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2008年01月21日(月)
最初に言っておく。 電王を観たことのない人にとっては訳の分からない日記だ。
昨日で最終回を迎えた仮面ライダー電王だが、 非常に寂しい気分で視聴したが、電王らしい詰め込み方で 最初から最後まで、まさしくクライマックスだった。 戦いが終わった後を、もっと見たかった気持ちはあるものの あの終わり方は個人的には良かったと思う。 ベタだが「一年後…」とかは好きじゃないし、 未来への希望が持てる爽やかな終わり方だった。 しんみりが嫌いなモモタロスは最後に、しっかり笑いをとったというとこも 電王らしかった感じがする。
さて本編だが、最終決戦らしく、臨む前に良太郎がモモタロスに望みを言う。 「最後まで一緒に戦ってくれる」 こういうことを言うことくらい予測していても、結構やられてしまった。 第1話目にモモタロスが良太郎に聞いた「望み」 最終回にやっとお願いをしたね。 ふと思ったのが、イマジンの契約と実体化について。 契約をしていないイマジンが実体化できないのは、 その時間に記憶を持っている人がいないから。 契約することによって人に覚えられ、 その時間で実体化できる…のではないだろうか。 モモタロスたちが契約もしていないのに実体化していた理由は、 長いこと良太郎と一緒にいて、いつの間にかその時間の記憶が 定着してきたためではないだろうか。 最近、良太郎に憑いてデンライナーから出たりしていなかったので 気付かなかったのだろうが、実は結構前からモモタロスたちは 実体化していたのではないだろうか。 キンタロスが「元々無い記憶を持てた」という感じのことを 言っていたのもこの辺の設定を説明するためのセリフだったのだろう。
もっと細かく分析すると、イマジンは人の記憶が無ければ存在できない 希薄な存在である。 彼らは望みを聞いて「契約」することで人の記憶に住みつき、 実体化して過去に行き、過去の桜井を狙っていた。 ということは、良太郎や未来の特異点であるハナの記憶に しっかりと刻み込まれた時点において、希薄な存在では無くなったということ。 カイ達と戦うことを決めた時点で「消えない存在」になったということだろう。 同じく特異点のカイが消えたのは、過去を持たないため すなわち、脈々と引き継がれる記憶を持たないので、 大破壊を起こせなかったカイは時間切れ (分岐点で新しい路線がつながる前に過去を手に入れなかった)で消滅。 ということなのだと自分で勝手に分析してしまった。
話を戻して本編の戦い。 侑斗とデネブも良かった。 カードがなくなって変身できず素手で戦う侑斗と、 病院にうじゃうじゃいたイマジンを全部倒してきたという、 実はもの凄く強かったデネブ。 デネブは侑斗が心配だから普段よりも確実に強くなっているんだろうと 思ってしまった。 また、オーナーがいないからということでデンライナーを勝手に動かして 過去に残してきたウラタロスとキンタロスを連れてきたナオミは グッジョブ!と言うか、復活するならその方法しかないと思っていたけど。 たまたまいたからというだけで、久々降臨したジークまで連れてきたのも なんだか最終回らしく力技感にあふれているが、 そういった細かい事を気にしないでいられるというのは心地良いものだ。
それにしてもオーナーが居なかったから…って、 オーナーは駅長とチャーハン対決していたからね。 今、思うとオーナーは大変なことが起こることが解っていたのかも。 そのため、わざとデンライナーから離れていたのかもしれない。 以前も過去の物を持ち出した良太郎に「今回限りは…」と見逃したり、 上手いこと工面して過去へ飛んでくれたりしていたので、 一応は話のわかる人なのだろう。 だけど、とりあえずデンライナーを管理するオーナーだけに、 建前は勝手に過去へ行くことを禁止しているが、 見ていないところなら…ってことで、デンライナーを離れていたのだろう。
最後の戦いにモモ、ウラ、キン、リュウ、さらにジーク登場、 デネブも最後の一枚のゼロノスカードを侑斗に渡す。 そのカードを使うと桜井の存在が消えてしまうとか。 そこまでして時間を守ろうと願った桜井って…。 そのカードを使えば、侑斗は別の時間を生きていくことになる。 未来の桜井とは別の存在になってしまうと言うことなのだろうか? とは言っても、未来の時間をなくさないためには背に腹は代えられない。 最後の一枚を使って久々に緑ゼロノス・アルタイルフォームに変身。 侑斗とデネブの「最初に言っておく!俺達はかーなーり強い!」って良かったな。
イマジンを相手に電王たちは各フォームで戦う。 まずはガンフォームから、アックスフォーム、ロッドフォームと続き 最後は無理矢理モモタロスがソードフォームに変身して必殺技に。 途中、ゼロノスがデネブと合体するベガフォームに変身し 「最後に言っておく!侑斗をよろしく!」と、本当に今回はてんこ盛り状態。 ウイングフォーム、クライマックスフォームも入れて欲しかったけど…。 結局、必殺技は電王の基本であるソードフォームの「俺の必殺技!」 気合いを溜めた後、ゴレンジャーの必殺技のようにリレーして一掃。 イマジンたちは敗れ、カイも姿を消し、アッという間に モモタロスたちも消えてしまい残されたのは良太郎と侑斗だけ。 本当にイマジンたちは全て消えてしまった…。
必死にデネブを探す侑斗。 たまらず走り出し、ゼロライナーに戻ると、そこには食事の用意が…。 お膳の横には「侑斗、しいたけも食べて」とデネブの書いた字が。 本当に消えてしまったデネブを想い、泣きながら椎茸ご飯を食べる侑斗…。 良太郎は戦い終わった場所でただ呆然としていた…。 みんなにサヨナラも言えなかったことを悔やみながら…。 しかし、そんな良太郎のちょっと離れた土手の陰で こそこそとするモモタロスたち。 どうやらモモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロス、 そしてジークも消えずに済んだようだ。 良太郎が感傷に浸っているところを見て、出て行き辛い様子のモモタロスたち。 ドッキリカメラのように「俺、参上!」のプラカードを持っているのが良かった。 出て行きづらくてワイワイやっていると横には良太郎が…。 「みんな、なにやってるの…」 その頃、ゼロライナーでは泣きながら椎茸ご飯を食べているところへ 扉をちょっと開けてデネブが…。 見つけた侑斗は嬉し泣きをしながら「デネブ!椎茸いれんな!」と 喜んでデネブと抱擁。 良太郎も、たまらずモモタロスたちの元へダイブ。 そんな良太郎をみんなで胴上げ。
「記憶こそが時間。そして、それこそが人を支える。 もう、誰の記憶に頼ることもない。 彼らが共に過ごした時間と記憶が、彼らを存在させるんです。」
モモタロスたちが消えなかったことについてオーナーが説明してくれたが うまくまとめた感じだね。
そしてエンディングへ。 いやー、マジで面白かった。 やっぱり電王らしい「おもしろい」シーンが最終回でも しっかり有ったことが嬉しかった。 かっこよさもあり、感動もあり、そして最後は面白く爽やか。
だけど桜井はやっぱり最後まで謎の人だった。 病院の愛理の横にいた桜井は侑斗がカードを使う寸前に現れて、 そして消えてしまったということでいいのだろうか? それとも愛理が見た夢? 結局、桜井の存在が消えたことによって、愛理の赤ちゃんも 居なかったことになるのかな。 最後はいつものように尾崎や三浦が愛理の笑顔を求めて ミルクディッパーに来店する日常だったし。 だからコハナがデンライナーに乗ったままだったのだろう。 記憶にこぼれた人がデンライナーに乗るってことだったし。
それにしても結局、愛理の子供はやっぱりハナだったが、 今思えばハナが侑斗に未来のことを問いつめたとき、 何も言えなかった理由はそこにあったのか。 目の前にいるハナが将来の自分の子供なんて…。 それにハナだって侑斗が自分の親なんて解ったら…。 色々な謎が解けた今になって以前の話を思い出すと、 あの設定はここに繋がったのか…とか、 あの設定はこういう理由だったからか…とか、 良くできているストーリーであると思うと同時に やっぱり子供には難しすぎて置き去りかなって思ったりもした。
最後、パスをオーナーに返しデンライナーを降りる良太郎。 自転車で走る良太郎の横をゼロライナーに乗った侑斗とデネブが手を振る。 いつも、しかめっ面だった侑斗が最高の笑顔だったのが印象的。 続いてデンライナーが横に並ぶ。 みんな笑顔で「またね〜」と手を振る。 良太郎との別れに、ちょっとふてくされていたモモタロスも 最後は窓ガラスに頭をぶつけながらも思いっきり手を振って良太郎に別れを。 そして時の中へ走り出すデンライナー。 そんなみんなの別れに良太郎は「いつか未来で…」 良い感じの終わり方だった。
終わってしまったのは寂しいが、記憶に残る作品だった。 「記憶が大切」というストーリーのコンセプト通り、 電王という物語は忘れられない作品となってしまった。 1年間という長いスパンの作品なのに、こんなに飽きさせない作品は 最近ではほとんど無いのではないか。 過去の平成ライダーに比べ、電王が異常なくらいに人気があった理由が 本当によく解った。 1年前は誰もこんなに人気が出ると予想できなかっただろうね。
全体の軸もしっかりしていしたし、各回で笑いと感動が入っていたところも 何気に良かったのかも。 それに、かっこよさが力みすぎていないところが最も好感が持てた。 妙に気合い入れすぎて、かっこつけた作品は見ていて疲れるし恥ずかしいし。 電王はその辺がちょうど良く脱力って感じだったので娯楽作品としては秀逸。 気合いを入れても笑いもとる。 今時にウケやすいスタイルだったのだろう。
ただ、やはり様々な疑問点は残ったのは確かである。 特にカイは何がどうなって何に拘ってたのか? コハナはハナに戻らなくていいのか? 最終回はオープニングの曲をなくして本編を長くしたものの それでも30分では足りなかったと思う。 僅か30分では、もう最初からジェットコースター感覚で 展開が早すぎて、考える暇を与えてもらえない感じもした。 やっぱり最終回はスペシャルとか延長してもらいたかった。 前のゲキレンジャーか後ろのプリキュア5の時間をもらいたかったね。 ハナが未来の特異点であったことは、さらりと触れられただけになってしまい 未来を守ることができたと知った愛理の前から桜井が消えてしまうところとか、 もっと知りたい部分があったから。 時間配分的にはAパートで戦いが終了してBパートで その他諸々の今後が分かるくらいのものがあれば良かったのだが…。
まぁ、もっと最終回に時間が欲しかったと感じるのは、 それだけ別れたくない作品なんだということなのかも。 なので、この作品に関しては疑問点だとか、釈然としない部分とか、 個人的にそういうのは、もはやどーでもいいや。 そんなマイナス要素を電車斬りするぐらいの楽しい祭りだったんだから。
モモタロスが最後に「また会おうぜ!」 良太郎の「いつか未来で…」 いつかまた電王が復活する予感を暗示させてくれた。 東映の電王公式サイト内のスタッフブログを読むと http://www.toei.co.jp/tv/den-o/index.asp 26日〜27日ごろ重大発表s(複数形)と書かれている。 またいつか未来で会えたら本当に嬉しいね。
時の列車デンライナー…次の駅は過去か未来か…
来週からは新シリーズ「仮面ライダーキバ」が始まる。 はたしてどんな展開となるのやら。 「電王」のように楽しめるのかな?
●追記 仮面ライダー電王&仮面ライダーキバ クライマックス刑事(仮題)
関係者がブログ上で台本の表紙を掲載した事で分かった情報だが、 どうも個人的なネタバレで発表が早すぎたみたいだ。 すでに今は記事とコメントが丸ごと削除されている。 実は少し前からオリジナルDVDの噂はあった。 真偽のほどは不明だが、作品タイトルからして 電王とキバの競演なのは分かるが、本編とは関係の無いオリジナルなのか? 何はともあれ、早いうちに良太郎やモモタロス達と再会できそうだ。
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