| 2003年07月14日(月) |
那智の火祭>「大たいまつ」乱舞に1万人が歓声 和歌山 |
人工骨>チタンで開発、丈夫でよくなじむ 京大と神戸製鋼 イネ>遺伝子組み換えで背丈抑え風水害に強い品種 東大で開発 中国の印章>清朝第4代皇帝印、8600万円で落札 楽天>インフォシークとライコスを吸収合併 (毎日新聞社) 崩壊の危機にさらされる万里の長城 (Hotwired Japan)
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ぐずぐずしてた病院へ。予後良。しかし別件でひっかかる。むむむ。
猫病院に猫ごはんを買いにも行った。
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貯めていた読書メモ。
アーシュラ・K・ル・グィン「世界の合言葉は森」2003-074 ハヤカワSF文庫(1990年5月)
やりきれないシリアスさで非常に社会主義的で、初期の作品だからかエンターテインというよりは思想小説のような感じの読後感が何とも。 一緒に入っている「アオサギの眼」もそうだけど主役殺すなーっ!と思ってしまった。 しかしこれを読む*必要*はあったと思う。ル・グィンが好きと言うのなら>私。
世界の合言葉は森 (森の星ニュータヒチの原住民と植民のぶつかり合い。起きたまま夢を見る原住民の設定にアボリジニを連想した。) アオサギの眼 (辺境の植民惑星の二つの集団、シティーとシャンティー・タウン。第一次産業従事者と搾取、社会主義と民主主義。)
ロジャー・ゼラズニィ「キャメロット最後の守護者」(2003-075) ハヤカワSF文庫(1984年4月)
短篇集。それぞれに作者によるまえがきがついている。
受難劇 (ゼラズニィのデビュー作。たぶん表題は教会でやる劇のことだろう。ル・マンの聖地にて主役を演じるフェラーリ・アナログ。) 騎士が来た! (嵐雲が一団の騎士のようになったのを見て思いついた話らしい。たぶん黙示録が題材。こうしてみると初期からゼラズニィは神話SFが好きだったんだな。) 吸血機伝説 (これに出てくる最後の吸血鬼が素晴らしくて泣ける。) おそろしい美 (真の悲劇の偉大なカタルシス、恐怖と同情。たぶんアドラステアには一生分からない。) 復讐の女神 (善人が自分が正しいと考えた理由のためにひどい悪事を行う場合、ヒーローと悪役にはどんな違いがあるのか。復讐の女神に比される三人組のキャラクターも中々よ。) 心はつめたい墓場 (パーティー・セットのスリーパーたち。目覚めては追いかける未来。) いまこそ力は来たりて (超能力者が力を取り戻す話、空虚で満たされて。) 異端車 (闘車。花形メカドール。) フロストとベータ (趣味は人間。仕事は北半球の管理。) 生と死の浜辺 (ボルグと呼ばれた生物。安楽死コロニーの浜辺。赤い服の少女。) 血と塵のゲーム (チェスと世界史に強いと面白いかと。) 賞はない (わたしにはここが射撃場にみえる。) ここにも悪魔を愛するものが (スナッフ映画をみる医学生と男。) キャメロット最後の守護者 (ちょっと長い。アーサー王伝説をモチーフに。) そのままでいて、ルビー・ストーン (ある星のちょっと変わった結婚の儀式。) ハーフジャック (陽気な風来坊なサイボーグ・パイロット。)
マイク・レズニック「アイヴォリー」(2003-076) ハヤカワSF文庫(1992年2月)
長さ3m以上あるキリマンジャロ・エレファントの牙。その6千年の流転とそれを捜す最後のマサイ族マンダカ、調査局のロハスの交流。そんな無茶な話だけど面白く読んでしまったよ。しかしどんな象だったんだろうな。
マイク・レズニック「パラダイス」(2003-077) ハヤカワSF文庫(1993年3月)
パラダイスと呼ばれた星の年代記。しかしこれはケニヤの歴史を下敷きにしたSFらしい。これ「世界の合言葉は森」とぶつけるというのが何とも嫌な感じで楽しく読み終えた。 原住民側と植民側の両方から開発について語らせると、どうしても視差が埋められない。レズニックがSFとして書いたおかげで、興味も知識もなかった ケニアの歴史についてお勉強できた。騒乱時の拷問の話がノンフィクションでない事を期待しつつ。
でも、やっぱり、未開の地をパラダイスだと思ってしまう、のは、現代人あるいは先進国人の思いあがりなんだろうか。
と悩みつつ図書館で「キリンヤガ」も再読。もんもんもん。
久間十義「オニビシ」(2003-078) 講談社(2000年6月)
オニビシという犬使いのアイヌの逸話を散りばめた、北海道富産別の様々な時代の様々な人のお話。
シロカニ月の季節に(美沙子フチの手かざし、オニビシに会った「私」) 心臓が二つある河(女の魂とともに泳ぎわたる川) トミサンベツ夜想曲(キワラのオババの話と大麻とケシ) 北のエルドラド(埋蔵金、寛永のクルス) 姉弟(幸子と秀一、達男) 富産別源氏(馬喰のじーちゃんの昔話)
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