*黎明ノォト*

2002年10月30日(水) 昔話。


ひとつ、個人的な昔の話を。


他人にとってはどうでもいいことだと思いますが。
実は、「中学受験」経験者です。
つまり、小学生の頃にそれの為の勉強をして、中学校入試を受けた経験があります。

私はその経験をかすかな自信と自慢(?)のひとつにしているくらいで、かなり感謝しています。あの経験にともなった感覚や、いろいろなものはきっとどこでも二度と味わえない。

私は勉強が嫌いではありません。
好きだ、と言い切ってつもりもありません。
そう言ってしまうには、人生楽しい事が山ほどありますから。けれどやはり、勉強は嫌いではありません。
「恵まれてるね」
なんて言う大人が過去にいましたが(この歳になるともう言われない)、べつに恵まれているとも思わない。
私にとっては始めの多感な時期に与えられたものが勉強であり、勉強するのが当然で苦ではないと位置付けられるまでに日常的なもののひとつとなっただけです。

それを恵まれている、と表現されても一向に構いませんが、
別に私は恵まれた事だとは思っていない、それだけです。

けれど一方で、私は勉強が好きです。
好きだ、と言い切れはしませんが、やはり好きです。
それは「勉強している自分」が好きだったりすることも含まれています。
その光景や、その雰囲気が好き。
図書館が好き、というのと似ているかも知れません。



私は当時、塾に行きたかった。
仲のいい友達が行っていたから、ただそれだけ。
それだけのことに金を出すのが嫌だからと、どうせなら受験を、と言い出したのが両親。私はそれに乗った。

急に塾に通い始めたから、もちろん同じ塾のクラスのメンバとは進度が全く違い、私の知識量は格段に少なかった。
とくに、算数。これだけはどうしようもなかった。
だから、私は始めの3ヶ月で前年度にメンバが既に習った1年分の内容を詰め込まれた。もちろん、新しく習う内容と平行して、だ。

私は泣いた。
解答方法を説明されても判らない自分、説明されたのにまだ解けない自分。
それが悔しくて泣いた。本気で泣いていた。
後にも先にも、自分が習得できないことに苛立って泣いたのはあの頃の幼い自分だけだ。

いまは、あきらめが、さきにたつ。

あの異様な真剣さ。
悔しい、というストレートな感情。
すごい勢いの吸収力。
知識欲。
誉められる事に対する純粋な喜び。
人と競争するということ。
勝つということ。負けるということ。
……良く言えば、切磋琢磨。

そういういろんな事が一気に体内に溜め込まれたのもこの時期だ。
だからこんなにねじれた性格になったのかもしれない、
けれど、それらがいかな与えられたものだとは言え、私はその時期にその経験をしたことを今更ながらに感謝している。

それは、私の生きる上での基本になってしまったから。

当時、与えられ学んだ事を感謝しないで恨むような人生を、送っていないこと。
そちらに感謝すべきかも知れない。


そう、今の私は当時の私があってここに居る。
そしてそれは不満ではない。
だから感謝している。

たぶん、それぞれに感謝する一瞬、反省する一瞬があるのだろうけれど……
結果はともあれ「中学受験」の勉強経験というのは結構、私にとっては意味のある時間だった、と思う。



ふ、っと。
懐かしいほどに中学受験用の算数の問題が解きたくなった時に思い出した事。
いまでもあの頃の問題たちにはわくわくしてしまう。


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那音 [MAIL]

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