ども向けのファミリー映画、と
一筋縄ではいかない奥行きのある映画です。
(マーズ)