川底を流れる小石のように。  〜番外編〜  海老蔵への道!
もくじを見てみるひとつ前現在に近づいてプチ画像日記


2004年04月27日(火) 俳優祭 成田屋寿司とにらみ

 出かける前に見たテレビで、
 本日海老蔵襲名パリ公演の記者会見が都内で12時から行われると知り、
 あーやはり新之助は今日は来ないんだと思う。
 出演者に新之助の名前は無かったし、
 大舞台を前にてんぱっていて、きっと出ないのだろうと思ってた。
 けど、心の隅で、
 来月から二ヶ月も、大勢の人の力を借りて襲名するというのに、
 顔も出さないなんてこと可能なんだろうか?とも思ってた。
 舞台にカメオ出演でもないものだろうか。

 12時開演。踊りあり、映画あり、喜劇あり。

 総指揮の勘九郎さんも
 歌舞伎好きにしか面白くはないでしょうねと言うとおり、
 でもだから歌舞伎好きにはたまらない映画「奈落〜歌舞伎座の怪人」上映。
 これがとても可笑しくて、俳優祭の浮かれ気分も手伝ってクスクス笑ってばかり。
 好きだったのは音羽屋さんと成田屋さんの会話のシーン。
 菊五郎さんと団パパって、普段もこんな感じで話してるんじゃないだろうか?
 連鎖劇ということで、生の舞台に場面を転換させてからも、
 とても楽しめた。
 そしてラストのエンドロール。
 モノクロの画面で綴られる今現在と、
 過去の名優達の舞台場面がクロスして、とても素敵に仕上がっていた。
 どうかDVDで発売されますように!
 俳優祭詳細&DVDリクエストはこちら。
 
 その後、模擬店の時間が1時間設けられており、
 やっぱり仁左右衛門さんや染五郎さん、勘九郎さんなどは大人気。
 友達と、団パパのお寿司屋だけはやっぱり行かなくちゃねーと言い合い、
 三階からあちこち眺めつつ地下まで、
 人ごみをかき分けかき分け進む。
 この時、俳優祭2回目の友達がいてくれて、どれだけ助かったか。
 彼女はコツを心得ているというか、絶妙の立ち止まり具合とかき分け具合で、
 そんなにせっかちにではないのに、トントンと移動してゆく。
 地下には普段は食堂「花道」があるのだが、
 もう、通路は身動きできないくらいの人いきれ。
 す。すごい。。。。暑い。。。。
 奥はどうなっておるのだ?
 すると係りの人が、新之助もいますから、と教えてくれて、
 ええーーー!?とビックリ!
 まさか模擬店に出るとは思わなかった。
 記者会見から駆けつけたってことなんだろうなあ。
 
 それにしても窒息しそうな人ごみ。
 そして暑い!
 寿司の行列はなかなか進まず、延々と続く。
 けれど、階段を降りてゆくと、頭1つ背の高い新の坊主頭発見!
 わあー本当にいた!

 友達と交代で、ともかく姿だけ確認しようということに。
 先に見に行った友達が、いたよー!お寿司売ってたよ!見ておいで!と交代してくれた。
 奥へ奥へと進むと、いたあーーー!新之助だ!
 ってか、なんか黒縁のメガネかけて甚平着て、寿司売ってる!
 さらに驚いたことには、お隣には団パパがいて、お寿司をにぎってるのだ。
 団十郎さんのにぎった赤身?うはは。
 これじゃ混雑するわけだ。

 ぼーっと新之助を眺めてしまって、
 ようやくデジカメを思い出す。
 ぱちり。
 すると新之助が「なんだ?写真だけ撮って寿司はいらないの?」とブツブツ言ってる。
 先ほどの行列は、団十郎さんのにぎったお寿司の行列だったのだろうか、
 (それとも混雑しすぎて、列が誘導しきれなかったのかも?)
 新之助の前は、割合空いてる様子。
 なるほど手持ち無沙汰にしている様子の新ちゃん。
 なので「あ、はい、お寿司買います。買わせていただきます」と金券を差し出すと、
 寿司折りを手渡してくれた。
 せっかくなので握手もしてもらった。
 
 うおおーー!
 新之助がくれたお寿司!
 なんだかもうこれだけで、今日は幸せ満タンな気持ちに。

 あとは気軽に探検。

 三津五郎さんは、今回怪人役で凄いメイク姿だったのだが、
 怪人と一緒に記念撮影ができる「怪人写真館」を開催。
 ポラで3000円なり。(金額が違うかも?)
 みつごろさーん、こっちから一枚いいですか?と小さな声でお願いしてみると、
 恐いメイクの顔で、にまーと笑って、
 オイデオイデしつつ、ポーズをとってくれた。

 松禄さんのバーでは、バーテンのはずの松禄さんがすでに酔っており、
 あれ?飲んでるんですか?と言うと
 「こんなの飲まなきゃやってらんないよ。
 今日は無給でやってるんだぜー」と笑って言う。
 あ、じゃあシャンパンください!と友達と一緒にオーダーすると、
 なみなみとシャンパンをついでくれ、
 オマケに、もう一杯やるよ!と三杯もくれる。
 しかも金券も受け取らないし。
 わはは。
 なので、じゃあ乾杯しましょう!と
 友達、私、松禄さんで、カンパーイ!
 ただの酔っぱらいのバーのおもむき。

 富十郎さんが、笑顔いっぱいで大ちゃん愛ちゃんとご一緒で、
 可愛らしくて評判になってた。

 一息ついて、新之助の寿司を友達としみじみ味わう。
 あー嬉しい。

 そしてプログラムをめくっていると、出演者の中に堀越孝俊の名前発見!(新ちゃんの本名)
 そうか、そうきたか!
 ってことは次の幕は登場なのねん!

 演目は、勧進帳のパロディ「安宅の珍関」。
 仁左右衛門の富樫の関所を通るには、みな何か芸を披露しなければならないという、
 俳優祭らしい出し物。

 左団次の巡礼おつるの踊りや、
 勘太郎・七之助、獅童の氣志團子。
 福助のオスカル(タンカラヅカ)
 松禄のゴスペル聖歌隊。
 水谷八重子、波野久里子の京舞。
 等々。
 最後に浅草パラダイスの勘九郎と柄本明、藤山直美が登場。
 直美さんが勘九郎さんに、あんたもええ男や思うとったけどな、
 もうとびっきりのええ男見つけたんやでー!と言い、
 観客席に向かって、はよおいで!と呼ぶと、
 客席から紋付袴の新之助が登場!
 一階席からは黄色い歓声飛びまくり!
 襲名のご挨拶回り中という設定。
 でも勘九郎と仁左右衛門にすすめられて、
 キチンと正座して、客席にもご挨拶。
 割れんばかりの拍手ー!!

 いやあ、本当に来て良かった!

 夜の部も、演目は同じ。
 模擬店には新之助を見かけなかった。
 波野久里子さんのわんこそばが美味しかった。
 夜の部の模擬店では
 仁左右衛門さん、佃医局員こと孝太郎さんと豆松嶋のお孫さんの
 三世代Tシャツ売り場が大人気であった。
 豆松嶋ちゃん、周りのファンの熱気とパワーでまん丸なオメメで、
 ぼーっとなってた。
 熱でも出してなきゃいいが。。。

 模擬店タイムの途中、勘九郎さんのアナウンスで、
 新之助の面白い物をお見せするので、一階舞台前に集合!とのこと。
 行ってみると勘九郎さんの着てるTシャツの背中には
 「襲名三日前の市川新之助」のサインが。
 他にも三枚あるとのこと。
 競りだとか、じゃんけんだとか、ワイワイ言ってるうちに、
 じゃあそれっ!と勘苦労さんが客席にTシャツを放ってしまう。
 そしてそれは、私の頭上に・・・!

 でも、どんくさい自分が情けないというか、
 思わず目をつぶってしまった一瞬、すぐ近くの人がゲットしてた。
 写真だけ撮らせてもらったので、ちょっとアップ
 
 その後は気が付くと、時蔵さんや亀蔵さんのバーでお酒を買っては飲んでしまう。
 俳優祭の教訓は、後でまた来ようと思っても、
 後になると、もはや売り切れたり俳優さん達が居なくなっていたり、
 ともかく「後で」は無いと思え!ということであった。

 俳優さんもさすがに少しお疲れ気味か。
 でも客席は昼よりも若めで、異様なほどの盛り上がりっぷり!
 
 なので、終わり近くにまた、舞台に登場した新之助には、
 もうもう、きやあーーー!と凄い歓声!
 しかも昼の部、新は「芸は5月から頑張るので勘弁してください」と許してもらえたのに、
 夜の部は「ええーーーーーーーー」と客席のリクエストが激しくて、
 「え、でもなんもかんがえてなかったもの!」と焦るはめに。
 だれからともなく「ニラミやって!」ということになり、
 急遽、新之助の、口上でしか見られないはずのニラミに相成りました!

 なんかね、もう凄かった。
 荒事の家のニラミは、古くから神の力が宿ると言われているそうだが、
 確かに何かが宿るような、素晴らしいニラミであった。
 三階から見ていたのだけど、ぐうーーっとズームであの目とオーラが大きくなってくるというか、
 一瞬に凝縮された力が、ここまでズシンと伝わってくる感じ。

 もう、夜の部はこのニラミに尽きる。
 これ見ただけで、五月の初日のことを考えてしまって感動ウルウルじーーん。
 その後、葵太夫さんもこの時の事を書いておられて、
 それを読んでまたしても、うるうるるる。こちら。

 そんなこんなで、一日思いがけず新之助を堪能。

 土曜日の本番の口上と睨みが、今から待ち遠しい!

 

 ○○追記○○

 その後、29日は「徹子の部屋」を見て感激。
 五月に一緒に観に行く母も、叔母達も、応援したくなる!やら輝いてるね!やら、
 きやあきやあ言っておりました。
 うふふ。
 さらに夜にはお友達に声をかけていただいて、
 大きなスクリーンのホームシアターで
 比叡山歌舞伎の「橋弁慶」と平成12年の団十郎さんの「勧進帳」を鑑賞。
 これがまた素晴らしい臨場感で、舞台を生で拝見しているような迫力!
 居合わせた人は、それぞれ初日、2日、9日に観劇予定だったので、
 楽しみだねえ!と語り合う楽しいひととき。
 こんなふうに歌舞伎な話を沢山できる方々と知り合えて、嬉しかった夜。
 橋弁慶は吉右衛門さん弁慶と、壱太郎さん牛若丸。
 これで弁慶と牛若丸の出会いを観てから、勧進帳を観ると、
 またまた格別の味わいでござった。

 さあ、あと数時間で初日だ!
 



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