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2011年04月20日(水) Family Record」release tour @中野サンプラザ

セットリスト
東京
アメリカ
ベルリン
レテビーチ
新市街
泥の中の生活
火曜日
ストックホルム
マルタ
どこでもないところ
リマ
犬猫芝居
月曜日
天使の胃袋
はじまりの国
旧市街
JFK空港

新曲
She hate December
スルツェイ

ヨーロッパ


本当は3月24日に行われる筈のライブだった。
震災のため延期に。
私は地震後初めて、電車に乗って、東京へ行って、ライブを見ました。

席は前から11列目、カミテ寄り。とても見やすい席だった。
定刻を少し過ぎて、それまで流れていた音楽が効果音のようなものに変わると、
お客さんたちは何か気付いたみたいで徐々に黙って行った。
照明は開演前と変わらず、舞台の緞帳も降りたままで、流れる朗読。

天から落ちて来た雨粒の最初の一滴が甲板に落とされると、瞬く間に嵐になった。
私の乗った船は波に揉まれて今にもばらばらになりそうだ。
荒れ狂う海で大きな黒人の男がサキソフォンを吹き鳴らしている、輝く光の筋を伴って。
私たちは船が沈まぬように、積み荷を次々と海へ放り出した。
私たちはとても楽観的である。
少しだけ最初のことを思う。発端のことを思う。
この嵐が終わるのとこの船が沈むのと、どちらが先だろう。
その二つにはたぶん、大きな違いは無い。
私たちは、とても楽観的である。
ふと、あたりが真っ白になり静寂が訪れる。
私は次の世界への扉を開けた。

言い回しはたぶん全く違うけど、こんな感じでした。
2月の宇都宮で聞いた時から、すぐに映像が浮かぶような、希望が伴うような、
そんな感じがしていた。

朗読が終わると、緞帳は降りたままメンバーが出てくるのがシルエットで分かって、
一曲目、東京。
お客さんはほとんど立たない。
最初は、立っていくお客さんを見ていようと思ったんだけど、
余りにみんな座っているので、幕が開いたらメンバーびっくりじゃないかと思い率先して立ちました。
幕が開く頃(東京の途中)には殆どのお客さんが立ってた。ほ。

アメリカ
びっくりしちゃって余り覚えていない。
最初の方っていつもそう。

ベルリン
CDには無いイントロが追加されていた。
そこからベースのイントロに入る時に、
波多野さんが福井さんをびしっと指差したのがシルエットで見えた。
格好良い。

数曲終わったところでMC
チューニングしながら
波「ハロー?」「ごきげんいかが?」
何だか気取ったような良い方で、笑ってしまう。
後ろの人が笑いながら「なんなんだよww」て言ってて面白かった。
そのあと少し間が開いて
「今日は来てくれてほんとうにありがとう!」と、きっぱりと大きな声で。
それを聞いてすごく嬉しくなった。

レテビーチは大吾マンがロートタムを使ってた?
この曲と、続く新市街は、メロディとアレンジが楽しくて、
歌詞とか余り考えずに音楽に乗れちゃう。楽しい。
でも新市街の「震える大地の巨大な秘密」ってところ、すごく力強く歌ってた。

泥の中の生活
ライブで聴くの2度目だっけ、3度目?
波多野さんが動く動く。
照明がきれい。轟音で真っ赤になって、メンバーがシルエットになるの。
今回のライブは照明がすごく印象的だった。きれい。

火曜日のアウトロの轟音から、ストックホルムのイントロへ。
ストックホルムも大好き、すごく楽しい。
もっと広いところにいたらくるくる回ってダンスしちゃいそう。

マルタの曲紹介は福井さんが。

どこでもないところは、ドラムを見ちゃう。
最初の方とかハイハット?ばっかり叩いているんだけど、
リズムパターンがどんどん変わって、
かろやかで、聞いていてすごく面白い。気持ちがいい。
犬猫もドラムを見ちゃう。

旧市街は、いつもライブの序盤でやるイメージだったので、終わりの方に持ってくるのは新鮮だった。
「さあ角砂糖を献上せよ」のあたりはピンクのスポットライト、だっけ。

旧市街のアウトロからぱちっと切り替わったJFK空港
長い長い一曲。
すごくどっしり心に来た。
後半のポエトリーから、最後の歌声まで、引き込まれて、視界が狭まって、
ステージがぐんと近く見えて、自分が目と耳だけになったような感覚。
今回のライブを見る前に、私が怖かったのは、
自分が曲の歌詞を地震と結びつけて考えてしまうことだった。
イメージを膨らませるような歌詞が沢山あったから。
でも殆ど心配なかった。素直に音楽を楽しめた。
でもこの曲の最後の部分だけは色んな感情がわいて来て、
それはなんだろ、きっぱりと言葉にできるようなものではないけど、
今回の地震がなかったら起こらなかっただろう感情だと思う。
何だかこみ上げるものがあって、泣きそうになってしまった。
最後のハミングは美しくて、長くて。賛美歌みたいだった。

どこでだったかな、波多野さんが話していたこと。
人ってそれぞれ自分の「いい」「悪い」を決めて、選択して生きているでしょ、
それはそれぞれ瞬間瞬間で選ぶよね、
でも今回のことで、それが全く壊れてしまった。
どうしたらいいのか、何をしたらいいのか、分からなくなってしまった。
でもそれってさ、今度はトライアンドエラーしかないんだよね。
試してみて、だめだったら次、まただめだったら次って言う風に。
それって、楽しいこともあるよね。
これから良くなることもいっぱいあると思う。

去年の10月にファミリーレコードというCDを作って、
そのCDは僕らにとってとても意味のある、重要なもので、
ほんとうは、ツアーをサッと終わらせたかった、
終わらせて、早く次の段階に行きたかった。
でもこんなことになって。

あーあ、あんまり思い出せない。
すごく言葉を選んでいた。時々考え込んだり。
もっと、心に響くことを言っていたんだよ。

スタッフ、ツアーチームの紹介。
メンバーへの感謝。
記念撮影
最後に握手



個人的に。
一生懸命に音楽を作り演奏し、
私たちに真摯に向き合ってくれるバンドを見て、とても力を貰った気がする。
私も頑張らなくていはいけないな。
必死になろう、もっと。よい意味で。

ライブで会う女の子たちと9人くらいで見て、
同じものを好きで、少なからず同じ気持ちを共有できていると感じた。
それがすごく嬉しい。
こういう輪の中に入れてよかった。
遠いけど、とても近い人たち。
あったかい気持ちになれた。

今日のことは、きっとずっと忘れないと思う。

トモエ |mailfotolifetwitter