Web Masterの日記



人生初抜歯完結編

2014年01月13日(月)

このイスに座ってから、どれくらいの時が経過したのだろう?
背中に汗をかいている感じがした。
外からは分からないだろうが、体の後ろ半分が全体的に濡れているようだ。
シートと接触している部分がジワジワと濡れている。
そういえば18歳の時、高校3年の夏休みを利用して山梨県の合宿教習所に行った時、
教習車を運転しながら、背中全体に汗をかいたのを思い出した。
まさしくそんな感覚である。

あぁ、麻酔追加ね。痛いかもね、チクッとね。
そんなことどうでもいいよ。
麻酔は脳につながらないから痛いうちに入らないよ。
本当に痛い時は腕が勝手に外側に開くんだね、発見したよ。

さて、いよいよ再開。
ぐはっ!イデデデデデデ!
先生、麻酔効いてる?追加したの?ホントに?

歯を抜くのって正確には初めてじゃない。
だけど今まで抜いたのは乳歯だったわけで、
つまり根っこが弱ったり抜ける準備ができてる歯ばかりだった。
枯れ木を引っこ抜いてただけ。
しかし、親知らずってヤツは、めちゃくちゃしっかり根付いていて
これからも、そこに居座り続けようとしているわけで、
さらに奥歯なだけあって、ベンツいやボルボみたいな頑丈さだ。
枯れ木じゃなくて大樹だよ。この木なんの木、気になる木なわけだ。

先生が作業をやめたので、もしかしたら終わったのかと思ったら
道具を持ち替えてコンテニュー。
えぇ〜、まだ抜けてなかったの…。
もう、どうにでもしてくれ〜って思ったら
「はい、抜けましたぁー(ハート)」
先生、例のアニメ声で嬉しそうに言ったよ。

やっと抜けた。
どっと疲れた。
抜けたところがどうなってるか、舌で触ってみたいけど怖いので我慢。
軽くうがいをしたあと、止血のためにガーゼを噛まされて放置される。
途中「気分悪いとかないですか?」と聞かれるが、特に普通なので大丈夫だ。
歯と気分というのは何か関係があるのか?
麻酔の影響を心配しているのかも。
さらに「抜歯をした方へ」というプリントを渡された。
抜いた後にできる「血餅」というゼリーのような、かさぶたを取ると
骨がむき出しの状態になって治りが遅くなったり
痛みが出るので取らないようにとか、刺激物を食べないようにとか、
読んでいると不安な気持ちになってくる。

あれ?
読み終わってボーッとしていると、なんか頭が冷たくなってきた感覚。
おおっ!これはヤバイかも。サーっと青ざめていく感じがするぞ。
採血した直後と同じ感覚かも。
ガーゼを噛んで止血しているわけだが、あとどれぐらい放置されているのだろう。
言った方がいいのか?
いや我慢だ、どうせすぐ元に戻るから。
貧血っぽく考えるから余計に貧血になるんだ。
何か考えよう。
えーっと…
ドラえもんの身長は129.3センチで、体重も……。
サイボーグ009のメンバーは001がイワンウイスキー、002がジェットリンク、
003が…いや、ムリだ。ごまかせない。

「すいません、ちょっと気分が…」

ガーゼを噛みながら後ろにいた先生に言うとシートを倒してくれた。
ふぅ〜、はじめからこうすれば良かった。
脳に血が戻るのがわかるぞ。
あのままだとブラックアウトしてたかも…(-o-;)

「あ、止血できてますねー」

ガーゼを外して先生が確認する。
血が止まったら今日は帰っていいようだ。
歯を持って帰るか聞かれた。
一瞬迷った。人生初の抜歯だったので一瞬、迷ったけど断った。
50年間も一緒にいたけど、ここでお別れだ。
見せてもらったが、粉々に砕かれ血の着いた歯が。
根っこが長くて抜くのが大変だったようだ。

受付で痛み止めと化膿止めの薬をもらう。
まだ少しだけ頭がボーッとした感じもあったが、やり遂げた。
ついにやり遂げたぞ。
だけど、麻酔がまだ効いていて舌の部分まで痺れている。
誰かに会っても、ちゃんと喋れそうにない。
たとえ堀北真希や有村架純に逆ナンパされたとしても、
対応できないぐらい痺れている。

それ以外は意外と大丈夫。
とか思っていたら家に着いてホッとしたのかズシンという感覚が…。
それから重い感じの痛みが続く。
口も大きく開けることができない。
買ってきたプリンを食べてすぐに痛み止めを飲む。
痛み止めは6時間ほど間隔を空けないといけない。
なんか夕食をもやめようかと思うぐらいテンションが下がっていたよ。

家に帰って鏡で抜歯したところを見てみる。
あっ、こんにゃくゼリーだ。こんにゃくゼリー(ぶどう味)がくっついてる。
これが「血餅」ってやつのようだ。
口の中のかさぶただけど、ホントにゼリーみたいでプルプルしてる。
それがむしろ怖い。

親知らずを抜いて初めての食事。
左下の抜歯部で噛んでしまうと間違いなく嫌な思いをするだろうから
右側のみ使って噛む。
でも、怖いのは食事じゃなかった。その後だ…。
歯を磨くのが怖い。
歯ブラシが触れても出血するだろう。しかもうちの歯ブラシは電動だ。
しかし、歯を磨かないと結局虫歯になるかもしれないというジレンマ。
しょうがないので鏡を見ながら、手動で恐る恐る磨く。
しばらくは決して地雷には触れないように注意が必要だ。

だけど思ったよりも普通に抜けて良かったよ。
歯茎を切開して歯をむき出しにして抜歯をしたり、
最悪の場合だと頬のところを切開して、口の外側から
歯を取り除いたりするというのも聞いたことがあるだけに、
普通に抜くだけで終われたので本当に良かった。
縫合したり抜糸したりすることを考えれば精神的にも肉体的にも
金銭的にも負担は軽いしね。

親知らずを抜く…というととてつもなく嫌な気持ちになるかもしれないが、
放置して将来どうしようもないほどに悪化してから処置するよりも
普通に生えている時に短時間の痛みに耐えて抜歯した方が
はるかに楽かもしれない。
そう思えば抜いていて良かった気がする。

抜いた親知らずが再び生えてくることは絶対にないが、
無事に生えている親知らずが将来もずっと無事か…というと
そうではない可能性もあるのだ。
いつ爆発するかわからない爆弾を抱えて生活するより
早いうちに撤去した方が安心できる。

親知らずの周りの歯茎がたまに腫れたりしていることもあった。
普段は親知らずの刺激に抵抗できていた歯茎が、
疲れて体力が落ちた時などに炎症を起こしてしまうらしい。
でも抜歯した今となってはその心配はない。
親知らずがなくなって間もないので、何か食べた時にあまり奥で噛もうとすると
歯がないところで噛んでしまいそうな変な感覚にはなるが、
それもじきに慣れるだろう。
それから歯医者によっても処置の仕方や作業の手際に差があるだろう。
自分が今回通院したところは新しくできたばかりなので
機械も器具も最新のものばかり。
担当した女性医師は丁寧な作業と細かい説明をしてくれるので非常に信頼できた。
5年前に行っていたところも作業が丁寧で、できる限り痛くないように処置してくれた。
子供の頃に通ったところは、かなり痛かったし雑なような気もした。
歯医者嫌いになったのは子供の頃に行った歯医者の影響が大きい。
だが、時代が進んだことによる医学の向上や
器具の発達も関係しているかもしれないが、やはり病院や医師によって差はあると思う。
どの歯医者に通うのか事前にできる限り口コミの評判で下調べしておくと
楽に治療を乗り越えることができるだろう。

自分の行動範囲の中に信頼できる歯医者があるというのは非常に安心だ。
ずっと歯医者嫌いだった自分も今回の通院によって、
その気持ちがずいぶん薄らいできた。
「症状が悪化する前に信頼できる歯医者へ」
単純だけど、これに尽きるね。

以上、3連休の3日間すべてを使って書きあげた人生初抜歯日記でした。
ちなみに抜歯翌日の朝も確認と消毒のため通院。
これはイスに座って10分もかからなかったけどね。
抜歯3日目の今日も、まだ少し痛みがあるが、
だいぶ普通になってきたというか慣れてきた。
次は今度の土曜の朝に10分ほどの確認に行くくらいで
何もなければ親知らずに関しては終了らしい。
その後、親知らずが進行していた隣の歯の確認&治療が始まるけど。


END

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