なべて世はこともなし
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2002年09月12日(木) 計算機...あれこれ

アイルランド人女性の新人教育係を仰せつかった…というのは先先週くらいの日記でのお話でしたが、その後彼女もようやくひとりで仕事ができるようになってきました。が、たまに人知を超越した質問をしてきてあごが外れそうになります。


ある日。


「ねえ、Snigel。上海ってどこの国?」


まあこれくらいならいい。…というか、国名と首都は私の弱点でもあるのであまり偉そうなことを言うとあとで墓穴を掘るのが目に見えている。が、この発言はどうしたらいいでしょう。昨日のことですが、彼女が突如計算機を持ってきて


「ねえ、Snigel、450ユーロの20%引きって、どうやって計算すれば良いの」


…唖然。あんたそんなことも知らずにどうやって今まで仕事してきたの?


唖然としつつも平然を装い、


「それはね、450x0.8でいいんだよ」


と言うと、


「0.8ってどこから出てきたの?この%のマークを使って計算したいのよ!」


ここで私のばかさ加減が暴露されてしまうのだが、私はこの質問の前に凍りついてしまった。自慢にならないが%ボタンを使ったことがない。私は平静を装いつつ、


「450-20%だよ」


と言って実際にやってみると、…何のことはない、合っている。


ここまで書いていて思い出したのですが、過去の日記に単発的に書いていますが、私、その昔某大手家電量販店でお仕事をしていたことがあります。あそこで仕事をしていると、よく


「まけて」


というお客さんに出くわします。まあ人間の心理、少しでも安く買いたいと思うのは当然でして。で、値引き交渉をしたことのある人ならご存知でしょうが、そう言うと店員は困った顔をしつつ、かつ「いや、これでも頑張ってるんですよ」と言いつつ計算機をパチパチします。あの時、店員がどういう計算をしているかご存知ですか?他の人は知りませんが、私の場合単なるハッタリ(おい)。単に計算機で遊んでいるだけでした。…とまで言うと実際大げさですが、こんな感じです。例えば39800円の商品の場合。


39800x1.05x0.9=37611


(39800円の税込みの10%引き=37611円)をまず計算してそのあと


39800x1.05x0.85=35521


このあとは本当に計算機で遊んでました。たいがい検算してましたけどね。で、おもむろに、


「税込みで38000円でどうですか」


と言います。するとたいがいのお客さんは、


「ええ、ポイントカード使った方がいいじゃん」


と言います。その通りです。それがポイントカードのポイントカード足るゆえんです。家電量販店の多くがやっているあのポイントカード、今どの店がいくらの還元をしているか私は知りませんが、あのポイント値引き、その出所はここだけの話店ではないらしいです。実は、メーカーから「販売協賛金」とかいう名目で、半ばカツアゲのようにふんだくっている金らしいです。つまり店にとって痛くも痒くもない金。


メーカーは家電量販店の圧倒的な販売力の前にそういう金を出さざるを得ないらしいのです。…というわけで、10%のポイント還元と10%の値引きはお金の出所が違うのです。ほら、この一文を読んだだけで今日の日記を読んだ価値があろうというもの。


で、私のようなヒラ販売員に許された値引き幅なんて10%がいいところです。これ以上の値引きは責任者の承認がいります。ただ、仮に責任者の承認を得たとしても15%以上の値引きなんて商品にもよりますがまず考えられません。


というわけで、上の例だと37500円を砦にして交渉。それで決裂した場合は、上司に後で文句を言われるのを覚悟で最後の砦を35500円にしようと考えていたわけです。繰り返しますが、私が取り扱っていた商品で15%引きはまずまれのまれな事態です。


ただ、私の場合、値引き交渉はあまり好きではなかったので、ハナから支離滅裂な値引きを仕掛けてくるお客さんに対してははっきり「無理です」と言っていました。で、結構口がうまかったので、たいがい値引きなしで話をまとめていましたが。


「販売報奨金」の話はあくまで伝聞系です。さらに、現在どういう形態で家電量販店が商売をしているか私には一切分かりかねますのであしからず…と逃げを打っておきます。


最後に。明日からドイツに行ってきますので(またかよ)、次の更新は月曜日。メールのお返事大幅に遅れています。来週必ずお返事しますのでしばらくお待ちくださいませ。




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