つぶやき連絡帳

田中 くうき。の伝言板。

2020年12月08日(火) 夕食は抜きで御座います。


まあ、蝶よ花よと育てられたテルミさんが、粗末なおかずで後は米だけなんていう生活に耐えられないのはわかっていたけれど(ちなみに田中は成人してから絶食生活を何回か過ごしたので、今みたいな生活はまだ米があるからマシだと思っていたのだが。)

「チロルが食べたい!ミニスニッカーズでもいい!
 こんな生活耐えられない!」と叫んだので、
 
先程、行きつけの歯医者でイケメン先生に、

「甘いモノを食べてから歯みがきしないで寝るぅ!?
 娘さん見習ったら?」(田中は先生にパーフェクト!と言われる。)

…と言われたばかりなのに、テルミさんは
都合のいいことだけしか頭に残さないパー子なので、
太りに太って体形的にそろそろ人間の姿じゃねーな。
ありゃあトドだなと、一応、血縁的に娘の田中に思われているとも知らず、
甘いモノが欲しい!無いと死ぬ!と、助手席でブツブツ言うので、
鬱陶しいやっちゃな〜と思いながら黙っていると、
テルミさんが田中の顔を見てニヤリと笑ったのが視界の左端に。

「くうきちゃん(はあと)」「はい?」「PayPay持ってるよね」

「あれは昨日、テルミさんが朝のパンが無いっていうから使いました。」

「でもいくらか残ってるでしょ!?」「運転中なので家に帰ってから。」

「ケチ〜!」「はいはい、私はケチですよ。」「可愛くない!」

「あなたの娘ですよ。」「チッ(舌打ち)」まあ、この舌打ちが出ると

私が不憫なくらい嫌な目に遭わされるので、仕方なく、

丁度赤信号で素早くお尻のポケットからスマホを抜いた。

不機嫌になるととことん嫌がらせに遭うので、従わずにおれないのだ。

PayPayを開くと「38円」の文字。

「あと16円じゃないの。何とかならないの?」

「そんなこと言われても財布もチャリンコしかないよ。」

「本当に!?もしかしたら50円玉でも持ってない!?」

テルミさんが私のカバンを後部座席から取り、財布を…という時に、

自分でもオソロシイ、バスの効いた声が出た。

「テルミさん…財布、通帳、パソコンは開くの御法度って言ったよね?」

テルミさんは財布をカバンにしまって後部座席に戻した。
私の怒気にあてられたらしく、「なんか今日暑いね!」
「寒くして差し上げましょうか?」「いえ、イイです…。」
普通の会話(?)をしながら、家に着く。



「どうしても私ひとりで行くの?」

「当たり前でショ!いい大人がふたりでコンビニ入って
 結局チロル二個しか買わないなんて情けなくてできないでしょうが!」

その恥ずかしい事を娘にひとりでやらせるその根性の方が恥ずかしいわ!
…と、思いつつ、行く先はいつも隔月15日になるとたくさんの払込用紙を持ってお世話になりに行く最寄りのセブンイレブンなので、「母が!母が!チロルを所望しているので!」と、吹聴してやろうw…と思いつついつものセブンイレブンに財布を携えて入っていった。

あ、いつも親切にしてくれる金髪ショートのお姉さん見っけ!
早速捕まえて事情を話す。「う〜ん、その方法でチロルふたつかぁ。」
「できませんか?できなくてもいいんですけど。」
「いやいや、折角来たんだから…ちょっとマニュアル調べて来るわ〜。」

程なくして、おねえちゃんが申し訳なさそうな顔をして戻ってくる。
「ごめんね、額が少額過ぎて機械がエラー起こしちゃうみたい。」
「そうですか、じゃあ、PayPayでチロル一個しか買えませんね。」
「ごめんね〜。」「いえいえ、元は母の我儘ですから…。」
トボトボと入り口へと向かう田中に、お姉ちゃんが追い付いてきて、言う。
「ねえ、田中さん、nanaco持ってるよね!?」
「え?」
「田中さんには悪いけど、よくATMも使うじゃん?こないだ田中さんの出したカードの隅にnanacoのロゴがチラッと見えたんだよね。試してみない?」
このお姉さんのおかげで時点は急展開を見せる。

「おおおおおおお〜!」

田中のカードのnanacoポイントをチェックするのでと言われて、お姉さんに、確かにnanacoのロゴがついたカードを託したところがこの反応。

「え、何か異常でも?」
「異常どころかねぇ!?」
「チロルが何個買えるか分からないよ!ほら!」
出力してもらったnanacoカードのポイント。

¥1034

工エエェェ(´д`)ェェエエ工

思わず店員さんと一緒に踊るところだった。
よし!テルミさんを脅かすぞ〜!

普通のチロル10個。
ミルククリーム入りチロル5個。
ホワイト&クッキーチロル5個。
ミニスニッカーズ5個。
ブラックチョコレートアイス2本。

会計で正確にいくらかワクワクしながら並んだ。

こんなに買っても¥896

テルミさんが喜ぶぞ〜!
それしか頭に無かった。
本当に、愚かにもそれしか頭に無かった。



「アンタは錬金術でもできるのか!?」

買い物袋から出したお菓子の小山を見て、お姉さんたちの親切さを話すも、テルミさんはそんなことには耳を貸さず、お菓子の山から突き出たアイス2本のうちの一本を私に差し出した。それと、ミニスニッカーズ2個と普通のチロル5個を渡した。
「報酬?」
「そんなとこ。」
私はそれらを受け取って、自室に。

今日はエホバの日だな。
母親の代わりに恥かきに行ったから、エホバが祝福してくれたんだ。
本当にそう思ってエホバに感謝した。



そろそろおさんどんの時間だけど、今日は何を作ろうかな。
「テルミさん、今日は何を食べ…」言いかけて、目をこすった。
あのお菓子の山は何処?

「テルミさん、もしかして…。」
「そのもしかでしょ?」
「折角苦労して買ってきたのに。」
「あ〜、そう思うならお菓子の管理は全部アンタがすることね。」

テルミさんは、私が何ケ月かけて貯めてきた1000円近くを、たったの2〜3時間で、食い尽くしてしまったのだ。嗚呼、あのコンビニのお姉さんとはしゃいだ記憶にモヤがかかる。「もっと買っても良いんだよ?」計算してもらいながらお菓子を選ぶのは楽しかったなぁ…今度お姉さんたちに会ったらなんて言おう?

「最初からワタシの性格を把握してなかったアンタが悪いのよ。」
なるほどね。
やっぱり声が低くなる。
テルミさんがちょっとだけ後ずさる。
私は避妊リングをすり抜けて生まれた子だもんね。
「え、やだ、何を言い出すの?」
本当は欲しくなかった子だもんね。
 本当は要らないモノだもん、どういう仕打ちしても平気だよね?

「くうきちゃん、ちょっと落ち着こう?」

「もう結構!!」

父がよく吐いていた母への呪い言葉を、今度は私が吐く。
歪むテルミさんの顔。
フォローも忘れて、自分とテルミさんの間にあったドアを思い切り閉めた。

「くうきちゃん、くうきちゃん?」
「うるさい!!」

今度、セブンイレブンに行ったら私はどんな顔をすればいいのか。

「くうきちゃん!ごはんは!?」」
「要らん!」




…こうして今に至る。

私の気持ちを分かってくれる人がこの世にエホバ以外に居るのかな。




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