「ヲタ芸師」 - 2007年02月01日(木) チケットの譲渡先は決まりましたので告知は削除します。 __________________________ ある日の大阪城公園。 快晴の空の下。 大阪城ホールで開催される今宵のコンサートの為に、芸の練習に余念のない男達が集まっていた…………。 一心不乱にヲタ芸を打つ男達が10数人。 地面に置かれたラジカセから流れるのは、今宵歌われるだろう打ち曲。打ち曲を完璧にマスタしてこそ、ヲタ芸師の仲間入りが出来るのである。 ヲタ歴1年。東京から初遠征のアッキー(HN)は、ネットで知り合ったヲタ仲間のヒナ(HN)に連れられ、集会にも初参加だった。 ヲタ男で埋めつくされた公園。 仲間に囲まれ疎外感もキレイさっぱり心から消え失せたアッキーは、ヲタクになって本当に良かった……!と喜びを噛み締める。 しかし、まだまだヲタ芸は上達しておらず、遠巻きに技を覚えるアッキー。 と、そこへ。 「堂本さんや!」 「堂本さんが!?」 「神降臨や!」 「………ッス………」 意味不明の挨拶と共に現れた男は、髪はボサボサ、安物のメガネ、泥棒ヒゲもくっきり乾燥肌、色褪せたジーンズに運動シューズ、グッズTシャツはウエストにイン。 ヲタ男達は一斉に脇に退き、彼の立ち位置をあける。 緊迫したムードが漂う中、男は「ほな、いっぺん通しでやろか」と一声。 アッキー「…………あれは誰ですか?」 ヒナ「はぁあん?(眉間に皺)お前、堂本さんを知らんのかいな!あの人は関西ヲタ芸師の頂点に立つ人やで!HNは『座長』や!アッキーも『座長』の名前やったら知っとるやろ!」 感動に打ち震えるアッキー「………座長!あの人が座長さんっすか!俺、座長さんのサイト『エンドレスショック』には日参してますよ!彼のアイドル論は完璧です!反論の余地なし!最高っす!ブログも本当に面白いんだよなぁ。……ああ!本当に大阪に来て良かった!後でお話させて貰わなくては……!」 ヒナ「堂本さんの芸が見れるなんてアッキーはほんま運がええよ。あの人はもう別格やからな。集会に参加される事も珍しいんやで。今夜の宴はどの席で打たはるんやろ。………チェックしとかな」 ラジカセから曲が流れ出す。 まずはゆる〜くロマンスを打つ堂本。堂本に倣うように打ち始める男達。 ロマンスは徐々に高速に! 「……はっ!」「……はっ!」気合いと共に激しくOADを打ち始める堂本。 額の汗を拭うアッキー「は、早い……っ!!そして美しい……っ!こんなスゴイOADを見るのは初めてだ!」 ヒナ「そうや。堂本さんのヲタ芸は神の領域やで」 堂本はOADからマワリへと続きジャンプ! ロミオ! ロザリオ! ヲタ芸を打つ!打つ!打つ! 彼の動きに合わせ、バックの男達も一糸乱れぬヲタ芸を披露。 アッキー「こ、これが、噂の 魂 の ヲ タ 芸 か……!」 ヒナ「今日の堂本さんもキレがええわぁ。抜群や」 そして。 「キターーーッ!!座長の背面ロミオ キターーッ!!」 「今夜は凄いことになるで!」 堂本の背面ロミオに溜息を漏らすヲタ男達。 アッキー(愕然)「座席も無いのにあのポーズでキメとは……!な、なんてすごい滞空時間なんだ……!そしてあの身体の柔軟性!……恐ろしい。彼の芸はヲタを超えている!」 魂のヲタ芸にもはや涙するしかないアッキー。 そんな堂本を、建物の影からそっと眺めるA子。 A子は堂本の通う銭湯の娘だった。 (身を削って遠征費用を捻出しているので基本的に貧乏。オサレな生活に執着なし。今どき珍しい風呂なし安アパートに住む堂本) 旅行に出かけた親に頼まれ、一度だけ番台に座った彼女は、その日のうちに彼にフォーリンラブ! A子だけは知っていた。 彼のあのキモヲタっぷりは仮の姿で、磨けば光る王子様であることを! 風呂上がり直後のまっさら彼は青髭もなくお肌もツヤツヤ。メガネを外したお顔は超美形!ボディも完璧だったのである! A子(………あたしが彼を変えてみせる……!) 思いを告白するA子。 しかし! 堂本「あと5kg痩せてから出直して来い」 ガーーーン!! A子(酷い。酷すぎる。堂本さんってこんな人だったんや。でも、でも………やっぱり好き!) 堂本を普通の男に変えるどころか、どんどんヲタク女と化すA子! A子の明日はどっちだ! みたいな恋愛ドラマを作ってみたらどうでしょう。 『電車男』を超える純愛ドラマにはなりませんか。そうですか。 ...
|
|