Web Masterの日記



最悪の誤審

2006年03月13日(月)

思えば野球ほど野蛮で乱暴な言葉が
使われるスポーツはない。

「刺殺」刺して殺す?
「挟殺」はさんで殺す?
「死球」死のボール?
「盗塁」塁を盗む?
「暴投」暴れて投げる?

その他にも「併殺」「封殺」「捕殺」「牽制死」
「盗塁刺し」「重盗」「三重殺」「悪送球」「邪飛」など
見た目が野蛮な言葉のオンパレード。
まぁ、野球のアウトは「死」と理解されている。
ワンアウトは「一死」ツーアウトは「二死」
試合では敵のランナーを塁間で挟んだ時とかは平気で
「追え!はさめ!殺せ!」とか「刺せ!」とかグランドで叫んだりしている。
本当に自然にグランドで野蛮な言葉が使われている。

「ベースボール」を「野球」と和訳したのは正岡子規であると一般に言われている。
彼は幼名の「のぼる」を「野ボール」と引っ掛けて俳号に用いたことで
「野球」という語の普及に貢献した。
しかし「野球」の「野」の字は「野蛮」の「野」ではないかと思うほど
野蛮で乱暴な言葉の多いスポーツなのだ。
ところが野球の原型は紳士の国イギリスの「ラウンダーズ」という
クリケットのようなものだったらしい。
現在のベースボールや野球のような形にしたのはアメリカだが、
元はクリケットから派生したものであるなら、野球は野蛮なスポーツではなく、
紳士のスポーツということに通じる。
イギリスでのクリケットは貴族の遊びだからね。
ということはアメリカでは今でもベースボールの根底にある
「紳士な態度」が受け継がれているはずなのだ。

しかしだ、日本時間の早朝に行われていたWBC二次予選の日本対アメリカで
とんでもない判定が起こってしまった。
すでに相当、メディアでも取り上げられているので詳しくは書かないが、
誰がどう見ても「タッチアップ」だ。
スポーツニュースを見ても、自分でHDDに録画していた場面を何度見ても
最高のスタートを切った「タッチアップ」だ。
掲載した写真はネットで拾ってきたものだが、
外野手のグラブにボールが入った時、西岡の足はまだベースに付いているのが
はっきりと分かる。
それが、一度判定したことに対して、その判定を抗議により覆すという大失態。
近くで見ているはずの塁審がセーフと言っているのに、
主審の権限で判定が覆るというのは腑に落ちないというかありえないことだ。
あの審判はアメリカ人であり、アメリカの紳士的なベースボール精神を
受け継いでいるはずの審判なのにだ…。
審判の権威って、いったい何だ?!

後のニュースで知ったのだが、今回のWBCには、メジャーリーグの審判は出ていない。
マイナーリーグの審判が判定しているとのこと。
世界各国の一流の選手たちが一流の力と力、技と技をぶつけ合って
真剣勝負をしているのに、それを裁いているのが二流、三流の審判とは…。

いや、その前にあの試合の審判は、すべてアメリカ人だった。
国際試合なのにも関わらず、このような不手際は見過ごすことができない。
審判は公正中立でなければいけない。
アメリカの審判はすべて自国に対して贔屓をする者だとは思わないが、
しかし「自国に勝ってほしい」という気持ちは多少あるであろう。
であるならば、やはり国際試合に関しては試合をしている国とは異なる
第三国の審判を用意し行なうべきだったのではないだろうか。
確かアジアでの一次予選は日本対韓国の場合、中国人と台湾人の審判だったはずなのに…。

WBCの興行的に見れば、地元アメリカが予選敗退では熱も冷めてしまう、
アメリカが勝たなければ盛り上がらないから、そんな感じに思えて仕方ない。
野球振興のため、野球人気を高めるため全世界に向けて行われているWBCのはずなのに、
こんなヒドイ判定がまかり通るなんて絶対に許せない。
これでは野球人気どころじゃない。
こんなことを堂々とやっている限り、サッカーみたいに野球が
世界的なスポーツになるなんて夢のまた夢。
2012年のロンドン五輪では野球とソフトボールが競技から外れた。
五輪に復活させるため、野球普及のためのWBCでもあったはずなのに…。

あぁ、野球でこんなに悔しい思いをしたのは昨年、ジュピターズが1
6年目にして初めてノーヒットノーラン負けをした時以来だ。
自分たちは力がなかったから負けたのだが
今回は明らかな誤審で負けたのだ。

スポーツの世界から見ると、アメリカという国の異常さが見えることが多々ある。
4年前のソルトレーク五輪の時も感じたことだ。
アメリカは何でも世界一でないと気がすまない国であり、
世界一を脅かす存在に対しては容赦なく攻撃してくる。
90年代の日本に対する経済攻撃もその一例であり、
アメリカは世界一でなければ存在そのものを否定されるかのような
強迫観念にかられているのだろう。
現在のところ軍事力でも経済力でもアメリカは世界一の超大国だが、
いつまでも超大国であり続けられる事はありえない。
既にアメリカの様々な面で衰退の兆しが見えてきている。
アメリカ国民の多くはそれを認めたがらない。
ソ連と言うライバルが滅んでしまった以上、
いつかはアメリカも滅ばざるを得ないのだろう。
ソ連が滅んだのは石油生産のピークが過ぎてしまったからであり、
アメリカも近く石油の生産がピークを過ぎようとしている。
車がないと生活が出来ない国でガソリンが高騰したら
アメリカ経済はどうなるか火を見るより明らかだ。
しかしアメリカは9.11のテロ以降、自国中心主義的傾向があるのは確かなことだ。



王監督のコメント
「勝てるチャンスが多かった試合。初戦ということもあって、ものにしたかった。
悔しい。(判定変更について)一番近いところで見ている審判員(塁審)の判定を
変えることは日本で見たことがない。野球がスタートした米国でこういうことがあってはならない」

本当にその通りだ。
あれではルールもクソもない。何でもアメリカのゴリ押しかよ。
せっかく楽しみだったWBCが台無しだ。
本当になんとも後味の悪い試合になってしまった。

イチローのコメント
「僕が7回で良い打撃が出来ていれば、こんな後味悪い負け方にならなかった」

このコメントで少し救われた感じがする。
さすがイチロー、いつまでも引きずらない精神力を持ち合わせている。
その精神力は元々イチローが持ち合わせていたものであるが
アメリカの紳士的なベースボールの風土が育て上げたものでもある。
だからこそ、より一層、今回の判定は悔しく、悲しく、情けない。
そしてベースボール精神の失墜を感じざるを得ない誤審だ。


今回の二次予選、4チーム中、上位2チームが次に進める。
明日のメキシコ、そして韓国に勝てば、再びアメリカと戦える。
正直、米国の純粋な野球ファンだって、このままだと嫌な気持ちだろう。
世界中の野球ファンが見てるのだからね。
なので、この敗戦は良い教訓ということで受け止めるのが一番。
犠飛が取り消されたからどうこうというよりも、
ミス絡みで試合を落としたという事実の方を大きく捉えるべきだ。
これでもう負けは許されないというプレッシャーを受けながら
残り2試合を戦うわけだが、それだけの投手力は日本にはある。

尚、今回の誤審はアメリカ国内のニュースでも多く取り上げられているようだ。
13日付の米各紙でも取り上げられ、判定変更に批判的な論調が目立った。
USAトゥデーは試合展開よりも事の経緯を詳しく紹介し
「テレビのリプレーを見る限り、西岡の判定を変えたのは間違いである」と主張。
ニューヨーク・タイムズ紙は「野球を通じて友好を深めるはずの大会で、
最初の事件が起きた」と批判した。

準決勝でアメリカと再び戦い、本当の正しい野球を教えてやればいい。
ガンバレ日本!

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