Web Masterの日記



さくらや全店閉鎖

2010年01月13日(水)

なんとも寂しいニュースが載っていた。
2006年にベスト電器の子会社になった家電量販店「さくらや」が
2月28日までに全店閉鎖になるという。
ベスト電器自体も業績低迷により50〜70店舗の閉鎖を予定しているらしい。
「さくらや」のポイントはベスト電器で引き続き使えるらしいが、
撤退した「さくらや」の店舗については、一部をビックカメラに譲渡を予定し、
今後はビックカメラとの提携なども予想される。

来月いっぱいで「さくらや」の名前は完全に消滅か…。
個人的にはJALが無くなる以上のショックかもしれない。
今の自分は完全にビックカメラ派であるが、実家に住んでいた20年以上前は
銀座までの通勤に西武新宿線を利用していたので
家電を買うのは新宿駅東口にある「さくらや」を利用していた。
新宿駅西口にあった「ヨドバシカメラ」よりも
西武新宿駅から近い東口の「さくらや」
かなりお世話になった記憶がある。
西武池袋線の練馬駅近くのマンションで1人暮らしを始めてからは
池袋にも池袋駅東口前とサンシャイン通りに「さくらや」はあったが、
品揃えが良く「さくらや」よりも圧倒的に安い
「ビックカメラ」を利用するようになった。
現在は西武線を使わなくなったが、有楽町駅前にある
「ビックカメラ」が御用達店舗だ。

思えば「さくらや」は正直、風前の灯火状態だった。
池袋にヤマダ電機が乗り込んで家電戦争を仕掛けた時も、
ヤマダにとって「さくらや池袋店」なんて仮想敵国にすら入っていない状態だった。
なので、今回の全面撤退は「来るべき日が来た」という感じである。
まぁ、とは言え、20年前までは「さくらや」のヘビーユーザーだっただけに、
今回の撤退は寂しい気持ちもあるが、これも宿命なのかもしれない。
だけど当時の家電量販店は「ヨドバシカメラ」と「さくらや」の一騎打ちだったな。
まだヤマダもビックもコジマもソフマップもドンキもない時代、
安売り店の東西の横綱みたいな存在だった。
ベスト電器が閉鎖なら別に何も感じないが「さくらや」の閉鎖は本当に寂しいね。

さて、「さくらや」の閉鎖…何が悪かったのか?
一概には言えないが、やはり金額面で「激安戦争」に太刀打ちできず、
またポイントシステムを早期に取り入れたものの、ポイント還元率が中途半端で
「ポイント勝負なのか現金値引き勝負なのか」という立ち位置が
よく分からない状態だったことも、他の家電量販店から出遅れた原因かもしれない。

ベスト電器も首都圏進出のために「さくらや」を利用しようとしたが、
そもそも「さくらや」が老舗としての力が弱くなっていたころに
首都圏では北関東の「YKK」(ヤマダ、コジマ、K's)と
東京の「YB」(ヨドバシカメラ、ビックカメラ)がしのぎを削っていただけに、
首都圏進出どころか大赤字の原因になってしまい、
結果、親会社自体の業績にも響いてしまったことになった。

ところで家電業界は数日前の日記に書いたヤマダ電機の
「ラブホテルの経済学方式」により、顧客導線が大きく変わりつつあるのは確かだ。
一方で地デジ需要やエコポイント制度などによる家電需要の拡大が期待できる反面、
不景気による家電の買い控えなども大きく懸念されることから、
おそらく各量販店は露骨に勝ち負けが出てくるのではないかと予想できる。
そうすると次に考えられるのは「量販店再編」だろう。
現にベスト電器は今回の「さくらや」処理については、
ビックカメラと事実上の提携を行うが、今後の業績如何では
ビックカメラとの業務提携や、場合によっては合併などもあり得るかもしれない。
また、北関東家電のYKKも、売り上げの割には決して経常が良いとは言い切れないから、
ここもどこか大手と提携(例えばヨドバシやジョウシン)もあり得るだろう。
もしかすると「北関東大連合」だって、ないとは言い切れない。
さらに家電量販店のアキレス腱は「ネットショップ」である。
自分も最近、欲しい物があると、まず価格comで
各ネットショップの値段を調べるようになっている。
そして金額の高いものほどネットショップを利用している。
金額だけなら量販店より人件費のかからないネットショップの方が断然に安いため、
「サービス勝負」という競争も加熱していくだろう。
しかし、長期保証などを大きくやると引当金が増えてしまうため、
見た目の利益は減少することになるばかりか
結果、将来の負担を増やすだけに終わってしまい、
業績悪化が進むということも懸念される。

いずれにせよ、家電大戦争は今年も相当激しくなると思われる。
家電を安く買えること自体は非常に良いことだけど、
業界再編が進みすぎて「やっぱり高くなってきた」とか
「近所の店がみんなつぶれた」なんてことにならないよう、
程々の戦争にしてほしいものだ。
そういう意味では、案外「家電ラブホテル方式」の経営は
「共倒れせず」ということで、うまくいくのかもしれないね。
家電自体、今年も次々と新製品が出ると思うが、
今後の量販店の動きにも目が離せない。

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