Web Masterの日記



電機用品安全法

2006年03月08日(水)

電気用品安全法なる法律が来月から施行されようとしている。
ネーミングだけ見れば、国民を守るために作られたように感じるが、
実はこの悪法によって利益を得るのは、
大手の電化製品メーカーや輸入業者だけで、
国民には、そのしわ寄せが怒涛のごとく押し寄せる酷い法律だ。
去年の12月に耐震強度偽造マンション問題や米産牛肉問題のドサクサに紛れて、
目立たないようコッソリと可決してしまった史上最悪の悪法
「障害者自立支援法案」のネーミング同様、
要はネーミングの見た目で国民をごまかしているのは明らかだ。
「障害者自立支援法案」はネーミングだけ見ると
障害者たちの自立を支援するための素晴らしい法案のように思えるが、
まったくその逆で障害者の気持ちを考えていない血も涙もない悪法。
同様に「電気用品安全法」も国民には何の特にもならず、
逆に不自由で世間の流れから逆行する悪法である。

電気用品安全法は簡単に言うと
家電などの安全性を確保するため2001年4月に施行。
猶予期間は2006年3月31日までで、それ以降は完全に規制が開始される。
製造業者と輸入業者は出荷前に製品を検査し、PSEマークの表示義務がある。
つまり、このPSEマークが付いていない家電、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、
オーディオ機器、電子楽器等は安全性が確認できないので
今年の4月1日からは中古でも販売が出来なくなる。
尚、2001年以前に製造されたモノは施行前なので必然的に付いていない…。
要は2001年以前の家電は全て中古とみなされ、
「中古の電化製品の売買を禁止する」という法律。
指定された中古の電化製品は、経済産業省から認可を受けないと
売っちゃダメという随分と偉そうな法律!
百歩譲って、これだけならまだしも、もっと問題なのは
古い電化製品は修理も出来ないというから困ったものだ。
尚、PSEマーク製品、つまり電気用品安全法に適合していない電気製品は
法律で製造・販売・輸入が禁止され、これに違反すると法人の場合だと
最大1億円の罰金が科せられるというんだから酷いものだ。
昔買ったレーザーディスクプレイヤーやレコードプレイヤーが壊れても
修理してもらえないし、スーパーファミコンやプレステ、ドリキャスも
中古で買うことすらできなくなる…。
2001年以前のエアコンやテレビ、ビデオ、冷蔵庫、洗濯機なんかも
壊れたら捨てて新しいのを買わなければダメってことだ。

しかしだ、この法律が完全施行されたら「もったいない」と言う言葉は、
日本から消えてしまうのかもしれない。
確か、小泉首相や小池環境大臣は「mottainai運動」を提唱してたはず。
これでは、言ってる事とやってる事が随分と違う。
民主党も少しはこういうところから攻めろよ…と思うのだが。
経団連の奥田会長も、ケニア副環境相ワンガリ・マータイ氏と
会談した時に「日本でも家庭でゴミを分別するなど、
リサイクル意識が高まっている」なんてほざいていたけど。
そのリサイクル意識が折角高まってるのを邪魔しようとしてるのが
電気用品安全法なんだよ!
結局はメーカーの為の法律だから奥田会長が
意義を唱えるなんて事はないだろうけどね。

それにしても政府が「もったいない」と言う日本語を世界に広めて、
モノを最後まで大切にする運動をやってるのに
電気用品安全法が無理矢理に施行は納得いかん。
小池環境相は「私はモノを大切に最後まで使い切ることを徹底しています。
鉛筆も持てなくなるくらいまで使います」と前置きして
「20世紀は、大量生産、大量消費、大量廃棄の時代でしたが、
21世紀は『3R』で、どうやって資源を有効に使うか
日本の美徳である『もったいない』へと
意識回帰と改革をしていくことが大切です」と話していたのに…。
ちなみに「3R」とは、
資源の無駄づかいを無くしてゴミを減らす「Reduce」
使えるものを再使用する「Reuse」
資源を再生利用する「Recycle」のこと。
この「3R」を「もったいないの精神」として推進して行くはずなのに
まったく矛盾しているではないか。

小泉首相すら去年の7月に「主要国首脳会議」の場で、
各国の首脳に対して、この「もったいないの精神」を提唱していた。
諸外国の首脳たちには、いかにも日本が、いや自分たちが
モノを大切にしてるかってことをアピールしておいて、
実際にやってることは「中古の電化製品の売買と修理の禁止」
これでは単なる外面外交じゃないか。
他国に向かって「リサイクル」を訴えてる総理大臣が、
自国じゃ「リサイクルショップ」を潰す法律を推進してる。
どんなに立派なことを言っても、やってることが正反対じゃ何の意味もない。
いや、それどころか単なる詐欺師じゃないかい。

だいたい必要のない電化製品を持ってる人たちが、
それをリサイクルショップに売りに行き、
新品の電化製品を買えない人たちがリサイクルショップでそれを買う。
長年、愛用して来た電化製品が壊れたら、それを修理して大切に大切に使いこむ。
これこそが「3R」じゃないのか?
これこそが「もったいないの精神」じゃないのか?
それに日本の電気製品は5年10年経ったら使えなくなるほど危ない製品なのか?
電化製品の優秀さは世界でも実証されているんじゃないのか。
海外の人が日本へ来ると秋葉原に行きたがるのは、
優秀な日本製品を買いたいからじゃないのか?


サラリーマンや低所得者を実質増税して、
大企業や金持ちを優遇する改革の暴走は、とどまることを知らない。
古い電化製品を修理して使い続けることさえも禁止かよ。
不要な電化製品は、どこかに売ったら法律違反で、
まだ使えるのにゴミとして捨てなきゃならないのか?
壊れた電化製品は電気屋に修理してもらうと法律違反で、
ゴミとして捨てなきゃならないのか?
その上、ゴミとして捨てる時には処分料を払わされる…。
こんなことのどこが「もったいないの精神」なんだろう?
それとも「障害者自立支援法」や「電気用品安全法」のネーミングと同じで、
この「もったいないの精神」てのも
「物をもったいないと思う精神」じゃなくて
「人から、そんなことしたらもったいないだろうと思われるような精神」
てことなんだろうかね?

あまりにも企業寄りで矛盾だらけの悪法に対して、
数多くのミュージシャンたちが反対運動を起こした。
電気楽器、電子楽器、ギターアンプ、レコーディング機器、テープレコーダー、
ターンテ ーブル、ステレオアンプ、PA機器など全てが
この悪法の対象になってるため、プロ、アマ問わずに
ミュージシャンにとっては音楽活動そのものに支障をきたすからだ。
坂本龍一や高中正義をはじめとした数々のミュージシャンや文化人たちが賛同して
対象機器の規制緩和をお願いする署名活動をしていた。
(すでに署名活動は終わっているが)

それともう一つ疑問に思うのは、オークションとかフリマとか
個人が売る分には適用されないらしい。
だが、数多く売ると業者とみなされ適用されるとか…。その基準って何?
何点までなら個人でも売っていいのか?
そして、その判断は誰がするのか?なんかまだまだ不透明だよな。
ほんとアホアホ大臣や官僚、自分達の利益優先の企業のトップは
1年くらいアフリカやアジアの途上国にボランティアに行って来いって!
食料だけじゃなくて生活に関わる電気用品を如何に長く大切に使っているか、
その辺のことを一から学んで来きほしいよ。

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