Web Masterの日記



寂しい話題

2010年02月08日(月)

本来、先日書いた「蔵出し」の時に書こうと思っていたが、
長くなりそうなので書くのをやめた話題。
かなり鮮度落ちだが、特にネタもないので書いてみた。

●さよなら有楽町西武
有楽町というと自分より前の世代には「フランク永井」がイメージ。
自分世代のイメージでは都庁かな。
新宿に移転する前、東京都庁は有楽町にあった。
平成元年に調理師免許の試験を受けた時、
発表を見に行ったのは有楽町の都庁だった。
自分より下の世代になると有楽町のイメージはマリオンになるのかな。
そのマリオンにある西武有楽町店が今年12月25日に閉店するという。
このニュースを聞いて驚いたと同時に、ブルータスお前もか?てな思いもした。
3月に伊勢丹吉祥寺店が閉店するが、まさにマリオン西武!お前もか?という印象。

もともと有楽町駅は乗降客も多いし付近には日本一有名な宝くじ売り場もある。
有楽町そごうの跡にできたビックカメラ有楽町店は
自分の御用達店舗でもあるので銀座勤めの自分にとって馴染の場所でもある。
そうした中にあるマリオン、申し分ない一等地である。

マリオンができた頃はよく行った。
すべてに垢ぬけしていて、どこから見てもオシャレな店だった。
ライバルの阪急と一つのビルを半々で使い分けする風変わりさはあったが、
そのせいか、どちらの店も競い合っていて、置くものにも工夫を凝らしていた。
どちらかと言うと西武の方は若者志向が強かったように感じられた。
当時は物色しているだけでも、なぜかゆったりした気分に浸れたものだ。
今思えば、なんともバブリ〜な良き時代である。
今ではシネコンが至る所にあって、映画館だけでの集客は難しいが、
マリオンビルは、あの当時にしては珍しく映画館も内蔵していて、
実際それを目当てに来る人も多くいたのは確かだ。
そういう意味からしても、あらゆる顧客の掘り起こしを狙った
先駆け的なビルだった。

それにしても、この辺はその先にあるプランタン銀座、
さらにその先には百貨店激戦地で名高い銀座四丁目界隈へと続く動線上の出発点だ。
文字通り、それらが皆、目と鼻の先に位置するという超激戦地であったが、
そういう厳しい環境にありながらも、互いに
集客上の相乗効果が期待されていたという珍しいエリアでもあった。
と言いながらも、近年は長引く消費不況を受けて、
百貨店不況が色濃く反映されていたのも事実。
ニュースでも「何年何ヶ月前年対比マイナス」の文字ばかりが踊る。
生き残りをかけた老舗百貨店同士の経営統合が次々発表される時代である。
そうした世の中の低価格志向の波は
高級店の立ち並ぶ銀座のど真ん中においても例外になく、
ユニクロやH&Mなど低価格ブランドが逆に好評を博している状況である。
しかも、これまで百貨店としてのブランドを支えてきた高級アパレル系は、
現在は徐々に丸の内に向かいつつあり、独自の店舗を構える動きになっている。
それらも追い打ちを掛けている要因だろう。

さらには都心に今もなお新たな商業施設が次々オープンしている現状もあり、
老舗ブランド地といえども、相対的な地盤沈下は避けられない状況。
有名ブランドの百貨店が次々閉鎖されることによって、
その地域自体のブランド力も低下し、活性化の動きが削がれることは避けようもない。
時代の流れとはいえ、なんとも寂しいニュースだった。
ちなみに西武の跡にはユニクロが入るという噂もある。
すげーなユニクロ。


●紀ノ国屋
もうひとつ時代の流れの寂しいニュースがあった。
高級スーパーの紀ノ国屋がJR東日本の傘下に入るという。

青山の紀ノ国屋スーパーはバブル時代、何度か使ったことがある。
吉祥寺の紀ノ国屋も駐車場は停めにくかったが、何度か行ったっけ。
紀ノ国屋と言えば明治屋などと同じく、比較的高級志向のスーパーだ。
輸入食材に関しては明治屋より圧倒的に豊富な品揃えであり、
ここに来れば大概の物は揃った。
今では、どこのスーパーでも扱っているが、スキッピィの「ピーナツバター」
輸入したての頃は紀ノ国屋スーパーくらいにしか置いていなかった。
スキッピィの「ピーナツバター」だけではない。
今でこそポピュラーとなり、全国のどこでも食べられるようになった
トルティーヤのサンドイッチや、ナン生地の包みものなど、
ここでしか食べられなかった貴重なモノも多い。
その他にも、世界のパン生地を扱っていて種類がやたら豊富だった。
どれもが皆、味的に洗練されていてレアな物も数多くある。
それが紀ノ国屋スーパーだった。

日本に居ながらにして世界の味が堪能できることは素晴らしいことだ。
それらを特別な催事ではなく、常時可能にしていた店は当時は少なかった。
JR東日本もETCによる高速の割引効果がボディブローのように効いている。
しかも新政権は、さらにこれを無料にまでもっていこうとしている。
景気後退で、ただでさえ厳しい情勢の中で、特定の事業にそこまで肩入れされたら、
同業者はたまったもんではないだろう。
JR東日本とすれば先が見えない時代の新たなる収益確保を余儀なくされている。

それ故に運輸業以外の収益性を強化し、同時に列車への新たな客を呼び込む
経営戦略が求められている。
広いだけで、その殆どムダに使われて来たかつての品川駅構内を活かし、
税金が安いのと強力な集客力を武器に新たなマーケットを掘り起こした
「駅ナカ品川」や「エチカ池袋」「エソラ池袋」などなど。
当時は駅に隣接するデパ地下が一人儲けをしていた時代だった。
それを圧倒的な集客で勝る「駅ナカ」に出店することの優位性により、
デパ地下のマーケットを切り崩す狙いもあったものと思う。

コンシューマー的にも駅構内に設けられた店舗は列車を降りてから
ゼロ分で入れるという、この上ない立地条件にあり魅力だ。
話題性と共に人気になったのも当然だろう。
品川駅の成功以来、その後「駅ナカ」の数も次第に増えて
全体として新たなマーケットとして定着した感があるが、
最近の景気後退で「駅ナカビジネス」にも一服感が出ていたのだろう。
一方、紀ノ国屋スーパーにしても、日本でも数少ない高級志向の量販店として
揺るぎない地位を確保しているが、デフレの進行するこの時代は厳しい時代だ。
生き残りを賭けて、老舗デパート同士が形振り構わず合併を進めている。
紀ノ国屋スーパーはデパートのマーケットとも被っていた。
生き残りのためのJR東日本の傘下入りなのだろう。
ただ、それにより品質が落ちて、その辺のスーパーと同じようになったら、
一気に客離れが進むことも考えられるだろう。
やはり紀ノ国屋ブランドは維持してもらいたいと思うが、
そうも言ってられないのが今の時代なのかも…。

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