なべて世はこともなし
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2005年06月06日(月) アホアホAer Riantaのおかげで近くて遠いマンチェスター。

今週末はバンクホリデーウィークエンドでした。早い話が、土日月と三連休。


樺太並の緯度に位置するアイルランド、冬の日照時間が短い分、夏の日照時間は長いです(ただし、いつも曇りか雨のアイルランドそれが「太陽が射している」という意味にならないのが悲しいですが)。で、夏至はもうすぐということで、午後10時近くになってもまだ明るいです。つまり、昼間でも薄暗いパブに行く以外のことで、この三連休はやはり有意義に使いたいもの。


かくして、私はマンチェスターに遊びに行ってきました。実は「かくして」というのはウソでして、マンチェスターの友人宅に遊びに行きたいと思っていて、土曜日発で日曜日に戻るという安いチケットを探していたら、この週がなぜかいちばん安かったわけ。


考えてみると納得がいきます。3連休の中日の日曜日の午後11時にダブリンに戻ってくるようなヒコーキなど誰も使いたくないわな。そんなことなど露知らぬ私は、ただ「この週末が比較的安い」という理由でマンチェスター行きを決めたわけ。結果的にそれが三連休だったという話なのですが。


ちょっと前の過去日記に書いたとおり、ダブリン空港(および、コーク、シャノンの各空港)の搭乗前検査官の目は節穴だったようです。抜き打ちテストで、(模造品とはいえ)ナイフも銃も、さらには爆弾まで機内まで持ち込ませてしまったという"That's graaaaaaaand"のアイルランド人ならさもありなんという不祥事が起きました。で、空港の警備担当者は、政府関係者から、


「この、アホ、ボケ、スカタン、お前らの目は節穴か。この給料ドロボー。お前なんか豆腐のカドに頭をぶつけて死んじまえ」


と言われたかどうかは知りませんが、それ以降、ダブリン空港(ほか)の警備は一気に厳しくなりました。乗客ひとりひとりの靴まで脱がせる徹底ぶり。となると、搭乗前検査に時間がかかるのは当然の帰結でして。数週間前より、エアリンガスの搭乗受付締切は30分前から45分前に変更されました。なんでも搭乗受付が済んでも登場前検査に時間がかかりすぎて乗り遅れる人が続出してるとか。


ま、これが話の前置きです。このような事実を知っていた私、かつ、乗り遅れたら最後、泣いてもすがっても相手にしてくれないRyanairで飛ぶ私、珍しく殊勝にも午前7時のフライトなのに、午前5時20分に家を出たわけです(日ごろに較べて30分も早い)。


で、たった二日の滞在なので、空港の長期滞在者向けの駐車場にとめておけばいいと思った私。空港の近くにオープンした私立のQuickparkという駐車場。ここ、一日の駐車料金は5ユーロ。空港の経営会社Aer Riantaの経営する駐車場が一日8ユーロなのに較べるとはるかに安いです(ちなみに、ターミナルから歩いていける短期駐車場は一日30ユーロ)。ここに二日車をとめても、往復タクシーを使うよりはるかに安いので、これがいちばんだと思ったわけ。


かくして、渋滞してなきゃ空港までわずか10分という好立地な場所に住んでいる私、5時30分に空港近くのQuickparkに着きました。朝の道は渋滞とは完全に無縁で、鼻歌を歌いながらの運転。ところが、このシアワセは長くは続きませんでした。Quickparkの入口に係員が立っており言われたこと。


係:「予約してます?してない?そう。申し訳ないけど満車です」


ハァ?


3500台も駐車できる巨大な駐車場が満車?


んなアホな、と思いますが、そう言われりゃしょうがない、一日7.5ユーロのAer Riantaの駐車場へ。


キョトーン


としてしまいました。何でって、この駐車場に入るのに数百メートルにわたり行列ができているのです。しかも行列の後ろは交差点の後ろまで伸びて二手に分かれてます。こんな行列に参加してたら絶対にヒコーキに乗り遅れます。


私は即決。その行列には並ばすに、そのまま帰宅。10分後、自宅。どかどかと階段を上がり…


私:「おーい、ひでかすぅー、起きろー。空港まで乗せていけー」


そう。ひでかすに空港から自宅までクルマを回送させようという魂胆。いやな顔一つしなかった(寝ぼけた顔はしてたけど)ひでかすに感謝。


で、空港のターミナルに着いたのは午前6時。まだ1時間あるので安心…というのは甘い。例の搭乗前検査でパニクっているのはなんとなく想像がつきます。空港の中は、クリスマス休暇前と変わらないくらいの混みよう。Ryanairのカウンターもそこそこ混んでます。


163番目にチェックインした私は、そのまま搭乗前検査の列に並ぼうとしたものの…


どこが列の最後尾かわかったもんじゃない。


浦安のネズミ遊園地あたりなら「ここが列の最後尾です」なんてプラカードを持った係員が立っていそうなものだが、ここはダブリン空港。そんな人はおらず。


ようやく見つけた列の最後尾は検査場から月ほども遠いところでして。そこに並んだはいいが、列はぜんぜん進まない。10分ほど経ってようやく気がついたのだが、この列、途中で枝分かれしていて、実際収拾がつかない状態になっているのだ。そんなわけであちこちで、割り込んだ、割り込まないの小競り合いが起こっており、本当に最悪の雰囲気。


そこへやってきたのは、「案内係」と書かれた黄色いシャツを着たおばさん。おばさんは、


係: 「列へ割り込むのはやめてください。割り込んだ人は今すぐ列から出てください。そうでないと不平等です」


言っていることはまことに正論なのだが、この険悪な雰囲気の中にやってきた彼女はちょっと空気を読めなかったらしい。あるいは、空気を読んだ上で仕事としてやむを得ず言ったのか。彼女、あっという間にお客に囲まれてしまった。


客1:「私のヒコーキ、あと5分で離陸時刻なんだけどあと何分並ばなきゃいけないのよっ」
係:「例外は作れません。並んでお待ちください」


客2:「私のヒコーキ、6時45分発だけど間に合うの?」
係:「お約束しかねます」



あーでもないこーでもないと、お客はいろいろ言ってくる。だけど彼女、例えヒコーキの離陸時刻が5分後に迫っていても例外は作らないらしい。ま、ここに並んでいる人の多くがヒコーキの離陸時間すれすれなのだから例外を作っていたらきりがなくなる。そういう意味では正しいのだが、お客の側から言えばちゃんと搭乗券をもらっているのに保安検査に手間取ったおかげでヒコーキに乗れないなどこんなばかな話はない。


そんなこんなで殺伐とした保安検査を抜けきったのが、6時45分。ヒコーキはエリアAから出るのにエリアB-C用の保安検査場を抜けたので、ここから徒歩でエリアAまでは少なくとも5分かかる。なんとかゲートに着いたところ、最後の客がゲートを抜けようとしているところ。かろうじて間に合った。


で、ヒコーキは最新型のB738。この最前列の席が空いていたのでそこに座る。スッチーさんが「搭乗者166人」と言ってドアーを閉める。


ん?166人?


このヒコーキは確か190人とか乗れるはず。で、私の搭乗券の通し番号は163番。で、私が搭乗券をもらった時まだ後ろにはどんなに少なく見積もっても10人以上の人が待っていた。つまりこのヒコーキは満席だったとみてもいい。なのに166人しか乗ってないということは


20人程度の客を見切り発車した?


あくまで推論ですが、たぶん当たっていると思います。Ryanairは定時運行のためにはお客を見切り発車するようです。


は、早く空港に来て良かった。


ちなみに、私がこのヒコーキに乗り遅れなかったのは、保安検査場、あえて遠いエリアB-Cのを選んだからではないかと思ってます。あの時間はエリアAからエアリンガスやら、Ryanairなどが相次いで出発するのでエリアB-Cの方が早いのではないかと踏んだのです。真偽のほどは不明ですが、私はこの推理が的中したと思ってます。


とにもかくにも。空港には早目に行きましょう。


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