なべて世はこともなし
日記アーカイブ(インデックス)へ前日の日記はこちら翌日の日記はこちらアイルランド真実紀行へ


2006年10月04日(水) シャレにならないボロ車Daewooについて検証する(乗ってる人ゴメン)

昨日の日記でSmart Telecomの悪口を書いたら、シャレになってませんね。Smart Telecom、潰れそうです。まだ問題が解決してないのでEircomに電話をかけたところ、テープで「Smart Telecomからの変更をご希望の方は、フリーダイヤルXXまでお電話を」なんて言ってましたが、私に言わせりゃ目くそ鼻くそ。どっちもダメな会社です。


かくして、このダメな電話会社と、ダメダメな管理人の相乗効果で、掲示板は完全に放置状態だわ、メールもお返事がかけない、さらには、アイルランドに来た友人を無視するなど皆様には本当にご迷惑をおかけしております。なんとか日記はこうやって更新してますが、それ以外のことはあと1週間程度お待ちいただけると幸いです…。それもこれもくされ電話会社しだいなのですが。


私の車、トヨタの小さな小さなジープRav4です。ボディは小さいですが、エンジンは(アイルランドで言えば)2.0リットルとかなりでかい。ゆえに、燃費が難点ですが重い図体の割にきびきび走ります。いい車だと思います。で、まあ、そんな車に乗っているからこんな情景を夢想するわけです。


シーン13.Rav4で人気のない山道を疾走する(今「失踪」と誤変換されて一人でウケた)Snigel。そこに現れたのはカーブを曲がりきれずに草むらに突っ込んだ乗用車。車の外ではうら若き金髪の美人が困った顔で立ち尽くしている。さっと車を止めるSnigel。


Snigel:「どうしましたか」
美人:「ハンドル操作を誤ってしまって」
Snigel:「心配には及ばないぜハニー。今、助けるぜベイベー」



…と言いつつさっと牽引用のロープを取り出す私。で、慣れた手つきで牽引用のロープを取り付けさっとフルタイム四駆の駆動力を使い彼女の車を道路に戻す。


美人:「ありがとうございました」
Snigel:「ちっちっちっ。礼には及ばないぜ」
美人:「せめてお名前だけでも」
Snigel:「そんな野暮なことは聞いちゃいけねえ」
美人:「でも、何かお礼をさせてください」
Snigel:「そんなものは期待しちゃいねえ。でもそこまで言うならふもとのラブホで『ご休憩』でも



…と、最後で思いっきり本音が出てしまいましたが、こう、颯爽と人を助けるってかっこいいですよね。一度やってみたい…などと考えるのですが、その実、山に行って沼にはまって地元のトラクターに助けられる最馬鹿です。私は。しかも、ジャスコの一万円スーツを着た林家こぶ平が(←私のことねん)、ジープ野郎を気取るなんて度台無理なわけで。もっと言えば、それがオートマの町乗り四駆だとすると…もう論外。


閑話休題。今日の夕方のお話。


ラッシュアワーが始まる直前のCabra Road。図々しく裏道から本線に合流した私。だが、合流した先にいた目の前の軽サイズのDaewooが動かない。数十秒後、中から中年といえば本人から絶対に殴られる、かと言って「うら若き」とは冗談にもいえない微妙な年齢の黒人の女性が車から降りてきて車を押し始める。対向車が途切れた一瞬の隙をついて車を押す彼女の脇をすり抜けたがそこで私の頭が高速回転。


助けるべきか。助けないべきか。


やはり、さすらいのジープ野郎(あくまで当社比)としては彼女を助けるべき。反面、現実問題としてこうなることは目に見えている。


彼女:「急に車が動かなくなったんです」
私:「それは困りましたねえ。ちょっとボンネットを開けてみますか。うーん、エンジンはまだここにありますね。タイヤも4つついてますね」



…なんの助けにもなってないよ。その程度なら生半可に助けなど差し延べないほうがマシといえるわけで。だけど、私のおせっかいな性格が、車を止めてしまった。


私:「どうしました?」
女性:「車が急に動かなくなって」
私:「とりあえず、車を道の端に寄せよう。私が後ろから車を押すから」



で、彼女のDaewooを押した。唖然とした。


私が押した部分のボディが凹んだ。


このボディは紙でできてるの?


私の友人が昔、ホンダのN360のボンネットに何気なく手をついたらボンネットが凹んだと語っていた。そんなの昭和40年代の話で、今の車はいくらなんでもそんなにひどくないと思っていたが、ほかは知らんがDaewooの車は昭和40年代のN360とレベルが変わらない模様。冗談にもこんな車には乗りたくないなあと思う。ちなみにN360のボンネットは裏側から押したら元に戻ったそうな。さらにちなみにこのDaewooのボディは、何もしないでも元に戻った。


Daewooネタでさらに脱線させてもらうと、同僚がまったく同じDaewooに乗ってて、新車で買ったのに1年半でエンジン交換!となった。幸い保証期間内で無料で修理となったそうだが、こともあろうに、借りていた同じ車種の代車も同じ理由で故障!仕方ないから、数ヵ月後に売ることにしたのだが、どこのディーラーも二束三文の値段でしか引き取ってくれない。唯一二束三文よりはちょっとマシな値段で引き取ってくれるといったのが、Daewooディーラー。ただし、Daewooの新車を買ったらという条件付。


あなおそろしや、Daewooトラップ。


話を本題のCabra Roadに戻します。端に寄せた車を見てみると、私が唯一わかることが原因の模様…バッテリー上がり…ってさ、走りながらバッテリーを上げるって、かなりすっとこどっこいレベルが高くないと無理な話じゃあないだろうか。


件の人助け願望のある私はちゃんとバッテリーのジャンプリード(日本語でなんていうんだっけ)を車に常備してある。往来の途切れないCabra Roadで無理やり方向転換して互いの車のボンネットが向かい合うようにしてジャンプリードをつなぐ。彼女に私の車のアクセルを吹かすように命じながらポンコツDaewooのセルを回すと、ばんざーいばんざーい、エンジンがかかった。


言うまでもないことですが、別に私はお金を要求しようとも思わない。人助けができたんだからそれでいい。だけどさ、厚意で人を助けたんだから、心のこもった「ありがとう」くらい言ってもらってもバチは当たらないと思う。だけど彼女は大して感謝した様子もなく(もっと言えば助けて持もらったのが当たり前の顔をして)去っていった。真っ黒になった自分の手を見ながら、「いったいわしは何をしてるんだ」と思った。


結論。助けるのは、やはり若い美人の女性だけにしよう(どうしてそういう結論に至る?)。




Snigel |MAILアイルランド真実紀行へ掲示板へ