てくてくミーハー道場

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2016年04月22日(金) 『グランドホテル』GREEN team(赤坂ACTシアター)

包み隠さず書くと、こっちのチームの方のチケットの売れ行きが激早で、手に入れるの苦労しました。

・・・まあ、キャストを見たら何となく(黙りなさい!/怒)





さっさと感想に行きます。


光枝明彦 as オッテンシュラッグ

出てくる順番が違うのは、ぼくに与えたインパクトの違い(佐山さん、すまぬ)

虚無を纏った傍観者である佐山オッテンシュラッグに対し、まるで「登場人物たちを操る」文楽の人形遣いのような、支配者・光枝オッテンシュラッグ。

なんと、義足と眼帯が両チーム左右違ってるのね。

トム、憎い演出です。

で、今回ぼくもなんと言う運命の巡り会わせか()、光枝オッテンシュラッグと同じ目に眼帯を着けて観劇に臨みました。

そうなの、手術したの。

手術の翌日と翌々日にミュージカルを連チャンしたの。

あきれてくださって結構です。

腹切った一週間後にピンクレディのコンサートに行って踊りまくったおらに、怖いもんはない。←


でも、正直疲れた。(当たり前だ)


ただ、モルヒネは要らないよ。(当たり前だ2)


宮原浩暢 as ガイゲルン

ザ・ミュージカル猛者チームの中に放り込まれた(言葉に気をつけろ!)一輪の花(^^;

こういうこと言っちゃ失礼の極みかもしれないが、「よくがんばった」の一言。

いやあ、あの個性大爆発のキャストの中で、よくやったよホント。

もしガイゲルンがテレコだったら、もっと大変なこと(ってどんなこと?)になってたかもしれないが、むしろこっちの方がバランス的には良かったようにも思う。

手癖は悪いが、決して悪人ではないガイゲルン(て、まるで彼方のガイゲルンが悪人みたいじゃないか!)

ガイゲルンはエリックの息子と入れ違いにこの世を去るみたいな感じがあるが、グルシンスカヤに出会って「本当の幸せ」を手に入れようとするや否や死んでしまう“悲しみの象徴”のようでもある。

彼方のガイゲルンは、それがメロドラマ的に甘美な感じだったが、宮原君のガイゲルンは、本当に「うわーーーいくらなんでも可哀相」と思わせた。

グルシンスカヤと出会うまでの人生にガイゲルンがどんな感情を抱いていたかの違いだろうか。


安寿ミラ as グルシンスカヤ

ヤンさんがバレリーナ並みに踊れること、容姿がまんまバレリーナであることに一切の不安はなかったのだが、“本物”の草刈グルシンスカヤを見せられた後ではどうしたらいいのだ?と思っていた。

さすがにその“本物感”には敵わなかったが、草刈さんとヤンさんとでは、基本的に「演じる力」が全然違う(ズバリ言いすぎ)

安心してグルシンスカヤを見られた。

ただ、「実力のある女優がバレリーナを演じている」という一枚皮が張った感じはいかんともしがたい。

そういう意味で、良いインパクトも悪いインパクトもなかったかも。

樹里咲穂 as ラファエラとOG同士だったというのも、こっちに余計な先入観を与えたかもしれない(とはいえ、じゅりぴょんとヤンさんは同じ組になったことがないので、変な馴れ合い的な雰囲気はなかったが※)


※実はGREEN teamのラファエラは当初おさ(春野寿美礼)が演ると発表されてたのよね。理由は不明(※)だが降板してしまった。もしおさがラファエラだったら、花組同士で余計モニャったかもしれんし、結果オーライかな。・・・ま、まさか(おい/怒)

※ 情報弱者なので知らなかったのだが、おさ、おめでただったんですね(でも、降板当初は理由は内緒だったようだ。やっと授かったお子だったので、無事に生まれるまで騒がれたくなかったんだろうな)。7月になって、43歳という高齢で双子を出産したことが公表されました!おめでとう(^^)


じゅりぴょんのラファエラは、有能なキャリアウーマンな感じがして、少ない給料をうまく投資に回して増やしまくってるというのが自然に感じられた。彼女なら、衰えた老後のグルシンスカヤを立派に面倒見て生きていけるんだろうな、という頼もしささえ感じさせた。

両チーム、グルシンスカヤとラファエラの身長差が逆なのよね。そういう効果もトムは狙っていたのかもしれない。

グルシンスカヤをひたすら崇拝し慕っている土居ラファエラ、いつかは支配しようと(無意識でも)しているじゅりぴょんラファエラ、みたいな感じがした。


昆夏美 as フレムシェン

こっちのフレムシェンもやっぱり、父親のいない子を産もうとしている(クリンゲラインに誘われるまでは堕ろそうとしていた)女というには健康的すぎる気もしたが、トムの考えるフレムシェンは、そういう、○ッチではないやさしい女の子なのかもしれない。

まあそれでなきゃ、いくら素敵なガイゲルン男爵の頼みでも、ユダヤ人のさえない中年男であるクリンゲラインとダンスをしたりしないかもな。


で、そのさえない中川晃教 as クリンゲラインは、予想通り期待を裏切らない“かなりアッキー”(どういう意味?)なクリンゲラインであった。

相当はちゃめちゃな感情豊かな男なのだが、ちゃんと「もうすぐ死にそう」に見える。

刹那に生きてる感じ。怖いもんなしっていうか。

アッキーの声って個性的すぎるから、『モーツァルト!』やってたころにはこんなにいろんな役を演れる役者になるとは思ってもいなかった。

たいしたもんだ。今更だけど。


最後になっちゃった戸井勝海 as プライジング

女の子にボーリョクふるうようには見えない(吉原さんはそう見えるとでも?)小者感のある(失礼だぞ)プライジング。

『ミス・サイゴン』のトゥイっぽい(←単に、前に見たからだろ)

確か実年齢はけっこう行ってるはずの戸井くんなのだが(それを言うな)、いつまでも若者感が強いもんな。

カンロクがない、と言いたいのか?と問われると、うーん・・・(言ってるようなもんだな)

そういえば、プライジングがガイゲルンを撃つシーンも、REDとGREENではちょっと違ってた気がする(もう忘れてんの?)

・・・すまん。こういう客が本当にサイテーよね。反省します。





だがとにかく、二つ観比べて一番びっくりしたのが(大ネタばれっす)ラストシーン。

まあ、グルシンスカヤとガイゲルンの愛の一夜が明けたシーンの違いで何となく想像はついていたが、やっぱりこうきたか、という感じのGREENバージョン。

『キャバレー』来日公演のラストシーンのインパクトが未だに脳裡に残っているので、そんなにびっくりはしなかったというか、逆に想像どおりすぎたというか。

いえ、決して文句を言ってるわけでは。

ただ、こっちのエリックの顛末がREDバージョンよりもかなり熱量がすごくて、もう、彼が電話の向こうの息子に語りかけるシーンからぼくはべぇべぇ泣いてしまっていました。

手術したての左眼からも涙がぼろぼろ出たので、ちょっとひやひやしたっす。←


本当に、「希望」という感じのラストシーンでした。


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