てくてくミーハー道場

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2014年10月04日(土) 『ミス・サイゴン』(よこすか芸術劇場)

台風がやってきて大荒れになる前に、海を見に行ってみました。(大嘘)



京浜急行で三浦半島へ。

「汐入」駅で降りまして、すぐ目の前にある横須賀芸術劇場へ。

(海なんか1センチも見ていません。ごめんなさい)

帝劇での上演をすっかり見のがしたので、この最後のチャンスに滑り込みました。



本日のプリンシパルキャストは、

キム=昆夏美

クリス=原田優一

ジョン=上原理生

エレン=木村花代

トゥイ=神田恭兵

ジジ=池谷祐子



そして、エンジニア=駒田一





この時期になると皆さんこなれておいでで、安定感抜群の出来。

いきおいぼくの関心は、初めて見る「新演出」に向きました。

このコヤは帝劇と違って非常に天井が高く(客席が5階まである!)舞台の見え方もだいぶ違うと思うんですが、やはり一番の注目の的となったヘリコプターのシーンは、音響がまじリアルで、本当に頭上をヘリが飛んでるみたいでした。

ただ(ここ以降ネタばれです)、ぼくは何度も言っているように、舞台で映像を使うのは本当に必要最小限にしてほしいタイプの人間ですので、あのヘリは「ねーべ・・・」(中居君口調)と思いました。

まあ、昔の演出では、あのヘリはたまーに故障したりしてハラハラさせたと聞く。そんなところも改善したかったのかもしれないが、はっきり言って今回の変更により臨場感が激減した。

これ、「アメリカン・ドリーム」どうなるん・・・?(震)とドキドキしていたら、キャデラックは元のままだったので(完全に同じではなかったが)安心。

このほかにもちょいちょいマイナーチェンジや歌詞の変更もあって、「あれ?」と思うシーンもあったが、冒頭のシーンは、以前は「のどかなアジアの小国」という描かれ方をしていたサイゴンの様子が、「今まさに戦時下!」という雰囲気に変更されていたのがベリーナイス。ここは本当に良くなっていた。

キムとクリスが初めての夜をすごす部屋も、前はメインステージのど真ん中に作られていたので、エキゾチックなおとぎの国っぽいイメージだったが、今回からは舞台の端っこに窮屈そうに作られた小部屋のセット。これにより、いかにも貧しい国の猥雑な娼館の感じが出てた。





で、全体的には、前よりも登場人物の心の動きが納得いくものになってたと思う。

ぼくは初めてこの作品を観たとき、キムが最後にとる行動の理由が理解できなかった。あまりに唐突だと感じた。

だが今回、その解釈が正しいかどうかは分からないが、なんとなく納得できるような気がした。

それは、キムがホテルにクリスを訪ねていった時のエレンとのやりとりの若干の変更によるものだと思う。

キムが望んでいたことと、クリス&エレン夫妻が彼女とタムのために良かれと思っていることの食い違い。

それはとりもなおさず、戦勝国と敗戦国との意識の差となって、何年も何年も遺恨を残すんだろう。

未だに。どこの戦争でも。





この『ミス・サイゴン』という作品を、戦勝国側から敗戦国を見下した、傲慢な価値観の作品ではないかと、怒りを覚えている人たちもいると聞く。※

最初、ぼくも何となくそれに同感だった。『蝶々夫人』を日本人が観ると「えー?・・・」と思うのと同じで。

だが、こうして何度も観たり、今回のように少し解釈が変わった状態でこの作品を観たりして、だんだん(自分に都合の良い解釈かもしれないが)解ってきた気がする。

※自分で書いててなーんか変だなと思いつつ一日経ってやっと気づいた。ベトナム戦争ではアメリカは敗戦国じゃないか!バカを晒してしまいました。m(_ _)m

でもまあ、大国アメリカが南ベトナム人民を「救済」と称して支配下に置こうとしたことは事実だからね。正確に言えば「支配(しようとした)国」と「被支配(されかかった)国」ってところだろう。











終わってダイソーで買い物してたら、海上自衛隊の隊員さんらしき人たちやら横須賀基地にいるのであろう米国人らしき人たちと遭遇。

日本も敗戦国なのだ。そうなのだ。



・・・だからって何かを思ったわけじゃないが。(←思わせぶりなこと書くな)





最後にはやっぱりこれを書こう。

いっちゃん(市村正親さん)の復活を心からお待ち申し上げます。今回の『ミス・サイゴン』には間に合わなかったけど、『ラ・カージュ・オ・フォール』での再会を、心から心から心から心から心から(何回書くんだよ?!)楽しみにしております。

それまでゆっくりご養生を。


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