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2007年09月18日(火) 飼い主を捜せ!

ここのところたびたび日記にもマシマロにも登場していた、きょんが保護した迷い犬・ポケちゃんなんですが。

「えへ」

何しろ保護しなきゃ炎天下で死んでいたでしょうし、毛虫の海の中をかきわけてポケを保護したきょんの心意気も尊重し、黙って様子を見ていたじょりぃだったわけです。
「いざとなったら実家に引き取ってもらう。おとなしいし、飼いやすい子みたいだから」というきょんの言葉もワタシを安心させておりました。

が。

きょんはのんきな性格です。
おまけに、犬猫の世話という点に関しては、苦労をものともしません。
今うちで飼っている犬二頭と一緒に散歩させたりするわけにはいきませんので、運動の面倒からごはんの世話、犬用タオルケットの洗濯その他もろもろ、軽く倍は用事が増えているのですが、そういうのは黙々とこなしていて、この点はえらい。
しかしのんきなので、飼い主捜しについてはいっこうに腰が上がらず。
保護してすぐに、近くの動物病院に連絡を入れたり、近隣の保健所に知らせておいたりはしたのですが、それっきり。
もちろんそれらの手配をさせていただいた先方からは、何の音沙汰もなく。

ワタシは日中、ポケとずっと一緒にいなければならないというリスクがありますが、まあ別にたいした用事もないし、やっぱりのんきにしていたんですが。

ポケ、寝てるときと歩いているとき以外は、ずーーーーーっと吠えているんです。
まだまだ暑いですから、家の中に置いているんですが(老犬ですし)、吠え始めると4〜5時間ぶっ続けで吠えるのですわ。
根詰めて細かい仕事とか頭使わなきゃならない仕事してるときに、しかもさらに頭痛がひどいときなんかにこれやられると、弱虫じょりぃには耐えられないものがありましてね。

で、先日、うがああああああああああ!!!!とキレまくり、仕事中のきょんに電話。
しかもきょんは仕事中は携帯をマナーモードにしていて出ませんから、きょんの勤め先の動物病院に電話。
非常識ですワタシ。
でも頭が狂っていたので、まあしょうがないですね(´∀`)

運良く院長が出かけていたので、心おきなくきょんを罵倒。責め立て。
頭痛いよ!うるさいよ!仕事にならないよ!なんとかしてよ!と。

きょん「ごめーーーん。どうしようねえ・・・(´∀`)」

発狂じょりぃに慣れているので、穏やかに受け答えするきょん。
まあ、病院にまで電話してガンガン言うほどワタシがグロッキーになってるんだろうなーと、気を使ってくれたというのもあると思いますが。
ここ数日、ワタシったらホントに憔悴しちゃってたんですよ、見るからに。

のんきかつ素直に謝られてしまったので、我に返るじょりぃ。
きょんに言ってもしかたないんですよねえ。
でも、飼い主捜しはちゃんとしてもらわないと困るよ!とお伝えし。

そんな発狂事件があったのが数日前。
きょんもボチボチと重い腰を上げて、地元のタウン紙(新聞折込されるものです)の情報欄に載せてもらおうと、ふたりしてあれこれ調べていたのですが。

確か、以前はタダで載せてくれていたこの手の情報。
いつのまにか有料になってました。しかも高い。
1行12文字×5行+2文字の電報みたいな文章に、写真を1枚載せて6000円ですよ!
もう今まででポケにいくら使ったかわかんない!
なんか腹立つ!

これが載るのが22日。当分先です(´д`)
地元のタウン紙なんて見ない人もいますしねえ。

というわけで、「絶対ワタシは何もするもんか」と思っていたんですが、こんなもん作って、家の前に掲示。
A3サイズの良い紙使って、パウチまでしちゃいましたよ。



我が家は団地の外周沿いにあるので、団地内を犬の散歩などで歩く人はたいてい我が家の前を通るんです。
ご近所ネットワーク&犬好きネットワークをあてにしてみたわけです。
さらに、郵便屋さんとか宅配業者さんとかが見て、もしかしたら心覚えがあったりするかもしれませんし。

ということで、これを風にひらひらさせながら家の前に掲げ(みっともないけど)、何事も起こらないまま数日が経ち。
やっぱダメかなあ。

で、今日。
午前中ちょろっと買い物に出かけ、帰ってきたら玄関にメモが挟んであるのを発見。
なんだろー、区費はこないだちゃんと払ったしなーなんて思いながらメモを開きましたら。

おもての貼り紙を見て来ました。
犬の飼い主さんだと思われるお宅を知っています。
私はタナカ
(仮名)と申します。
(携帯番号)です。



おおおおおお!


ついに朗報が!
すぐさまタナカさんに電話をしようと意気込んだじょりぃだったんですが。

ちょっと待て。

どうしよう。何か、詐欺とかだったら。
困ってそうな感じにつけこんで、鍋とか羽毛布団とか売られちゃったらどうしよう。
日頃ワタシの愛らしい姿にハァハァしているご近所の変態な人の罠だったらどうしよう。<ずうずうしいことにマジで考えました(・∀・*)エヘ

と、ちょっと待ってみて、メモの書いてあるチラシの裏を眺めまして。
チラシの表も見てみることにしました。
折込の広告チラシとかでなく、コピー用紙にリソグラフか何かで印刷されているような感じだったので、この人の手元にあったのであろうチラシの内容から、何かこの人の人となりというか情報がつかめるかなーなんて思いまして。

見てみましたら。

図書館だより 第5号

8月のお知らせとかで、全校登校日に図書館を開きます。とか、青春の一冊、なんてタイトルで夏目漱石の「こころ」が紹介されていたり。

こりゃ、ハァハァ路線はなさそうですし、何か健全ですし、たぶん小学生のお子さんがいらっしゃるお母さんかな?と思いまして。
しかもよくよくメモを読んでみれば、字はあまり上手ではありませんが(失礼)、簡潔かつ丁寧にタナカさんのおっしゃりたいこととこちらが知りたいことを伝えてくださっています。
じょりぃ、安心して電話してみました。

ぷるるるる ぷるるるる ぷるるるる ぷ ただいまでんわにでられません

留守電 orz

一応、メモを拝見した旨と、メモをくださったお礼を留守電に残しまして。
その後、もう一度お昼過ぎにかけてみましたが、また留守電。
お仕事なさってる方かもしれませんから、5時過ぎにまた電話をしてみようそうしよう。

仕事をしておりましたら、3時頃に貼り紙の前で立ち止まっている女性ふたりを発見!
も、もしかして、タナカさんが連絡入れてくれて、飼い主さんが訪れてくれたのかな!
じょりぃ、仕事の手を止め、だだだだだだっと玄関へ向かいまして。
奥さん!ここに!あなたのかわいいワンちゃんがいるんですよ!
保護したときより、元気になって毛なみも良くなってますよ!

とお伝えしようとにこにこと庭に出てみましたら、女性たちはもうとことこと先の方へ歩いていっていました。
ひとりはベビーカーを押しながら。

なんだ。
ただの散歩か( ´_ゝ`)
でもやっぱり、貼り紙しておくとみんな見てくれるんだなあ。
体裁悪くてイヤだったけど(ワタシの携帯番号さらしてるし)、やってよかったかも。うん。

そして5時になりまして。
そろそろ電話してみようかな。でももうちょっと待ってみたほうがいいのかな。
お母さんて、夕方は忙しいのかな。でも夜になっちゃったら失礼だしな。
なんて思っておりましたら、家の前にクロネコの軽バンが停まりまして。

まーたきょんが、肌がキレイになるとかなあやしい薬を買ったのかしら、なんて思いつつ見守っておりましたら、ピンポーンと呼び鈴が鳴りまして。
はいはいと出てみましたらクロネコの制服を着た、小柄な女性が。

「あの、メモをさしておいた、タナカなんですが」


タナカさん! ワタシの女神!

「はいはい!どうもありがとうございました!」
「私、メール便を届ける仕事してるんですけどね?
 最近、このワンちゃんがお庭を歩いてるの見かけて、もしかしてーと思っていたんです。
 そしたら今日、貼り紙を見たもので・・・」
「そうでしたか!」<満面の笑みなじょりぃ

で、ここからはタナカさんの話なんですが。
タナカさんのエリアで、ポケに似たワンちゃんを飼っている家があって、推定ポケを見ては「かわいいなー」と思っていたので、印象に残っていたらしく。
そして最近になって我が家の庭をとてとてと歩いているポケを見て「あれ?」と思い。
そういえば、いつもの家で推定ポケを見ていないなー、と思い、メモをさしておいてくださったそうです。

「たぶん間違いないと思うんですけど・・・でも、あの・・・」とタナカさん。
「はい」
「飼ってるの、おじいさんなんですよ」

ポケの様子から見て、たぶん最近の犬の飼い方に疎いお年寄りだろうなあ、とは思っていたので、情報の信憑性が増してうれしいじょりぃ。

「はい」
「で、あの・・・ごはんとか、ちゃんともらえてるのかなこの子って、いつも心配してたんですよね・・・」

むむ。
きょんに聞かせたくないような情報が!

「はあ」
「できればこのまま、こちらで飼ってもらったほうが、なんて思って、実はメモさすの悩んだんです」

悩まないで!

「あはは。でも、おじいさん、すごくかわいがってて心配してらっしゃるかもしれないですしね」とじょりぃ。
「うーーん・・・まあでも一応、場所を説明しますね。地図見た方が早いかな?」

と言って、自分の商売道具のゼンリンの地図(のコピーファイル)を広げてくださいまして。
なるほど。
この家の位置だったら、ポケが発見されたところから考えてもつじつまが合います。
地図を見ながら、タナカさん、丁寧に説明してくれましてね。
さらに「コピー、何枚かあるので、これ差し上げますね」と。
なんてやさしい人なんだ。

「重ね重ねありがとうございます」にこにこにこにこなじょりぃ。
「でも、こちらで飼ってもらったほうがいいなーなんて、私は思っちゃうんですけど(笑)」
「あはははははははははははははは(乾」

めっそうもないこと言わないでくださいタナカさん。
しかも二度も。言霊パワーが怖い。

何度もお礼を申し上げ、タナカさんの車を見送りまして。
明日はきょんが休みだから、一緒にそのおじいさんの家にポケを連れていってあげようっと。
もしかしたら
「何の話じゃ。呪うぞ」
とか、まあ家違いかもしれませんが、あるいは「かわいいポケ、ポケはどこじゃー」なんておじいさんが涙にくれているかもしれませんからね。


・・・・といういきさつを、先ほど仕事から帰ってきたきょんに報告しましてね。
とりあえずまずは、「こちらで飼ってもらったほうが・・・」なくだりは省略して(・∀・)
地図を見ましたらきょん、すぐにわかりまして。なにやらたまに犬の散歩で通るらしく。

「ああ、この家かー。そういえば犬がいたよ。
 ・・・でもシェルティだったかなあ? 二頭飼っているんだろうか」
「まあそれも、明日行ってみればわかるよ!」にこにこにこ。
「・・・でもこの家か・・・なんか・・・心配・・・(´・ω・`)」

げげげ。
そんな、タナカさんもきょんも両者が心配するような心配な家なんだろうか。
じーちゃん、しっかりしてくれ!

「そ、そうなの?」おどおどとワタシ。
「ポケを返したくないような家だったらどうしよう・・・」
「うむ。実はタナカさんもこれこれこういう風に言っていた」白状するじょりぃ。
「・・・じゃあ、うちで飼っちゃう?」おずおず。
「ダメだよそんなの。ポケの家だったらやっぱり返してあげないと」
「だって・・・」
「かわいがりかたは人それぞれだよ。ましてこんな田舎の(特に田舎な場所でした)おじいさんだと、
 昨今の飼育事情なんて知らないだろうしさ。ポケが心の支えかもしれないじゃないか」
「・・・・じゃあそうじゃなくてダメじーさんだったら、このままうちで飼ってもいい?」

「ダメ( ^ ∀ ^ )」


じょりぃ冷たーいって思われるかもしれませんが。
きょん、動物のことに関しては、小学生なみにキリがないんですよ。
どこかで線を引かないといけません。
それに、ちゃんと飼い主さんいるんですし。(まだビンゴかどうかわからないんですが!)

しかし、きょん、すっかり元気がなくなっちゃいましてね。
ポケと離れるのがさびしいのと、心配なのとで、なんだかうるうるしています。
「まあとにかく、明日行くだけ行ってみようよ、ね? 飼い主さん、心配してるかもしれないんだしさ」とワタシ。
きょん、力無く「うん」と言って、犬の世話を始めまして。

しょんぼーーーりしております。
困ったなあ。
きょんの気持ちもわからないではないですが。

でも。
ポケがこんなに誰からも「かわいい」と言われ、かわいがられるということは、もともとの性格もあると思いますが、やっぱりちゃんとかわいがられていたからなのではないかなー、なんて、自分に都合良く考えるじょりぃなんですよ。
それに老犬ですし、自分がいたところに戻ったほうが落ち着くんじゃないかなーとか。
我が家にいても、一日の大半はケージの中でワンワン吠えてますし(該当の家だとすると、敷地内で放し飼いにされていたらしい)(だから逃げちゃったんでしょうけど)、我が家にいるからしあわせって、そりゃあちょっと傲慢かなとも思ったりするわけです。

でもしょんぼりして心配してるきょんもかわいそう。

「まだ、そこんちだってわかったわけじゃないしさ」とワタシ。
「・・・うん」
「もしそこんちだったとしたらさ、まあ会ってみないと人となりはわからないけど、
 せっかくのご縁だし、『犬のことで困ったこととか気になったことがあったらいつでも連絡ください』
 って仲良くなっておくのもいいんじゃない?
 医療費をうちで持つくらいならワタシも全然かまわないし」 貧乏だけど(´д`)
「そうか」 ちょっと元気になるきょん。
「うん。『たまに顔見に寄ってもいいですか?』とかさ。
 うちで飼うという限られた選択でなくても、ポケと関わっていくことは可能なんじゃないかと思うよ」
「偏屈じじいだったらどうしよう」
「そしたらそのときまた考えよう。
 一人暮らしのさびしいじーさんだったら、ワタシたちが様子見に行くのは地域コミュニティにも役に立てるしさ」

死んだときに発見できたりさ(・∀・)

「そうだね。とりあえず、明日行ってみてからだね」
「うん。ごはんもらえてなさそうってのが心配だったら、ポケ返すときに餌もたっぷり置いてきちゃおう」
「それも失礼かなー(笑)
 でも、ポケの分として買っちゃったからーって言って、置いてくれば大丈夫かな?」
「うん」


というわけで。

明日、どうなることやらという感じなんですが。
しかもワタシったらそんなことしてる場合じゃないくらい忙しいんですが。
とりあえず、きょんとふたりでそのおじーーーさんのところへポケを連れていってみます。
メガハッピーな結果になることを祈ってくださるとうれしいじょりぃであります。


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