羊日記
もくじのような/ちょっとまえ/これよりさき
ねむったふりをする
弛緩する、という言い方が正しいのだと、思う。 伏す、というのはこういうものかとも、思う。 メシも食わず、寝ている。 人の部屋で、寝ている。
いないからだ。
ゾロはシャンクスの不在のせいにして。 黙って。 ふてくされるみたいに、ピアスの耳を下敷きにして。
殴り合ってぶちのめされて口の端は切れている、 殴らせてやった、 わざとだ。 存分に痛みは喰らった、 意識が飛びさえした、
が、
熱は収まらず。 迷って迷って迷い倒して、日が暮れる、ころ。 無人の部屋に、転がり込んだ。 鍵が開いているのなんか知ってた。から。
(だれもいなくたっていいとおもった、から)
ささくれた畳に頬を擦りつけて、あの足音はそれでも聞き分けることができるのだ、 右と左の、あしの出すタイミングの微妙なバランスの崩れ。 かんかん、 安アパートの錆びた血、みたいな。 におい。 ちょっと、鼓動がはやくなった。 浅い眠りを、 そのまま、鍵も掛かっていない玄関の蝶番のぎぎいと鳴るのを、 靴を脱ぎ捨てるごそごそというおとと、
舌打ち、しただろう?いま。
包まった毛布の、内側をギュウと握り締める手に汗が滲んだ。 まだ、目は醒めていない、 目は、醒めない、 カーテンのない窓から月が忙しく目を開けと瞼を射る。
みし、みし、 床を踏むおと。
かちり、 これはライターの。 もう一度、 かちりと鳴って窓際の電気スタンドが、点く。 ぼうっと、部屋があたたかみを帯びる錯覚を、得る。
背中を、ぽん、ぽん、と叩かれる。
「ただいま」を言うタイミングをシャンクスは計っている。 おかえり、なんて、言うもんか。 いくらでも目を瞑れば眠れるのが特技。自負するゾロは、かたなしだ。 煙草一本分。 ぽん、ぽん、は続く。
スタンドの電気が消される。
ごろりと横になったのだろう、 僅かな振動。 やがて、寝息。
眠気は、すっかり遠ざかっていた。
-- リハビリ。メランコリア の流れ。 (時間的にはちょっと前 くらいなのかな) 100題 079:INSOMNIA(不眠症) あとからこじつけ。
またちまちまとみじかいものをかいていきます。 下手は下手なりに書くしかないのです。く!わかってんだい。
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