なべて世はこともなし
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2003年02月07日(金) コメディ菌保菌者の2泊3日ドイツ旅行(2)

2/4の日記の続きです。今回のデュッセルドルフへのフライト、私はエアリンガスに何らの文句も言う権利も資格もありません。見てくださいこのチケット。片道28ユーロしか払ってない。





日本も含めてそうですが、航空会社のここ数年の価格破壊は目を見張るばかりのものがあります。1999年にTesco(イギリス系の大手スーパー)が10ポンド使うと1枚クーポンがもらえて、30枚だかを集めるとエアリンガスのチケットが格安で手に入るという企画を立てた。私は血相を変えてクーポンを集めたのだが、その時のダブリン=デュッセルドルフの運賃は120ポンドだったと思う。ユーロに換算して152ユーロ。で、今回の運賃は税金を含んで89ユーロ。確かにこれは破格の安さだが、現状冬なら150ユーロ出せば、たいがいデュッセルドルフまで行ける。


で、B737の1席・1キロ当たりの燃料消費は0.045リットルだそうな(←SASの機内誌に書いてあった。厳密に言うと機材が違いますが、そういうマニアさんのツッコミはこの際放置させていただきます)。でデュッセルドルフまでよくは知らんがたぶん1000キロ程度。つまり私のために45リットルの燃料が消費される計算になる。それから機長およびスッチーさん、地上職員の人件費。んなもんを考え合わせると、28ユーロという運賃で「メシを出せ!」「酒をくれ!」と威張るのには無理がある。


かくしてブリティッシュミッドランドは機内食のサービスを止めてしまった。半面酒は飲み放題。考えてみたら、日本の国内線は機内食は出ず、かつ酒は有料とサービスのレベルは低い。すでに低コスト体勢は出来上がっていたのかな...とも思う。


で、くだんのエアリンガス。45分という「わずかな」遅れのあと、ヒコーキは順調に高度を上げ、機内サービスが始まる。まず配られたのはサンドイッチ


そして数分後に、お茶用の小さなマグとクリームが配られる。


実は私、乗る前からオチは知っていました。読者さんからの報告によると、エアリンガスは機内食を残す代わりに、アルコール類のサービスを止めてしまったそうな。「うーん、さすがはアイルランド」という考えが一瞬頭をもたげましたが。なんだかさもありなんという気がしません?サンドイッチを止めるより、ビールを止めた方がコストがかからない…アイリッシュならあり得ないとも言い切れない話です。


で、お局スッチーさん(私が言ったんじゃありません。そう名札に書いてあった)がお茶を配りに来た時に聞いてみた。


私:「のどがすんごく渇いてるんだけど、何か冷たい飲み物はないの?」
スッチーさん:「水かオレンジジュースならあるわ(=アルコールはない)」



ああ、読者さんの報告は本当だったんだ。


私:「うーん、ほら、水に似て透明なウォッカとかそういうのはないの?」(←私は英語でオヤジギャグの飛ばせる数少ない日本人…だと思う)
スッチーさん:「アルコールはサービスしてないのよ」
私:「ええ?
(←テレフォンショッピングのサクラ並みのわざとらしい驚き)いつもエアリンガスで飛んでるけど(←ウソ。スタアラで飛んでる)いつからアルコールのサービスやめちゃったの?」
スッチーさん:「これがいろいろごたごたがあって、数週間前までは機内食を止めて、ドリンクのみのサービスをしてたんだけど、いろいろごたごたがあって数週間前からは…おっと、こんなことをバラしたらクビになっちゃうわ



しっかりバラしとるやんけ!(それをここでばらす私も私だが)


で、お局このスッチーさん、数分後「はい。ご希望のウォッカ」と言いつつ、氷入りの水を私の席までわざわざ持ってきてくれた。


私はアイリッシュのこういうジョークのセンスが大好きです。


で、さらに数分後、私が水を飲み干したのを見計らって、お局スッチーさんは「はい、もう1杯」と言いつつ水を持ってきれくれた。


私はアイリッシュのこういうジョークが本当に大好きです。このお局スッチーさんもきっとこの仕事が大好きなんだろうなあと思う。こうやってにこにこしているとこっちまでシアワセな気分になってしまう。エアリンガスのスッチーさんがいい感じというのはきっとこのへんから来ているのだと思う。


話は前後しますが、このあと私は電車でハノーバーに向かいます。で、道中、ビュッフェに行き、ビールを買いました。ここのウェイトレスさん、バイツェンビールをそりゃもうプロとしか思えない慣れた手つき(←ってプロなんだけどさ)で注いでくれ、カンペキなビールを作ってくれました。私はいつもの調子で「うまいねえ」なんて言ったのですが、ウェイトレスさんは愛想笑いを浮かべるばかり。


この時にふっと気がついたこと。アイリッシュは見知らぬ人にも平気で話し掛ける。私はまったく気がついていなかったが、どうやら私も見知らぬ人に平気で話し掛けれるようになった。アイリッシュは表面上のつきあいのうまい人種なんだろうなあ。


とりあえずヒコーキの中に話を戻しまして。ヒコーキは結局定刻よりちょうど30分遅れでデュッセルドルフ着。駅までの移動時間に55分取れることになる。預託荷物のない私は余裕だと踏む。が、次の瞬間…


絶句。


パスポートコントロールに2人かいなくて、その前には最低でも50メートルはあろうかという行列。行列は蛇行して、枝わかれして、いったいどこが一番後ろなんだかよく分からない。ここを通過するのに30分はかかりそうな気配。


仮にここを通過するのに30分かかったとしてもまだ25分の余裕があるなあと思いつつ並ぶ。列は進まない。15分くらい待ったところで、別の窓口が開きそこに人が殺到。私はすばやく列のかなり前の方に陣取る。


で、いよいよ次ぎは私の番という段階に。時刻は午後8時30分。あと30分ある。で、パスポートをカバンから出し、準備万端になったところで、私は前の推定イギリス人乗客が信じられないことをいっているのを耳にする。


イギリス人乗客:「パスポート、どうもヒコーキの中に無くしたみたい。えへっ」


…いいから退け。ボケッ。


で、それで数分のロス。そしてついに私の番に。


審査官:「どこから来たの?」
私:「アイルランド」
審査官:「いつまでいるの?」
私:「日曜まで」
審査官:「何しに来たの?」
私:「友達に会いに」
審査官:「どこに行くの?」
私:「ハノーバー。電車乗り遅れそうなんだから早くしろよ。



どうやらこの入国審査官氏、私のパスポートがニセモノだと思ったらしいのだ。


私のパスポート、限りなくニセモノくさいのです。私の名誉のために言っておきますが、ニセモノくさいだけで決してニセモノじゃあありません。このニセモノ臭いパスポート、以前パスポートをなくした時に某在愛日本国大使間で再発行してもらった代物なのです。


まず、写真が皆さんのパスポートのように特殊印刷されたものではなく、直接貼り付けてます。サインも印刷でなく自分でボールペンで書き込みました(ホントだって)。さらに駄目押しは、パスポートの一番下にある機械で読み取るための番号欄、私のは


THIS JAPANESE PASSPORT IS NOT MACHINE READABLE


と書いてあります。かくして私のパスポート、他の人に比べ倍は大げさですが他の人よりもイミグレーション通過に時間がかかります。


で、この入国審査官氏、私のパスポートを文字通り逆さにしたり透かしてみたり。側面に不正の跡がないか調べたり。で、ひとこと。


審査官:「他に身分証明署ある?」


生まれて初めて聞かれました。この質問。パスポート以上に信用性のある身分証明書なんてこの世に存在しないような。


さて、私はこの問題をどう解決したか。次回に続く。


オフ会、いよいよ本日です。「詳細聞いてないよー」という方は1/28の日記をご覧ください。No showの方にはペナルティがあります(←ウソ)


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