なべて世はこともなし
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2005年10月13日(木) 22ユーロの価値はあるのか?ゴーストバスツアー

うーん、今日の日記は、この背景色が良く似合う♪


ダブリン市内でこのバスを見たことありませんか?




ゴーストバス


ちなみにダブリンバスの隠語では「ゴーストバス」は一見回送バスに見える従業員送迎用のバスのことをさすらしいです…が、今日語るのは、金さえ出せばお客さんも乗れるほうのゴーストバスツアーね。


のっけから話をややこしくしてますが、このゴーストバスツアー、「世界で唯一のゴーストバスツアー」という触れ込みなのはいいですが、なんで、大人ひとり22ユーロ(3000円)もするのよ?考えて見りゃ、日本なら地方のテーマパークの一日券くらい買えそうだし、ダブリンバスの1週間乗り放題券の方が安い。たかだか2時間、市内をちょこっと周るだけ、しかもいつ見てもカーテンが閉まっていて外も見れない(注:これ、間違ってました)このバスに22ユーロも払う価値はない!というわけで、長年、その目立つ存在ゆえに気にはなっていたものの、ずーっと放置してたのです。


ところが、とある筋からタダ券が舞い込んできまして(実際はカツアゲだったという説もあるがそれは置いておいて)、ある9月の夜、行ってきました。ゴーストバスツアー。


驚いたことにツアーはひとり22ユーロという高額にもかかわらず40人ほどの席は満席(つまり800ユーロほどの売上。2時間のツアーとしては悪くないと思う)。聞けば予約をしないと乗れないほどの人気だとか。ちなみにこのバスの一階はちょっとした展示場所になってます。


まずはカーテンを閉めて出発。で、5分後カーテンを開けてみると…O'Connell Streetの反対側にいただけ…というギャグからスタートします。このゴーストバスツアーにはあとで写真付で出てきますが、専属のガイドさんがおりまして、実はこのガイドさんは本職は役者さん。ということもあってか話が上手い。お客さんも乗ってきて、雰囲気も上々。


ネタバレを避けるためにどこかは詳しくは書きませんが、市内の某所の「ドラキュラの起こり」の場所に行きます。それから、某聖堂の隣りにある墓地へ。この辺からツアーは佳境に入ります。バスの中を真っ暗にして怪談が語られます。呪いの人形も登場します。


そのあと、市中心部にある別の某墓地へ。ここで40分だか下車します。…正直こんなところに墓地があるなんて知りませんでした。その頃にはすでに日もとっぷりと暮れ、墓地は市内なのに漆黒の闇の中。ユーレイを信じる信じないに拘らず、薄気味が悪い。


そんな中を、ガイドさんは、時には笑わせ、時には脅かしつつ、ツアーは続きます。ここでの、あるいはこのツアーのハイライトはbody-snatching(つまり、死体の掘り起こしねん)。ガイドさんが、body-snatchingの方法を説明します。






まずは地面(実際に墓標があるとこ)で実演し、






さらには客の首を使って実演(右のヒゲ面のおじさんがツアーガイド)。






さらにはお客を地面に寝かせて実演するサービスぶり。ちなみに上手くやれば、死体を地面からすっと引き出すことが可能だとか。この死体、特に損傷が少なかった場合、かなりの高額で売れたらしいです。


写真にはフラッシュをたいていますが、そうでないと本当に真っ暗。墓地は通常夜間立入禁止で(ガイドさんは鍵を持ってます)、街灯など一つもなく、木々が外からの明かりを遮断してますから。


そして最後は、某所の階段へ。ここでは毎年何回かのツアーで実際にユーレイが目撃されるそうな。






この階段。何か写ってることを期待しましたが、何も写ってません(ホントは安心してたりして)。それとも、霊感あらかたな方、何か見えますか?






それにしてもここ、どこ?ホントにダブリン市内なの?(実は、某観光名所の裏手だったりするのですが)。


と、まあ、思ってた以上に楽しい2時間15分でした。いや、これは期待がいいほうに裏切られたと言っていいかも。もしかすると、下手な劇よりも面白いかも…というのが正直な感想。


参加しようかな…という方のために現実的な情報。まず、このツアーバス、平日は午後8時からの一回のみ、週末は午後7時と午後9時30分の二回。このツアー、明るい中に行くと楽しみが半減されると思います。ゆえに、夏場は最大で夜10時近くまで明るいアイルランド、夏に行くなら、週末の午後9時30分発がオススメ。で、1時間近くはバスから下車しているので、寒さ対策・雨対策は必須。天気が悪くてもバスから下車するそうなので。


ちなみに、このゴーストバス、何を隠そうダブリンバスに所属するバスの中で最古参らしいです。年齢としては私と変わらないくらいじゃあないだろうか。で、このバス、いよいよ退役が近いそうです。ゆえに、この70年代の生き残りのクラシックバスに乗りたいという人は今がラストチャンスです。


なお、私はこのツアーをオススメしますが、ユーレイを見てしまったとか、そういう文句には一切責任を負いませんので悪しからず。




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