なべて世はこともなし
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2005年05月05日(木) 山に入った町乗り四駆の悲劇

3連休の中日の日曜日、キルデアにある日本庭園とやらに初めて行ってきました。なかなか面白かったです。


んで、(キルデアの話はそれだけかい!)現在のアイルランドの日は長い!午後4時など言うまでもなく昼日中。かくして、ダブリンに帰るのはもったいないのでそのままなぜかウィックロウマウンテンに行きましたです。これが間違いの始まり。


で、助手席の友人は、その昔ジムニーを乗り回し、同好の集いにも入っていたオフロードマニア。そのジムニーの師匠が言うのです。


師:「ほら、そこの斜面のぼってみ。この車なら登れるから」
私:「ホントだ。すごいすごい」



さすがは伊達や酔狂でフルタイム四駆を名乗ってませんね。Rav4さん。


で、そんなことをしていて見つけたのは、ウィックロウのグレンダロッホから山ひとつ超えた山奥。沢に入って行き止まりになる道の脇に、おそらく建設現場から持ってきた砂を捨てる場所。この場所がジープで遊ぶにはおあつらえ向きに見えまして。ま、いい大人がジープを使って砂遊びをはじめたわけですな。


師:「今度はそこの砂山に入ってごら。らくらく超えられるから」
私:「ホントだ。すごいすごい」



こんな斜面上れるのかな…と心配になる斜面も上っていきます。私は自分の車がこんな隠された性能を持っているとは夢にも思いませんでした。こりゃヒデキカンゲキだぞ。


師:「そこの水溜りに入っちゃダメだよ。はまるよ。」
私:「ホントだ。すごいすごい。…えっ?



車、沼にはまってもうたがな!


さすがのフルタイム四駆もタイヤの半分が埋まると動きませんなあ。…って感心してる場合じゃない。いくら日が長くてももう夕方7時。そろそろ暗くなるぞ。で、ジムニーの師匠が脱出を試みるも無理。それにしても確かに前は完全にはまり込んでるけど、後ろの右タイヤはまるっきり大地をグリップしてる。それなのになんで脱出できないのよ?うーん、さすが、やわな町乗り四駆。


で、木や石をかますということも考えたが、そのような適当なものは何もなし。


うーん、困ったなあと思っていると、数百メートル離れた道路を車が走ってゆく。年齢の割にすばやいジムニーの師匠、大きく手を振りその車を停めます。


で、若い兄ちゃん3人がバンからわらわら降りてきます。間違いなく地元民。


兄ちゃん:「どーしたの?」
私:「はまっちゃった」
兄ちゃん:「これ四駆?」
私:「…そのはずなんだけどねえ…」



結局、ジムニーの師匠がバンに乗せてもらい、「村」の農家まで救助を求めに行くことに。こりゃどうなるかと思っていると、5分と経たないうちにジムニーの師匠は戻ってきた。後で聞いたとこによると、ここでいう「村」とは、数百メートル離れた3件くらいの農家が並んだとこらしい。


その直後にぼろぼろのトラクターが到着。トラクターはぬかるみをものともせずあっという間に私のそばまでやって来て、こともなげに車を引っ張り上げた。




とっても情けないトラクターに引っ張ってもらうの図


で、お礼を言う間もなく、そのトラクターは去っていった。


で、兄ちゃんたちは嬉しそうな顔で、


兄ちゃん:「これからはアスファルトの上を走るんだよ♪」


と言い残して去っていった。


な、情けない。


…今週末、往復150キロの道のりをものともせず、ワインを持ってお礼に行ってきます。

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