なべて世はこともなし
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2004年08月16日(月) 次は緊急着陸?トホホSAS事件簿(下)

書いた本人ですら覚えていない前編はこちら(とりあえず先にお読み下さい)。


そう、行きはまさかの引き返し。…帰りは…フツー何も起こらないですよね。行きにそんな事件が起これば。ところが、起こるんだなっ。これが。


まずはハノーバーの空港にて。最近自動チェックイン機の便利さに目覚めた私はSASの自動チェックイン機を探す。何せ、自動チェックイン機など誰も使っていないからカウンターの混雑を横目にスルーできるし、席も選べるし、言うことなし。


だけど、ハノーバーの空港には誰も使っちゃいないルフトハンサのは多数あれどSASの自動チェックイン機はなし。「同じ(スター)アライアンスだから」という単純な理由で試しにルフトハンサのチェックイン機を使ってみると…ををっ、ちゃんと動く。ただし、原因不明ながらコペンハーゲン=ダブリン間の席の選択の余地はなし。推定最後尾と思われる34Aなる席の搭乗券が勝手に出てくる。だからといって席を替えてもらうべく有人のカウンターに行くのもアホらしいと思い放置。


ハノーバー=コペンハーゲンは定刻通りで隣りの席も空いていて、完全にいい感じのフライトでした。特に思うところなしに、たった数日前に一日に4度の離発着を体験したコペンハーゲン着。


ハノーバーからダブリンに行く乗り継ぎ客などいないようで、接続は悪く3時間待ち。電車で15分ほどの市内に行こうかとも思ったが、前日太陽の下にかなり長い時間晒されながら泳いでいたことと、夜はビアガーデンで飲みすぎたこととで頭が痛く(世間では「二日酔い」とも言うようですが)市内に行くことは断念。空港の隠れたQuiet zoneというソファーのある静かなエリアで待つ。


出発時刻の15分前に搭乗ゲートに行くと、もう搭乗を開始している。定刻通りの運行の予感。昼間から出来上がっているアイルランド人の一団が、緑色の帽子をかぶって昼間から雄叫びを上げている。…あいつらの席からできるだけ離れていることを願う。


で、乗ってみると34Aなる席は、やはり最後部。長いMD90というちょっと乗りなれないヒコーキの一番後ろ。翼の上にエンジンがないこのヒコーキのエンジンはまさに私の真横にある。大げさでなく、窓さえなければエンジンに席から手が届く。考えてみるとちょっと怖い感じがする。機内誌には「同サイズのヒコーキの中でいちばん静か」とか自慢げに書いてるけど、要は、ビジネスクラスなどのある前のほうに乗れば静か…というだけの話のような気がする。


で、出発時刻を過ぎてもいっこうに出発する気配のないヒコーキ。出発時刻を10分かそれ以上過ぎた頃、機長が


機長:「約2名のお客さんが行方不明です。少々お待ちください」


きっとアイルランド人が空港のパブで出来上がって登場時間を忘れたに違いない(根拠なき推測)。でさらに10分後


機長:「行方不明のお客さんの荷物を降ろします。降ろし次第の出発となります」


その荷物に爆弾が入っていないとも限らないので、乗れなかったお客の荷物は降ろします。たとえ荷物室の一番奥に入っていようとも。まあ、「自爆テロ」なんていうカミカゼのようなことをやる輩もいる世の中ですが、乗らない人の荷物を降ろすのはまあ妥当な措置ではないかと。ただ、荷物はなかなか見つからず、ヒコーキがゲートを離れたのは、出発予定時刻から40分後のことでした。


…ま、ここまでは割によくある話。これだけなら日記のネタにも何もならない。このあと、まさかの事態に遭遇するわけです。…と言っても「続く」なんて言って引っ張りませんのでご安心ください。


ともあれ、40分遅れてようやくヒコーキはゲートを離れ、誘導路へ。機長が時間を稼ぐためか誘導路でスピードを上げようとすると…やはり手の届くところにあるエンジンがうるさい。そして、ほぼ満席の(満席マイナスさっきのアホの2席)ヒコーキはいよいよ滑走路に達し、いざ離陸しようとしている。


機長がエンジンの回転を上げるとものすごい爆音が私の真横のエンジンから発せられる。


きぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいーーーー


…やっぱりうるさい!こんな席を選んだルフトハンサの自動チェックイン機、今度見かけたら壊す!などと思っていると、さらにエンジンは回転数を上げいよいよ離陸のための滑走を開始する。


いいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん


機内が突如静かになった。ヒコーキは地面を蹴ったわけではなく、未だに滑走路にタイヤをつけている。そして、静止している。もしかして、私の人生初となる


離陸中止


というやつですか。


機長:「機長です。今日の私たちはどうやら運に見放されています。機材トラブルのため、ゲートに戻ります」


と滑走路を離れるオンボロM90。


だ、脱力。

このあとはだらだらとは書きませんが、ヒコーキは結局2時間30分遅れでダブリンに到着。2度目の離陸のときは気が気じゃなくてトラブルのあった字分析から手の届きそうなエンジンをじっと見てましたね。いやー、(マイレージの特典旅行券で)タダなのにここまで体験させてもらえて感激です。SASさん(ちょっと顔が引きつっている)。


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