なべて世はこともなし
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2001年09月26日(水) こんなにいい加減。空港での保安検査

本日2度目の更新。今日は、朝から忙しいのが分かっていたので、珍しく(仕事の速さを)飛ばしていったのだが、昼ごろ息切れして一気にやる気がなくなってしまった。こんなことなら朝からだらだらやっていても同じだった気が…。慣れないことをするものではないとつくづく思った。


今日二つの新聞記事を見て思うところがあった。一つはエジプトからロンドンに向かう飛行機でとあるアホな男が「空港の赤外線検査は万全か検査するため」ナイフをポケットに忍ばせて貴重に搭乗を拒否された話。もう一つは、こちらもアホな男が関空からソウルに向かう機内で知人の女性に「ハイジャックされた」「犯人はやはりアラブ人だ」などと電話をかけ騒ぎになり、男は韓国に入国を拒否されたという話。


いつも大きな事件になるたびに過剰な反応を示すのはもはや定番とも言える。そういえば地下鉄サリン事件の後で酔客が電車に宴会の余興に使った「これはリンです」と書いた酒ビンを置き忘れて、列車が運行中止になったとか言う話もあった。まあ、「安全第一」は基本なのだから、こういう過度の反応は逆説的に言えばそれだけ現場が緊張感を持ってやっている証拠で歓迎されるべきものなのかもしれない。


で、今回のテロに使われた凶器は報道によればナイフだったらしい。実はおいら、ひところナイフをいつもカバンに入れて持ち歩いていた頃があった。と言っても別に誰かを傷つけるつもりだったわけではもちろんなく、ただ単にナイフを持っていると何かと便利だったから。去年の夏にハンガリーで買った代物なのだが、折畳式で刃渡りは10センチ程度と決して大きくはないが、切れ味もよく、なかなか便利な代物だった。


で、実はこのナイフ、去年ドイツやイタリアなどあちこちを旅行する時に持って行った。しかも、「機内持込」で。はっきり言って保安検査で誰も気がつかないのだ。X線検査でも文句を言われたことはただの一度もない。べつにおいらは今日の日記の一番最初に出てきたアホな男のように「保安検査は大丈夫か」などと調べてみるつもりはなかった。ただ単に、いつも(あまり使わないものだから)カバンの中に入っているのを忘れてしまうのだ。で、後になって、「あれ、X線検査で何も言われなかったな」と気がつく始末。考えてみたら、ヨーロッパ内の保安検査もいい加減なのかもしれない。


さっき「ただの一度も文句を言われたことがない」といったのには実はちょっとウソがある。一度文句を言われた。とある空港で、おいらのカバンをX線検査に通した時、係員が、


「すいませんがもう一度カバンを通していいですか」


と聞く。で、もう一度通したところ、


「すいません。ちょっとこちらへ」


と隅の方に呼ばれてしまった。なぜか係員が寄ってたかってディスプレイに映ったおいらのカバンに見入っている。で、


「かばんの右ポケットに何をお持ちですか?」


と聞かれた。この時点で、「いてっ」と思うおいら。そう、ナイフが入っていたのだ。おいらは思い切り笑顔を作って、


「すいませーん。ナイフですぅ」(←大バカ)


で、ナイフを取り出し係員に見せると、


「これは大きなナイフですねえ。少々お待ちいただけますか」


と言われ、待つこと数十秒。やってきたのは…警官。そのあと、ナイフ所持の目的などを散々聞かれてしまい、挙げ句にそのナイフ「機長預けにする」とやらで取り上げられてしまった。


ちなみにこれがどこの空港か気になりますか。実は福岡空港での話。去年の秋だから、オタクが全日空機をハイジャックしたあとで確かに警備はややきびしめになっていたとはいえ、日本の警備は意外としっかりしていると感じざるを得なかった。「え?ヨーロッパの方が厳しいんじゃないの?」と言われる方へ。他はともかくダブリンの空港では、鍵束をポケットに入れ、コインが相当じゃらじゃらしていても文句を言われたことはない。テロ後の今は知らないが、少なくともおいらの知る限りではこの上なくいい加減。


上に書いていることとあからさまに矛盾するが、今回のテロ後、アメリカ以外で一番神経質になっているのは、おいらの知る限りではやはりアメリカ最大の同盟国イギリスだと思う。テロ発生直後、トニーブレア(首相)はロンドン上空の飛行差し止めをすぐさま宣言したし、直後の数週間は、乗り継ぎ客に荷物の再検査を要求した。


どういうことか分からないと言う方へ。例えばロンドンヒースロー空港やフランクフルト空港など、いわゆる「ハブ空港」と呼ばれる空港には、多くの乗り継ぎ客が利用する。で、乗り継ぎ客への利便を図るため、特に同じ航空会社やアライアンス利用の際には乗り継ぎの空港では荷物を受け取る必要なく、目的地で荷物を受け取ればいいと言うサービスが行われている。このサービスのおかげで乗り継ぎの所要時間が大幅に短縮されているのだが、反面、最初に乗った空港の保安検査が甘ければ、爆弾などを持ち込むことも可能になる。


その可能性を考慮してか、イギリスの空港では乗り継ぎ客も一度自分の荷物を受け取って新たに保安検査を受ける、という措置を取ることになったようだ。それゆえ、通常1時間程度で乗り換えられるところに(利用の空港やターミナルによってこの時間はまちまち)3時間ほどがかかることになった。


実は、評論家気取りでしたり顔でこんなことをほざくおいらのところにも余波がやってきた。突如、旅行代理店から電話がかかってきて、「来月の日本行きどうしますか?」と聞かれたのだ。実はおいらロンドンヒースロー・フランクフルト経由で日本に行くのだが、ロンドンヒースロー出の乗り継ぎ時間は1時間5分。


「ヒースローに離れてるから心配ないだろう」とタカをくくっていたのだが、そしたら今度のテロ。どうも旅行代理店でも情報が混乱しているらしく、とりあえず電話をかけてきたらしい。結局、「もう少し様子を見る」ということでまとまったのだが、いったいどうなることやら。




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