羊日記 もくじのような/ちょっとまえ/これよりさき

2005年12月25日(日) めりくりめりくり。

-- 午前一時のサンタクロース --


玄関開けたら、おっさんが立っていた。

「ちゃーっす。」

・・・宅急便?
にしちゃー荷物持ってない。反射的にサンジはドアを閉めてしまった。

 どんどんどん。

「ちゃーっす。」

 どんどんどん。
 どんどんどん。

気休めに後ろ手におさえてみた、鋼鉄のドアをしつこく叩かれるのだが。
ピザも頼んでない。
借金した覚えもない。
なんかに追われてかくまってくれとのたまうような知り合いもいない。
サンタにしちゃー、髭もなけりゃー赤くもない。

どころか、緑の頭してた。

 どんどんどん。
 どんどんどん。
 どんどんどん。
 どんどんどん。

背中の振動は、とまるどころかどんどんでかくなっている気すら、する。
…このままでは近所から苦情が出てしまう。

 どんどんどん。

 どんどんどん。

 どんどんどん。


「あのぅ…どちらさま、ですか」

漸う、しぼりだすように、至極当たり前のことをたずねてみる。

 どんどんどん。が、ぴたりと止まった。

「てめぇが呼んだんだろ」

低い声だ。
間違っても、営業とかで回って来られて歓迎したくなる類ではないタイプの。
ごめんなさい、って謝って逃げた方がよかないか?だけどえええと、逃げるにしてもここはオレんちで、扉の前にはよくわかんねー緑のおっさんがいて……

って、てめえ、って、オレ?

「…は?」
「てめえが呼んだんだろ」

間髪いれず、もう一回、同じ調子で、おっさんは繰り返した。
いや…呼んでないし!

「いたずらとかじゃ…」
「あるわけないっしょ。確認するぜ?」

おっさんは正しくオレの名前と住所と電話番号を機械的に読み上げた。

「あんたんちだろ?確かに承まってるぜ間違いとは言わせねえ」
「確かに……って、…サンタ便!?」
「おう」

オレは慌ててコタツの上にほったらかした雑誌新聞の山をかき分けた。



…あった。
”サンタ便”。確かに、電話はかけた。・・・きのう。

『寂しいイヴの夜に、あたたかいひとときはいかが?』

金髪の女神が、ハイレグサンタの扮装で微笑んでいらっしゃるピンクビラ。
『なんでもお申し付けくださいませ。あなただけのサンタが、あなたのためになんでもさせていただきます。ひとときの夢をお楽しみください(はあとv)1時間8,000円から(オプション別料金有)』

「えええと、これって…」
「かけたっしょ、電話。」

つーことはこのおっさんが美女を連れて……
ほわー、と、昨日の夜にコタツで浮かびまくった映像がリターンした。

イエス!美女サンタ!イエス!!

がちゃりと、ドアを開けた。

「ちゅーす。」

野太い声だ。
(め・・・めりーくりすますですらないのか・・・)

「サンタ便っす。ご確認お願いしまっす。えーっといま1時ですんで、ただいまから1時間、午前2時までのご契約となります。後金制度になっておりますが、よろしいですね?」

角刈りに近い緑色の短い髪の毛の男は、玄関先で、仏頂面にむりやりはっつけたとしか思えないまるで似合わない営業用ひきつり笑顔でチラシを差し出した。

確かに、あの、チラシだった。

「なんでもさせていただきまっす」

ぺこりと頭を下げる。
下げた頭の後ろにはやっぱり誰もいなくて。

 ・・・あんたがか。

オレは後じさった。

「金髪の女神…は・・・?」

口をついて出た言葉も、男は聞こえなかったようだ。
・・・それとも無視するようにマニュアルに書かれてるんだろーか?

「玄関先でよろしければー、ここでもいいンすけどー、」

下げた頭から、見上げられても。
といっても玄関先で突っ立ったままで頭が回んないのも、
ととりあえずはコタツの前に座布団を引っ張り出して誘導した。

にこにことさっきよりはちょっとましな笑顔で、男は正座した。

「ありがとうございます。したらとりあえず説明させていただきますね」

こくこく、とサンジは頷いた。
男は黙って右横に据えたでかめの黒い皮鞄から、白黒コピーの料金表が印刷された紙を取り出し、サンジに呈示した。

「さっきも説明したんすけど、ほぼ何でもご希望に添えます。挿入はなしっすけど、おさわりはオッケーっス。指入れるのもいけるし。キスは場所どこでも追加料金なしなんですがフェラんなると別料金なります。7000円ね。これはアンタがするのも同料金なんで。サンタコスもできますよー。バニーちゃんも同料金で追加料金5000円。ちょっと準備にかかっちまうんで待ってもらわなきゃなんで、多分延長料金もかかっちまうんだけど、折角のクリスマスイブなんだし、いっちょどーっすか。えええと、あとは…」

延々と、男の説明は、続いた。

「な・・・なんでもしてくれちゃうんだ・・・」

緑頭は、さっきよりも激しく引きつったスマイルで、微笑んだ。

「何でもさせていただきまッス。」

あ、と思うがはやいか、男はサンジの膝を割り、とりあえずチューだけしとくかーとか言いながら遠慮もクソもなくジーンズのジッパーを開けて縮み上がった息子さんにご挨拶あそばしていた。


いいから帰ってくれ、とは、言えないサンジであった。

めくるめくクリスマスイブは、深夜一時十分スタートであった。







※ネタ提供・妖精たちのクリスマスイブを過ごされている某錆象さん。
 むさくるしいイブを過ごされているあんちゃんずにくりすますぷれぜんと。
 さんぞろかぞろさんかわかんない。つうかどっちもあり。めりくりー!

とか言って送りつけたら野太い声でめりくりーって電話がかかってきた(笑
しかえしお返しもいただけましたーっっありがちゅう!

鉄さのめりくり。
→ttp://sargasso.sakura.ne.jp/okadaya/ent.html
はええ!(笑

えいちんのめりくり。
→ttp://s-sf.cside.com/thx/l-w/index.html




…編集に戻りますた。

が、毎度のことながら台割間違っていまちたよイエー☆
やりなおしじゃ…とほー。
タイトル頁やらヘッダやらつくってまー
今晩こそ表紙絵にいかねばじゃよー





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