昼食に誰かを待つ日は

2019年08月30日(金)

昨日は散々な日だった。午前中のこと。信頼できません。責任を取ってください。傷つきました。ありえないですよ。と、ひとりの女の子に散々怒鳴られる。驚きながら、全身に針が刺されるような気持ちで苦しかった。
全てが吐き出されたタイミングを見計らって静かに電話を切ったが、その後呆然としてなにも頭に入ってこない。
そして夕方、私宛に一本の電話。粘着質な男性のデザイナーからだった。馴れ合いについていけない。良い本になると思えない。降ろさせてくれ、ということだった。何も言えず、この人もすべての感情を電話口でぶつけてきたため、終わったところでまたもや静かに電話を切る。
どちらにもなにも言えなかった。

去るなら去って。 

追いかける気も、弁解する気も、謝罪する気も起こらない。
かと言って心臓は恐ろしく高鳴っていて、なにかがとても怖かった。
同時にふたりの人間が感情を噴火させ、その吐き出し口が私だったこと。
全身火傷を負ってまでも、でも私には最後まで聞く義務と責任がある。

それでもきついものはきつく、死んだも同然に仕事に励んでいたが、家に帰ってからはもう泣けて泣けて、自分が本当に嫌になった。正直言ってかなりしんどかった。久しぶりに、死にたいなあなどと思ってしまった。
けれども正直言って、ふたりの人間性には出会った時から疑問を抱いていたため、今思えば離れてくれてよかったと思う。特にあの男は苦手だった。生理的に受け付けない匂いを発していた気がする。

ということで、今日は1日その案件から逃げていました。考えないようにし、メールは無視。

仕事を終えて本屋に行き、『火口のふたり』を購入。
この前映画館で見た。私はとても好きだった。こんな風な狭い世界に、とある男と生きていたことが、自分にも一度だけあったことを思い出す。

あの閉じた世界が苦しい反面、どれだけ安心したことか。
今は、開けた世界にいるけれど、死んでしまえるほどの安心感はない。

繕っていたらすぐにばれる。丸裸同然の関係とはそういうもの。


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左岸 [MAIL]