Web Masterの日記



片腕マシンガール

2009年04月13日(月)

北米資本で製作され、YouTubeに予告編がアップされてから
あっという間に40万以上のアクセスが殺到、国内外で話題騒然となっていた作品。
その凄絶極まりない内容から、日本公開は、ほぼ無理と言われていたが、
“ゆうばり国際ファンタスティック映画祭”でのプレミアム上映を経て、
8月から日本の劇場で公開された。
復讐に燃えるヒロイン・アミを演じるのは、
人気急上昇中のグラビアアイドル・八代みなせ。
本作が映画初出演は思えない、スタントなしで挑んだアクション、
美しさと狂気に満ちた堂々の熱演で、観る者を釘付けにする。
(作品資料より)


予告編やネットでの評価を見て、かなり気になっていた作品である。
しかし東京では昨年8月から池袋のシネマ・ロサと
渋谷の小さな映画館で1日1回、それもレイトショー上映だったために、
なかなか観に行く機会がなかった。
気づいたら池袋も渋谷も上映終了となっていたので、
DVDが出たら絶対に観ようと思っていた。
レンタルが開始され、早速観賞してみたが期待通り、
いや期待以上の作品に大満足だった。
オープニングから派手だった。
右腕にマシンガン装着した女子高生が爽快に乱射!!
音楽も合ってるし、テンション上がりっぱなし。

唯一の肉親である弟をイジメによって殺され復讐に立ち上がったアミ。
イジメグループを追いつめる中、リーダー格だった子のところまでたどり着くが
そこは服部半蔵の末裔の忍びの血を受け継ぐヤクザ一家。
息子を愛するが故に数々の残虐行為を繰り返すこの一家、
限界超えた愛なのでドン引き(-ω-)ノ
だけど敵も味方も結局は愛する者の為、命かけて戦う。という王道のストーリー。
ただ、屈折描写が凄いね。すっごくわかりやすいバカ親像だったし。

ヤクザに切り取られた右腕に新しい腕…マシンガンを装着し、
再び乗り込むアミとミキ(同じく息子を失った母)
こっからラストバトル。
マシンガン装着のポーズやガンガンぶっ放す姿が更にかっこいい。
ぶっ放した後、銃口を上にスチャッと構えるとこが特にいい!
チェーンソー振り回すミキもクラクラするほどかっこいい。
片足もがれても、その足に装着するとは(^^;)
死にっぷりまでもが、かっこよかった。
最初から最後まで、全くダラける要素なし。目が離せなかった。
スピードもテンポも心地いい。
ただ、血はずっとずーーーーっと噴き出ているけど。
最後の最後、AMIが全ての復讐を終え、自ら命を絶とうとした瞬間…
風のざわめきと同時にガッと構えた顔とポーズ、
もぅ、鳥肌モノの最高のラストだった。

魂のこもったセリフまわし。
出演者の情念溢れる表情。
キッチリまとめられた脚本。
不謹慎極まりないギャグ。
大人から子供まで平等にミンチにされてゆく。
そして、それらがノンストップで続く。

アメリカのビデオ会社が制作費出資のビデオ映画。
殺戮と人体損壊のスプラッタ映画だが、特撮がチープなので、
まったくもってグロさが感じられない。むしろ爽快感さえある。
また、女優たちの身体能力が高く、かなりレベルの高いアクションを披露している。
脱力系のギャグもあり、かなり品質の高い「おバカ映画」である。

とても普通の人にはオススメできない映画であるが、
自分的には超絶的に面白かった!
最初から最後まで圧倒されっぱなし。
スプラッターってこんな面白くて良かったんだっけ?って感じ。
グロいシーン盛り沢山だけど、それ以上にウケるって!?
ドバドバ血が出て、バンバン人が死ぬ。
しかし、血の吹き出し方があまりに過剰。まるでスプリンクラーのよう。
シュワ〜〜〜 シュワワ〜〜ンって感じ。
それに切断された肉体も思い切り造型なので、残酷感はまったく無いし
全然、気持ち悪くならない。と言うか、むしろ笑えるくらい。
そういえばPGもRも付いていない映画だったね。

だけど、ふざけてると言われようとも、製作サイドの本気と愛が
溢れこぼれてる作品だったと思う。
この映画は完全なアメリカ資本でアメリカ向けに作られているので
海外の人の日本に対するイメージ、というかキーワードのようなモノが
ふんだんに取り入れられていて、それがまた笑いを誘った。
ほんと、大げさなんだよね。

朝食に天ざる。(^^;)
朝からてんぷら揚げてくれるお母さんなんているのか?
寿司は当然、イスの上であろうと、きちんと正座して食べる(・ω・;)
家の中を見渡しても、まずは薄型TVが、ドーンとあって、
その横には賞状やトロフィーなんかが飾ってあるし、
リビングの隅にはお父さんのゴルフ道具一式が(^^;)
夕食前にお父さんだけは風呂を済ませるとこなんかもウケた。
それとヤクザの家に金屏風は欠かせない。おまけに道場も持ってるし、
そして何といっても長〜い廊下があって、
お母さん(極妻)は当然、お着物(^^;)
だけど、エロを意識した、かなり変な着崩しだったけど。
そして忍者も従えていて、使用人がメイド服…(-ω-)ノ
昔の日本文化と今の日本文化を上手く取り入れていた。
他に小道具として日本刀や手裏剣は外せないね。

倫理とか、いろんな価値観をぶっ壊していて小気味良く、
素敵に暴力的で笑える大娯楽作。
人生に必要なことは「笑うこと」そして「真剣にふざける」こと。
この映画を観て、改めてそんなふうに思えたな。
命がけで真剣にふざけて、笑えて、楽しすぎて…。
なので「スプラッタ映画」と分類されたくないね。
個人的には超娯楽作品、傑作だと思うもんな。
腐った気分になってるヤツ、自暴自棄になりそうなヤツ、
苦悩した自分に酔ってるヤツ、とにかく何もかも嫌でうんざりして
爆発寸前で叫んでしまいそうなヤツ、失恋したヤツ、
上司に不条理な怒られ方をしたヤツ、金のないヤツ、パートナーのいないヤツ、
とにかく楽しみを欲しがってるヤツらには是非とも観てもらいたい。

そして映画を観終わったら、マシンガンやチェーンソーで、憎たらしいヤツ、
殺したいヤツを殺戮する夢を見ればいい。
真剣に、命がけに、ふざけた楽しい人生を送るために、この超娯楽作品はお薦めだ。

これほどまで良い作品に仕上がったのは主役の八代みなせのおかげかも。
2年くらい前からグラビアアイドルとして活動しているものの、
完全にチェック範囲外だったので、あまりよく知らなかったが、
今作が初作品とは思えないほどの存在感と目力は圧倒的。
腰の据わった演技、野獣のような鋭い眼差しと凛とした美しさは、
今後も注目せざるを得ない女優である。
だんだん眼つきも変わっていくし、マシンガン装着しての決めポーズは最高。
そして黒髪ストレートなのが良い。なびいた時が特に(^^;)
マシンガンやチェーンソーを正しく振り回し、血の海で啖呵を切ってみせる姿は、
ホント「これぞ日本の美」と言う感じだった。
かなりの逸材だと思うけど…事務所も彼女の書いているブログでも
完全に、この映画のことをスルーしているのはなぜなんだろう?
こんなに良い演技だったのになぁ。
今はパチンコ海物語の三代目マリンちゃんとして、全国のパチンコ店巡りとかが
メインの仕事みたいだが、せっかくの逸材なのに勿体ないなぁ。
ミスマリンちゃんやグラビアアイドルで終わるのは本当に勿体ないよ。
そういえば、八代みなせって、普通にしてる時の顔はともかく、
険しい表情をすると、木下あゆ美によく似るので好感が持てたのかもね。

八代みなせ演じるアミと一緒に復讐に行くミキを演じた亜紗美。
彼女はAV女優らしいが、彼女の存在感のある演技も良かった。
逆に彼女が居なかったら、ぬるい物語になったのかもしれない。
演技もズバ抜けて冴えていたし、アクションも魅せてくれた。
主演の八代みなせとは違ったスパイスとして作品を輝かせた。

あと、極妻役だった穂花もAV女優らしいが、セリフは別として、
いい雰囲気を持っていた。
いやらしさとはまた別の色気があったね。
一番、残虐な人だったけど(^^;)

とにかく「片腕マシンガール」こそは日本映画の希望の光であり、
本物の娯楽作品であると思う。
映像の粒子の粗さだとか、役者の無名さ加減や、画面から漂ってくる低予算臭…、
所詮はC級スプラッター…なんて思って見てはいけない。
荒唐無稽な血みどろアクションの形こそ採ってはいるものの、
暴力の虚しさ、復讐の無意味さ、人間が持つ良心の儚さを滔々と説いた
社会派ドラマと言えなくもないコトも無いかもしれない?けど
違う可能性も捨てがたい?
ちなみ挿し絵は天才・江口寿史っていうのも良かった。

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