なべて世はこともなし
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2006年09月16日(土) 嵐の前の...ダブリン家がある!シリーズ3その(5)

そして翌日は水曜日。


どうもdaft.ieだけを使うのでは心もとないので、昔ながらの方法、Evening Heraldの三行広告を使うことに。





この日はFree Ad Traderという広告主が無料で広告を掲載できるおまけのような新聞がついてきまして、そこにあった広告のめぼしいものに片っ端から電話。ところが、結果は全敗。どうも、広告の鮮度が悪い…つまり最新の広告ではないようなのだ。


daft.ieの場合、家主・くされ不動産屋は店子が見つかった時点で広告をネットから削除してしまえばいいのだが、新聞の場合、そうはいかない。ちなみにEvening Heraldの場合、同じ広告が2-3日掲載される。つまり、月曜日の時点で載った広告が、火曜日・水曜日と再掲されるわけ。


で、月曜日の広告を見て誰かと入居契約を結んだのに、火曜日・水曜日になっても電話がかかってくる…と。こと、水曜日のFree Traderに関しては、広告の量を水増しするために、わざと古い広告を入れていたのではないかとも思えた。ともあれ、私にとってEvening Heraldは引越しのときのお皿を包む緩衝材くらいの役にしか立ちそうにありません。


なんだか今日はめぼしいものがないなあ…ハズレだなあ、何か物件を見に行きたいなあと思っていると、また、空港脇の高島平Northwoodから物件発見。なにやら、「今日の7時から内見だから、見に来たい人はホテル前に集合!興味のある人は営業時間内に電話を」と書いてある。今回の物件は、極悪Ballymunバス13番ではなく、空港、Swords系(16A,41など)が使えるほう。で、懲りもせずにくされ不動産屋にSMSを打つ。SMSにしたのはすでに「営業時間」を過ぎていたからという配慮。


すると、高速で返事が来た。


「Northwoodは明日だよ。今日はNorth Circular Roadで内見をやるからおいで。2Bedroomsで1400だよ」


高いよ。高すぎるよ。


だけど、この人のSMSに高速で返事をよこすこの不動産屋に好感を持ったので、冷やかしでNorth Circular Roadへ。North Circular Roadは、その名の通り、ダブリンの市中心部をPhoenix Parkからダブリン港付近までの半環状線。道路は結構混む。


私が思っていたのは港付近のアパートの一室だったが、行ってみると実は物件はNorth Circular Roadの反対端、つまりPhoenix Parkがわにあることが判明。あれ、あの辺って、昔ながらのジョージア調の家じゃなかったっけ?





この育ちに育った街路樹からもわかるとおり、実に由緒がある感じの通り。家の一軒一軒もでかい。

で、指定された家は…





うおっ、ここですか。

この築100年超の家は、中はきれいに改装され、モダンなキッチン、現在のアパートなら二部屋にするだろうという感じの広いベッドルーム、開放感溢れる高い天井、主寝室にいたっては、キングサイズのベッドにシングルベッドまで置いてある(ここはB&Bか!)。ちょっと、これ、1400ユーロは破格じゃないですか?





一瞬目が点になったが、よくよく見るといろいろな問題点があることが判明。まず、駐車場がない。で、このやたらと混むNorth Circular Roadで縦列駐車をするのは至難の技。そして、きれいになったはいいがなぜか小さい冷蔵庫(日本のワンルームマンションに備え付けられていることのある冷凍庫がほとんどないあれね)。そして、やたらと広いはいいが意味不明なバスルーム。


そう、このバスルームが意味不明だったのだ。6畳くらいあるバスルームに、洗面台、トイレ、そして、なぜかシャワーが二つ。バスタブなし。


で、不動産屋の兄ちゃんに…


私:「ここ、いくらだっけ?」
相手:「月2200ユーロだよ」



え゛?1400ユーロじゃなかったですか?


相手:「1400ユーロは裏の家だよ」


…ならどうしてここに呼ぶ?


家賃が2200ユーロなると、この家、まさにコンセプトが不明なのだ。写真を撮ってこなかったことがとことん悔やまれるが、あのバスルーム、少なくとも6畳はあったから、例えば、トイレとバスを別にして、さらにシャワールームをつけるくらいのスペースは余裕であった。なのに、そうしないでドアがひとつしかない(=ひとりしか使えない)バスルームを作って、ダブルベッド二つにシングルベッドひとつと5人が住むようにしている家って、使い勝手がかなり悪いような気がする。


しかも5人となるとひとりあたまの家賃負担額が大きいから、もっと大人数でシェアしようとすると、バスルーム問題はさらにひどくなるし、2200ユーロ出すなら、もっと使い勝手のいい家に住めそうな気がする…どう考えてもコンセプト不明。


で、1400ユーロの家は、ガレージがある裏側の通りに建てたほとんど新築。きれいだけど、可もなく不可もなくで、やはり1400ユーロは高すぎるのでボツ。しかも、不動産屋、7時半を過ぎると急に落ち着きがなくなって、ひとこと。


不動産屋:「ボク、8時からマンチェスターUのサッカー見るから、失礼するね」


といい残し、去っていった。私の手の中に残ったのは、一枚の名刺。


…やる気があるんだかないんだかわからんやっちゃな。ちなみに、この不動産屋、実はアイルランド人ではなかった。


こうして水曜日は終了。以下、決戦の木曜日に続く。




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