Web Masterの日記



ジーコ新監督

2002年07月23日(火)

昨日、ついに念願のジーコ新監督が発表された。
「サッカーの最大の目標はゴール。攻撃的に戦うのが私の信念。
喜びが伝わるサッカーを展開したい。」とウキウキさせてくれるような
自説を会見で披露してくれた。
また「常に挑戦するのが私の生き方。目標を持ち、
勝利に向かって戦う闘志あふれるチームを作りたい。」と力強く、
抱負を語ってくれた。

9年前、オフト日本がアジア予選、ドーハの悲劇で敗れたときから
日本代表監督に最も適しているのはジーコだと思っていたし切望していた。
Jリーグができる前から二部の住友金属で復帰、
日本サッカー界の発展に大きく貢献し、
一番、日本サッカーのことを知っている外国人といえばジーコしかいなかった。
また絶対に本人もやりたかったはずだ。
しかし、当時はジーコが試合でレベルの低い審判に文句をつけることが
川淵チェアマンに嫌われていたこともあり、
いつまでたっても代表監督の話は来なかった。
4年前は母国ブラジル代表チームのスタッフとなり、
もう日本代表監督は夢と思っていた。
今回のW杯で日本がベスト16に進出したことで、
さらに上を目指す欲が出た。
それはJリーグチェアマンからサッカー協会会長に昇進する
川淵氏も同じこと。過去の因縁を水に流し、
ついに2人が同じ目標に向かって歩み寄った。
日本サッカー界にとって大きな大きな進歩である。

当たり前のことを当たり前にやる。ジーコが自身に課し、
鹿島では選手に要求し続けてきたことであり、
それは代表監督になっても変わらないだろう。
前任のトルシエは周囲との摩擦を辞さない熱血指導を売り物にしたが、
ジーコ新監督は筋の通った是々非々主義者である。
チームの基本設計図はまだジーコの胸中にあるだろうが、
鹿島でのチーム作りから想像する限り、
基本重視のオーソドックススタイルになることが予想される。
トルシエが好んだ、投機的なオフサイドトラップなどは排され、
ブラジル式の優秀なサイドバックを待望しているはずだ。
守ってばかりじゃ点は入らない。
点が入らなければ勝利することはできない。
貪欲にゴールを狙う新たなジャパンが我々の目の前に誕生するだろう。

会見中のジーコは頬が緩み、白い歯も見せた。
しかし、その目は笑っていなかったように思える。
サッカー界のカリスマ、スーパースターは1990年に現役を引退し、
ブラジルのスポーツ長官の職にも就いた。
しかし、その職を蹴り、Jリーグ入りを目指す弱小の住友金属で
現役復帰を果たし、観客のほとんどいない、原っぱのようなグランドでも
懸命にプレーをし、弱小チームにプロ意識を植え付け、
Jリーグ初代チャンピオン、さらに10年もの長い間、
常に優勝を狙える強豪クラブに成長させた。
来日して11年余り、日本を知り、日本を愛した男が、
日本のために泥をかぶる覚悟で地に降りてきたのだ。

「負けたら何も残らない」
世界一の究極の負けず嫌いの男の言葉には重みがある。
日本だけではなく、世界的にも神格化されているジーコだが、
神様から監督になり4年後のドイツ大会に向け始動する。
本当に長い間待っていただけに楽しみだ。

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