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2007年10月17日(水) 誰かの手

その日はお日様の下で体を動かすお仕事の日でしてね。
体がすごい勢いで疲れておりました。
疲れているならとっとと寝ればいいものを、またワタシらしくだーらだーらと仕事をして、眠い眠いと思いながらもマゾヒスティックに起き続け、ベッドに入ったのはやっぱり遅い時間になりまして。

やっとおふとんに入れたのに、なんだか寝付けない。
変に仕事しちゃったもんですから、頭が冴えちゃったんですね。
寝付けないときの常として、何度も寝返りを打ったり、枕の高さを調整してみたり、うつぶせになったり仰向けになってみたり。

「眠れないって思ってると余計に眠れなくなっちゃうから、眠れなくてもいいやと思うことにしようっと」
と思い直し、仰向けの姿勢で軽く目を閉じまして。
あー、でも目を閉じてるより開いてるほうがかえって眠くなるかもー、なんて思ったりもして、ぼけーっと目を開けつつ、天井を見ておりましたら。

金縛り到来。

金縛りって、体が疲れてるときに頭より先に体が寝ちゃう状態だろうって私は思っているので、霊的に怖いとかは全然ないんですが。
軽い金縛りなら「足が攣ったようなもんだ。通り過ぎるまで待つかー」と大人しくしていられるんですが、
たまに、ものすごく苦しいのがあるんですよね。
苦しいときの金縛りって、手先足先から絞られるようにぎゅううううううって痛みを伴って動かなくなるんですよ。
それが体の端からだんだん中心に広がってくるわけです。
頭部がぎゅううううううってなるのもつらいんですが(息もできなくなりますし)、この締め付けられる感じが心臓に達したら、もしかして私死んじゃうんじゃないの?!という恐怖に襲われて、軽くパニくります。
「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせつつ「ぐうううううく、くるしいいいいいいい、いたいいいいいいい」と思いつつの苦痛の時間なんですが、今のところ心臓に達する前におさまってるのでこのようにアホらしい日記を書くじょりぃが存在しております。

で、この日の金縛りは、つらく苦しく痛いほうの金縛りだったもんですから、金縛りから解放されたあとも怖くてですね。
きょんの部屋に行っちゃおうかなとも思ったんですが、申し訳ないのでやめまして。
また金縛られるのはゴメンだーーー、と怯えたワタシは、じっとしてると金縛っちゃう!と思い、ベッドの中で落ち着きなく体勢を変え続けましてね。
とにかく寝たいですし。
寝返りの嵐。

なーんてやっているうちに、いつの間にか眠ってしまったじょりぃ。

が。

まだ暗いうちに目がさめてしまいましてね。

うーーーん、むぐむぐ・・・また寝よう・・・ん? 顔に何か当たってる・・・なんだろう・・・

と、顔に当たっているものを軽く持ち上げて、なんだろーと見てみましたら。


手でした。 でも ワタシのではないです。

目の前に、顔のすぐ前に、誰かの手が。


幻とか見間違えでなくて、はっきりと人の手で、そして重い。

思わず「うわわ!」と、その手を離しましたら、ぼすっと枕に落ちました。
少ししか持ち上げなかったんですが、そのリアルな重量感といったら。
ここで一気に目が覚めるワタシ。
うわわわわわわーーー!と体を起こそうとしましたら。

起きあがれない。
いや、正確には、起きようとするのに体が持ちあがらないんです。
しかし何かおかしな体勢になりつつ、半身になって起きあがって枕を見ましたら。

やはりそれは、幻とか気のせいでなく、ちゃんと枕の上に乗っていたんです。


ええ。痺れてまったくの無感覚になったワタシの左手が、妙な角度で。



寝返り打ちまくっているうちに眠ってしまったワタシは、自分の左腕を折り曲げて押しつぶすような姿勢で熟睡してしまったらしく。
左手は痺れきってしまい、感覚がまったくない上に、ぴくりとも動かせない麻痺状態になっていたんですね。
なので、右手で持ち上げてみたときにも自分の手だとはまったく気づきませんでしたし、体を起こせなかったのも左手が全然使えなかったせいだったのでありました。

わかってみればなんてことないですよあははははははは( ^ ∀ ^ )
同じ経験のある方なら、途中からもうオチも読めてしまったんじゃないかという、そんなささやかでメルヘンチックなできごと。

少しの間「おお、ワタシの手なのにワタシの手ではない!」なんて思いながら左手を持ち上げては落とし、なんてきゃはきゃはといじっていたのですが、そのうち

「こ、これって大変なことなのでは。壊死とかさ!元に戻らなかったらどうしよう!」

と怯え出すじょりぃ23歳年齢詐称。
何しろワタシの体重が乗っかっていたんです。
なんてかわいそうなワタシの左腕。
どれくらいの時間乗っていたんだろう。
血液とかちゃんと巡っていたんだろうか。


まあ、その数分後には

「うぎゃああああああああああぐぬうううううううう」

と、ひとりで大悶絶するほどの痺れが襲ってきて、生き物って頑丈ね☆ということを思い知るわけですが。
その後も何度か、自分の腕を我が体重で押しつぶして麻痺→痺れに悶絶という経験をするのですが、あの痺れってすごーーーくつらくないですか。
絞られてるというか痛すぎるというかオシッコちびっちゃいそうというか。

あと、押しつぶして寝てる体勢によっては、腕が麻痺してることに気づかないまま体勢を変えようとすると、自分の腕がどうなっているかわからないのであやうく

「それ、骨折れるよ」

という具合の無理な姿勢をとってしまうことがあって、これも怖いです。
ありえない角度に曲がる寸前だったりして。


心霊現象なんて全然怖くない。
怖いのは、自分の体重と寝相である、という、怖がりさんを勇気づけるお話でありました。


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