物事をよく覚えていて、過去の話をネタにして笑う人がいます。 反対に物事を良く忘れて、「そういえばそんなこともあったね」と笑い飛ばす人がいます。 それは人のことだけではなく、自分のことも。
ここにSとRのふたりがいて、二人にとって互いに軽く腹立たしい事件が起こったとします。Sはそれを忘れてなかったことにしようとし、Rはそれを流して話のネタにとして使うことにします。
私は、いかなる場合もSの選んだ道を選びます。
そこで私は思いました。 「物事を記憶するのには長期的なエネルギーを必要とし、 一方物事を忘却するのには短期的なエネルギーが必要だ」 ―――と。 丁度そのとき、私は咄嗟の出来事に対して沸いた、幼い感情を処理するのに手いっぱいで、一生懸命「大したことではなかった、問題は何もない」とその出来事を否定し忘却することに必死だったのでそう思ったのでしょう。
けれどね、あとで冷静に考えてみました。 記憶してネタにするのも、忘却してなかったことにするのも、自分の感情をなんとかその場限りのものにして、あとに引きずらないようにしようという努力の結果なんだよなあ…と思った訳です。 エネルギーの消費がどうとか、長期的だとか短期的だとか……そういうことに本当に優劣はなくて、ただ選択が違うだけで目指す所は一緒な訳です。
忘却を選ぶ人は、記憶を選んだ人のネタ話が気に入らないだろうし、 記憶を選ぶ人は、忘却を選んだ人の無神経さにカチンとくるでしょう。
そんなことをつらつらと考えてみました。 記憶と忘却について。
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