昼食に誰かを待つ日は

2019年12月11日(水) 加湿器の底に溜まった白い毒

このところ日記をだいぶサボっていた。何か大きなことがあるときに書くものではなく、何もない些細な日常を連ねることに日記の意義があると思うのだけれども、何もないものをわざわざ言葉に変換して書くという作業もだいぶ労力の要ることだ。大きなことは、事件みたいなことは、割と書きやすい。だからこそわざわざ書かなくても良い。小さなことを書き溜めていきたいと思っているのだが、夜になるともう些細なことなど忘れてしまう。

今日も今日とて仕事。仕事中に加湿器の水を取り替えようと蓋を開き水を注ぐと、その水が白く濁って澱んでいた。加湿器なのに、この水を空中に分散させるのは毒を撒いていることと同じではあるまいかと感じ、いそいそと加湿器のコンセントを引っこ抜き、水道に連れて行った。なぜだか洗っても落ちず、ポット用の洗浄剤を投入。入れると、風呂場で使うバブのようにしゅうしゅうと水に溶けてゆく。そのまま触らず放置して、今これを書き起こすまで、放置していたことを忘れていた。明日は蓋を開けて中の水を取り出して、もう一度洗ってみよう。

もう直ぐ年末で、なんと9日間も休みがある。それを楽しみと捉えられれば良いのだが、なぜか今私は気分がめっきり落ち込んでいる。長期休み明けの仕事の憂鬱さが勝ってしまっているのであった。長い休みの始まり、始まった瞬間に確実に1日1日が終わってゆき、もはや始まったその瞬間から終わりに向けてのカウントダウンを始めてしまう。それが憂鬱。

そして忘年会の誘いがありがたいことにちらほら来ているが、それすらも憂鬱で、予定を入れる、予定を合わせる、予定を調整する、ということがストレスだ。今はラインで、調整くんとやらで皆が各々のスケジュールをマルバツサンカクで記入して、誰がどの日にOKでどの日にNGかということがすぐにわかるようになっている。でも私はそこに回答すらしていなく、やんわりと遠回しに回答を促される。気持ちはサンカクだが、サンカクって答える曖昧なやつがあまり好きじゃない。まるかばつしかないだろ、と思う。

明日、ジョーがジョージアへ行くという。いいな。私もドナウ川を一人で見に行きたい。
一人で旅をして、旅をしたまま誰も彼もに忘れ去られて真っ白な綺麗な白髪で華麗に別人のように、舞い戻りたい。そんな夢想は夢想で終わり。ジョー、行ってらっしゃい。


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左岸 [MAIL]