なべて世はこともなし
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2001年08月21日(火) トイレの衛生とオトコの尊厳

Mausi(おいらの彼女=毎度のことながら仮名)は、ドイツ人らしからぬ性格をしていて、何かをしてもどこかヌケているし、自己主張も強くない。「それがあなたのいいところ」なんて書くと、「ごちそうさまです」という冷たい反応が返ってくるから書かないけど、ま、そういうことなのだ(意味不明)。

ところが、彼女がおいらに一つだけ大きな自己主張をしたきたことがある。今日はそのお話です。

話は、ドイツ旅行中のこと。Munchen郊外(Markt-Indensdorf)の民宿に泊まった時にさかのぼる。おいらが、オシッコをしている時偶然彼女がバスルームに入って来たのだ(ドアに鍵はついていなかった)。で、彼女、そのときはおいらが用を足しているのを見て出ていったのだが、話はその後。

再び彼女がバスルームに入ってきて、おいらに言うのだ。

Mausi;「どうして、座ってしないの?」
おいら:「???」
Mausi:「衛生の為にも座ってしないとダメでしょ」
おいら:「衛生の為って…(話についていけてない)」
Mausi:「だって、立ってすると、飛び散るでしょ。(目線の高さにある歯ブラシを指差しながら)その歯ブラシにもかかるかもしれないし…」


つまり彼女は、おしっこをする時は便座に座れ、と言うのだ。で、この点だけは譲れないらしい。

待て待て待て。それには容易に納得できないぞ。

こんなところで、2週間遅れの反論をしても遅いのは十分分かっているのだが(しかも彼女は日本語読めない)あえてこの場を借りて言いたい。そんなこと、できるか!

オトコがオシッコをする時は立ってする。これは、古今東西未来永劫変わらない普遍の真理なのだ(…たぶん)。例えその便器がどんな形をしていようと立ってする。そこにオトコとしての尊厳があるのだ。オス犬は教えられもしないのに、おしっこをする時は片足を上げて立ってする。決してメス犬のようにふにゃっと座ってしたりはしない(いま、ふっとバカ犬Taroの顔が浮かんだが、あいつは男ではないので無視)。

つまり、立っておしっこをするのはオトコの摂理なのだ。そこを便器が汚れるとか飛び散るとか言う理由で座ってやれというのはオンナのエゴに過ぎないのだ!(←これは言い過ぎかな??)おいら、炊事も洗濯も喜んでやる。だけど、立っておしっこをする権利だけは放棄できないのだ!

とっても意味不明に熱くなってしまったが、でも、座ってするいおしっこほど虚しいものはないということに気がついた。彼女に言われて試してみたのだ。女性諸氏には分かっていただけないという不安に駆られるのだが、座ってするオシッコにはなんだか惨めな感じがした。極端な話、自分がオトコであることを放棄したような気がしたのだ。

反面、時代の趨勢は「除菌」「殺菌」「滅菌」。こんなふうにキレイキレイが進み、オトコが数千年来持っていた立っておしっこをする権利を失う時はそう遠くない気がする。

でも、「トイレに座ることだけは受入れられないから、君との関係はもう終わりだ」なんて言えないから、やっぱり受入れるしかないのかなあ。彼女も、この点だけは譲れないみたいだし…。はあ。…それでもひとつだけ言わせてくれ。

いくらなんでも歯ブラシにまでは飛び散らない…と思う。




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