バート先のパン屋さんに新人さんが入ってきた。
高卒でそれはそれは初々しい彼女なのだが
中・高とテニス部に所属していたらしく、言動がテキパキとしていてとても気持ちがいい。
返事は 「 はい! 」 と元気良く。
「 いらっしゃいませ どおぞ〜! 」 とか 「 焼きたてのパンドミーはいかがですか〜! 」 といった声も初日からちゃんと出せていた。
そんな彼女なのだが。 1日2日と経っていくうちに 「 どうもこの子はおかしいぞ 」 という言動が目につくようになってきた。
例えば・・・
「 せんぱ〜い! 缶詰が開けられませ〜ん! 」
「 えっ? なんで開けられへんのん? 」
「 最初に缶に突き刺すことができないんです・・・ 」
「 あのなぁ!テニスやってて握力ないんかい! 」
例えば・・・
「 ダスターまとめて洗うから洗濯機スイッチ押して 」
「 はい! 押しました 」
スイッチを押してすぐに洗濯機のわきにしゃがみこみ、排水ポンプの先に手を差し伸べる彼女
「 先輩! 水が出てきません! 」
「 水が出てくるのは上の蛇口からや・・・ 」
例えば・・・
「 このタマネギ、スライスして 」
「 はい!」
とん・・ ととん・・ と・・・ とと・・ とんとん・・・
数十分後・・・
「 できました! 」
「 あのう。 全部へたついたままやねんけどぉ。 つうか、へたとってへんから、スライスが全部へたを中心にくっついてもてんねんけどぉ。」 「 えっ? タマネギってへたとるんですか?! 」
彼女は単なる 天然 なんでしょうか?
それとも18にもなって缶も開けたことがないくらいの ええ氏の嬢 なんでしょうか?
彼女のこれからが、ある意味楽しみです。
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