舌の色はピンク
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| 2022年04月20日(水) |
和の精神、日米仏の論理、寄り添い |
雨。なんか寒い。
弁当は豚肉茄子バルサミコソテー。 醤油はきもち少なめ。
ネット上で見かけた話。 過去、村を作り上げるゲームで 外国人プレイヤーの隣に領地を設けてしまったと。 そのプレイヤーとは同盟関係になく、 すると限られた資源の奪い合いという事情から、 いろいろとリスクが発生してしまうと。 で、同地にある資源を、じゃあ2分割するのが 両者がうまくやっていく公平な折り合い方であろうと 投稿者は思ったらしいのだが、 外国人プレイヤーは2あるうちの2つともをよこせという。 不本意ではあるものの、これがきっかけで 各々が所属しているチーム同士の戦争が起こりうる恐れを見越して、 要求を呑んだと。 そしたら今度は、やっぱお前出て行けと。邪魔だと。 せっかくこの前は折れてやったというのに、 これでは全面的に取られ損で理不尽だ、 これは呑めないと撥ねつけたと。 で、 仲間のみんなもそりゃあフザけた話だと共感してくれたと。 でも仲間の外国人がいうには、 向こうは向こうで当然の振る舞いをしているだけだと。 取られたくないならはじめからそういう態度で臨めばいいのに、 一度言いなりになったくせしていきなり反抗してきたら、逆に なんだコイツわけわかんねえ、となると。 だから、はじめから撥ねつけるべきだったんだと。
日本人の考え方を当たり前にしていると あたかもそれが正常で それ以外を異常にとらえてしまいがちだけれど なるべく多角的視点をもっていきたいですね、 という話にまとまっていて、 まぁそれはそうなんだけれども、 “和の精神”をあんまり対外的にさげすまんでもいいと思う。 「グローバル社会を勝ち抜くためには」とかいうアホなお題目の上では、 たしかに和の精神は非合理で非発展的で、数々の問題をはらんでいる。 でもそれは 「グローバル社会を勝ち抜くためには」とかいうアホなお題目の上で通じるだけで、 別にこれはこれで、普遍的ではない。
あと別のちょっと面白かった記事をメモ。 出版された本の著者のインタビューらしかったけど、 主題が論理について。 論理といえばさも普遍的で、扱い主を問わず、 恣意的な揺らぎが除外された画一の原理があるようだけれど、 実際には全然そんなこと無いよねっていう。 その具体例として、アメリカにおける論理と フランスにおける論理の違いを挙げていた。 アメリカの大学では、ことさらにエビデンスが重視される。 主張があり、証拠となる材料を3つ上げて結論に至る。 この定式をより実現している論法こそが強い論理だと。 比べてフランスでは弁証法を重視する。 主張があり、それに反する論を自ら挙げ、 両者の矛盾点を調停させた新たなる主張を叩き上げる。 アメリカの方はスピーディーで主格が明確で、 とかくビジネスに最適の論理とされる一方、 フランスの方は反証に過去の哲学者の弁を引用するのが常であったりして 政治的な意見を構築するのに最適であるらしい。 うーん面白い。 この本買って読みたいな。
トキノを書き終わり、 いよいよ割拠の方を再開させようと初めから読み直してみた。 読めたもんじゃないだろうと思われたが 案外面白かったしヘタでもなかった。 というか書きたいこと書いてるだけあって 心境の文章はかなりキレてる。 同じ文を今書けってなっても書けんだろうな。 なのに続きを書かなければならんのだ…。 なんて楽しみなんだ…。
で ちょっとだけ書き進めてみたら、書ける。 ああ、最後までたどり着くの楽しみだな。 産みの苦しみ絶対きついけど、楽しみありあまってるな。 これまで書いたことのない、激情の嵐を文にしたためてみたい。
夕飯は牛肉キノコ野菜の中華風あんかけ。 ちょっとだけ塩分控えめ。 正直、もっと醤油を足した方が美味しいのは明らかだったけど、 このくらいの塩分濃度に慣れていきたい。
寄り添いについて。 Twitter上で相互フォロー関係にある、 僕の敬愛している氏が、 「”寄り添い”が具体的に何を指しているかわからない」 と問題提起していた。 ここしばらくで見聞きするようになった、 主だってフェミ関連…もうちょっと広くいって、 女性を主格とする文脈で用いられやすい言葉だ。 氏は、「共感する」との違いが不分明だと指摘する。 どんな具体的な行動をもってして、「寄り添う」となるのか。 それは、いうなれば「忖度する」に置き換えられてしまえないか。 といった問題提起…というか他意を含まない 単純な”疑問”として提示されていて、 なるほどこれは一考の余地あると僕も思考を働かせてみたのだった。
その糸口は思わぬところから。 数年前に拡散されたギャルのツイート、 天皇の誕生日をものすごく軽く、しかし親しげに、 ハートマーク付きで「おめでと」と祝い、 「あんま絡みないけどこれからもよろしくね」 という一文を添えた……あの画像。 たぶん彼女からは遠い界隈にこそウケたあのツイート。 に対する言及で、 「これこそが我が国における天皇陛下の在り方を、 ほとんど理想的なまでに表しているんじゃないだろうか」 というものがある。 「”あんま絡みないけど”という言い方からは、 まるでたまには絡みがあったかのような印象を受けるが、 実際に”絡み”がなかったとしても、 ここにはどこか、天皇陛下が我々に 寄り添ってくれているような体感が表れている…」 と続く(うろ覚えだけど)。
なるほど、ここでいう「寄り添う」は、 語法として昨今の文脈に導入されている「寄り添う」と合致するものだ。 しかし、「優しくする」とも「共感する」とも 「忖度する」とも言いかえができない。 天皇陛下が我々に向かって、直接的に何をしてくれたわけでもない。 ただ、我々の方 「寄り添ってくれている」 と(勝手に)感じられるかどうかが核心となっている。
これだ。 「優しくする」も「共感を示す」も「忖度する」も、 これらはいずれも能動者の行動および主観だけで成立しうる。 ところが「寄り添う」を判定するのは受動者の方だ。 具体的な行動がなんであれ、 あるいは行動がとられずとも、 この語は独立的な意味合いを確保できる。
「もっと被害者に寄り添った考え方をしてほしい」 という命題に対して、 「じゃあ具体的に何をすればいいっていうのか。 そうだね、大変だったね、と優しい言葉を向けたり 共感を示せばいいのか。 問題点を解消、解決する案を差し出せばいいのか。 多少おかしなところがあっても目をつむって、 被害者を全肯定するような忖度を計ればいいのか」 という考え方では、働きかけは能動者に閉じられている。 受動者(ここでは被害者)が 「優しくしてもらえた」 「共感してもらえた」 「肯定してもらえた」 と実感できて初めて「寄り添う」は実現する。 そういうことだと思います。
で ここで問題提起が円環して、 「そうだったとして、じゃあ具体的に何をしたらいいの?」 となると話はこんがらがってくる。 僕が思うに「寄り添って」には、 (あなたの良識や誠意や動員して) (何が寄り添うことになるのかを自分で考えて) (能う限り実践してみてくれ) といった含意がある。 つまり「何をしたらいいか」に対しては、 「自分で考えろ」が答えになるんじゃないか。 それができない、しようと思えない人物は、 すでに「寄り添い枠」から落選しているという。
昨日から引き続き、モロッコの民話。 ストーリーが説明不能だった。 面白かったけど。 タイトルの時点で面白いもんな。 「七人の兄を砂漠に追い出した娘」。 まあ実際には追い出したのは叔母だったんだけど…。
| 2022年04月19日(火) |
トキノ冊子苦戦、徒歩動画鑑賞、ガワ |
晴れ。暖かい。 8時過ぎに地震があった。 東京は震度2。 震源地である福島では震度5弱だったようで、 NHKは朝イチを中断して現地の模様を報道していた。
弁当はなし。 妻は今日は蕎麦屋に食べに行きたいらしい。 弁当作りはすっかり慣れたもんだけれど 作らなくていい朝は本当に楽だ。時間がだだ余る。
昼、ラーメン食べに行った。 脳から快感物質がビュルビュル出た。
縦書きにしたトキノを印刷し、折っていく。 79ページ分。 8面付けで両面16Pを5枚分。 切って折って貼って冊子の体裁へ。 で全部終わってから乱丁に気づくという…。 帰宅してからやり直すことにした。
荻窪のOKストアで買い物を終えたあたりのタイミングで妻から電話。 スマホの買い替えをしに行ったが手続きが遅れているとのことだった。 のんびり帰った。
夕飯、春巻き。 肉屋で買った、揚げれば済む冷凍のもの。 べらぼうに美味い。 椎茸によく味が染み込んでいる…。 あと皮がパリッパリに揚げられて最高。
妻の検診、順調のようだ。 現時点で逆子ではあるがこっから正される可能性は十分ある。 血液検査問題なし。 ただし高血圧気味。 妊娠期間中は血圧が高まりやすいそうで、要注意らしい。 塩分と糖分を控えてもらうこととなる。 まあ明日からか。 今日はオペラを食べた。信じられないくらい美味しい。
ソーイングビーの後番組のベイクなんとか見た。 第二回。ケーキ作りの後半戦。 同じレシピで技術を競うという企画はめちゃんこつまんなかった。 できあがり似通ってるし、スポンジ二枚にジャム挟んだだけだから 寸評もかなり味気ないし。 最後の、参加者それぞれがチョコレートを使い 自由にデコレーションケーキをつくるという、これは面白かった。 個人差がだいぶ表れてて、見た目を取るか味をとるか、 限られた時間内であたふたして……わかるーってなった。 一部市販品に頼ってしまったり、うまくいかんかったところ糊塗しようとしたり… 見た目的には森のケーキが気に入った。 木の葉や木の実、キノコまでが表現されててたいへん可愛らしかった。 でも見た目に同じく味も乾いてたって。 ……っつっても視聴者には見た目しかわかんねえからよお。 やっぱソーイングビーと比べて見応えねえっつうかよお。 でまぁ2名が脱落した。 初っ端の泣いてたおっちゃん、落とされたときは泣かんかったな…
トキノの冊子のリカバリ。 一度貼り合わせた部分を戻そうとしたらバリッとやっちまった。 諦めて、PDFをスマホで読ませるか…と思い 試してみたところかなり見た目が悪い。 なんか嫌だ。 文が表面的に読み流されていく感じがする。 一般書ならまだしも小説はダメだ。
ガワ、媒体って大事だと思った。 印象がまるで変わってくる。 どうしても本形式がいいと思い直し、 テープ貼りだらけで汚いが冊子状に整え直して妻に渡した。 明日読んでくれる予定。
入浴後、Youtube動画を垂れ流し。 雨の中をひた歩くだけの動画。 画質がいいしほとんど音声もなく、 基本的には環境音だけでたまに雑踏のノイズ。 歩きかたが上手いので画面酔いもしない。 いつまででも見れてしまうやつ。
今夜も民話はモロッコのを読んだ。 長かったので中断。明日へ続く。
| 2022年04月18日(月) |
性暴力被害者の弁、外国人との触れ合い、烏と亀の民話 |
曇り。肌寒い。 カーテンの具合はいい感じ。 明るすぎず暗すぎず。 ピーカンの晴れ模様でどれだけ日差しを通すかはまだわからない。
弁当はハンバーグ。 先週冷凍しておいたもの。 解凍の手間がなく焼けるから楽だな。 でもケチャップをかけ忘れてもうた。
電車内で、 性暴力に遭った女性の法廷における15分間の陳述の記録、 という記事を読んで涙が出てしまった。
で 全面的に味方したい一方で、 だからこそ冷静にものを見る必要があるとして、 やっぱり噛み合ってないな、とは思う。 男性の性欲についての言及がない、 内実としてはあるのだろうけれどもそれは 「魂の殺人、という表現でわかった気にならないでもらいたい」 という主張と同じ論法で、 加害者側と言論的な信頼関係が気づけない以上、 生きた話になりにくいだろうと思われる。 認知的な歪みを指摘するのであれば、そこには正常と異常の線引がある。 線引がある以上は基準が置かれるわけだけれども、 男性、女性という二項が同社会を形成している以上は、定点化されるものじゃない。 わかりやすい話、男性だけで構成された社会であれば問題にならないことが、 現実では女性も対等に社会を構成してるんだからそうはならないよね、となる。 男性にとって”それ”を歪みと認めさせるには、事実的な根拠はないということだ。
女性は厭わしいことだけれど、 こうして女性が苦しさを訴えるほど、 どれだけ傷ついたかを打ち明けるほど、 いかに理不尽な横暴で人生が狂わされたかを叫ぶほど、 それ自体が「性的な興奮を呼び起こす」こととなる、 そういう男側の性癖がある。 これを、認知の歪みだ、犯罪者の社会的逸脱因子だ、 と言い習わして一掃しようとしてはならない。
…でもこういう話、よっぽど長文じゃないと無理だな。 女性が人格ある一個人として扱われるために 男性が生の女性と接して傷ついてという経験をするためには 男性が人格ある一個人として扱われなかったという経験を しないで済むようにするためには…… とか延々続けられてしまう。
とりあえず今回思ったのは、 トキノを書き上げて 「祝福」について自分なりの答えを出せたと満足していたのに、 この作品書き上げたところでまったく 性暴力に苦しむ女性を救えなんかできないってところで ものすごい無力感に苛まれた。 うぬぼれるなって話だけど それはそれとして実感してしまった。
帰路、 荻窪駅着いて改札出て階段降ろうかってところで 中東系?の若い女性から話しかけられた。 日本語は覚束ないようだが手の上のカードを示している。 留学生なのだがお金がなく、お菓子を売っている…とのことだ。 このテのおねだりを久しぶりに見かけた。 会釈だけして階段を降りた。 …のだが、 引き返した。 あれに何か裏があったとしても、 組織的な運営としては費用対効果悪すぎるし、 これを入り口としてなんらかの続きを目論んでいるなら無視すればいいし、 といった数々の判断を働かすのもなんだか馬鹿馬鹿しいと思った。 聞けば、一つ500円で売っているという。 チョコレートの詰め合わせのような菓子袋。 正直いらない。 お菓子はいらないのでこれだけどうぞ、と 1000円だけ手渡した。 礼の言葉を聞くのもためらわれて逃げるように去った。
21時半、ちょっと肌寒い雨の中女性一人で、 マッチ売りの少女よろしく500円を得ようと頑張っている。 1000円渡したからってなんだっていうのか、 暖かい言葉の一つでもかけてやれたんじゃないか、 とぐるぐる考え込んでしまい、 いいことしたなあなんて全然浸れはしなかった。
どうして 「じゃあウチにおいでなさい、飯ぐらい出すから」 と声をかけてやれないのか。 そりゃあ、 家にいる妻は身重で今はなんらのリスクや不安をかけさせたくもないし、 コロナ禍でもあるし、 その誘い自体に問題がありもするだろう。 それらがなくったって、なんだかんだで”理由”が発生して、 結局手を差し伸べたりはしないのだ。 金はたいていのことを肩代わりしてくれる。 でも本当は、肩代わりでない方の本質を、自らまかなってやりたいのに。 やりきれない。 せめてこの無力感、焦燥感を糧にして、先々につないでいきましょう。
夕飯は豚しゃぶ。 玉ねぎのスライスは レンチン40秒後空気に10分さらして時短の辛味抜き。 ポン酢をかけて万能ねぎ散らして食べる。美味しい。
妻からいくらか報告を受けた。 来客の予定がちょこちょこ入る。 コロナと妊娠の反動で近年稀にみるリア充ぶり。 まぁ子どもできる前に会っておきたい人は多いしな。
文章作品をアップするため、星空文庫に登録した。 小説投稿サイトで検索すると、 浮わついたバカみたいなプラットフォームがたくさん出てくる。 比べるとこの星空文庫というのは、 ランキング機能もないしレビュー機能もない、 ユーザー同士の馴れ合いというかコミュニケーション自体もないし ただ小説を投稿公開するだけ、というシンプルさで、 利用者数は少ないようだけれど 自分にはいちばん適していると思った。 しかし自己紹介で参ってしまった。 とりあえず、感想もらえると嬉しいですの一言は入れておいた。 この利用者数の少ないサイトで、 僕のなんら人を惹きつけはしない作品をたまたま読み通した人が、 わざわざTwitterでDMしてくれる…なんて思えないけど、 まぁ望むだけ望んでもいいだろう。
洗濯物干して寝室へ。 モロッコの民話がキレていた。 天使の結婚式があるから招待するよ、 と烏が亀に呼びかける素敵な導入。 烏の背に乗った亀は 空からの景色はどうだいと聞かれる度に、 美しい比喩で景色を讃える。 でもある高さまで達したとき、亀は背から落ちてしまい、岩場に激突。 烏はその亀の飛び散った死骸をついばむ…。 「天使の結婚式に招待されようなんて輩は、 こんな末路をたどる宿命にあるのです」 という唐突なナレーションで終わり。 マジかよ……。 烏と亀が仲良さそうに思えてたからかなりつらかった。
| 2022年04月17日(日) |
コンサルもてなし、オーシャンゼリゼ、トキノ完成 |
日曜にしては早い8時に休日トーストを食べ、 妻は身支度を、僕は家事を済ませた。 オペラの様子は…かんばしくないが、 それでも、ちょっとでもマシになるようにと グラサージュを繰り返した。
妻は区役所へ。母親学級。 その間に、トキノの最後の場面を書き足した。 すごくいいのが書けた…。 昨日の南新宿からの散歩が生きた。 実体験を文章に落とし込むの、ちょっとどうかなとも思うのだけど、 今回はあんまりずっぽしはまって気持ちよかった。
11時過ぎに荷物が届く。レンジラック。大物。重い。 とりあえず玄関に放置した。 風呂に入って本を読み、再び執筆。あとほんのすこし。
13時ごろに妻帰宅、昼飯はぶっかけにした。美味い。 OKストアで買い物して、掃除機。掃除の仕上げ。 居間に行燈が導入された。見事に部屋にハマった。
予定よりちょっと遅れて、16時半ごろにお客さんが来た。 妻の同僚で中国の方。 毛並みのいい外資コンサルタントだからと身構えていたが、 とても愛嬌のある娘さんだった。 座布団に寝そべり膝を曲げ、おもいっきり寛いでくれて嬉しかった。 その20分ほど後に、今度は関西弁の方。 図体がでかく声もでかい。ノリがよい。 二人からは贈り物を頂戴した。 赤ん坊用の肌着と熊のぬいぐるみ。 箱から何から可愛らしい。ありがたいことだ。
僕は次から次ヘチ料理を出していった。 ホットケーキにランプフィッシュキャビア、 スモークサーモン、マスカルポーネ、フムス。 サラダは真鯛、バジルとベビーリーフ、カラートマト、ピンクペッパー散らして ドレッシングがオリーブオイル、バルサミコ酢、ブラックペッパー。 鴨肉のスモーク、リンゴソース。ワサビをちょっとだけ効かせてある。 マッシュルームのアヒージョ。 バゲットをかるく焼いて、バターちょっとだけ塗って出した。 これらをスローペースに、2時間弱くらいかけてぽつぽつ出していった。 代官山で買った和紅茶も好評。 やはり甘さが珍しいとみえて、 どこで買ったかを男性の方は強く知りたがった。 妻にコーヒーを入れてもらい、最後にオペラを出した。 好評だった。 なんとか側面も最低限は隠せたし… クルミの風味が抜群に良い。 コーヒーとも合うしな。 皆さんにも満足いただけたようで嬉しかった。 コンサルってえとホームパーティーやらギャザリングやら おうちでのモテナシされまくってんでしょってかなり怖かったけど 全体的にかなりいい反応もらえてたと思う。
19時45分にお客さんは退散。 まずは換気をした。 日が暮れてから一度、窓を開けたらと水を向けてみたのだけれど、 男性の方が暗い庭を怖がったらしく、笑った。 日が暮れる前には庭スバラシイ縁側スバラシイとテンション高めていたのに。 洗いものはぎょうさん。 リアルタイムでも洗ってたけど たかだか三四人もてなすのでも大した量だ。 カトラリーデビュー戦だったから、 水垢つかないように丁寧に洗って拭いた。
疲れたようである妻はに付き合い寝室で一緒に風光るを読んだ。 それからカーテン取り付けに着手した。 長年世話になったカーテンとはさよなら。 丈あってなくて用をなしてなかったからね… 新しい方は、壁色と同色でまるでつながってすら見える。 東南を15分程で設置した。 さらにドレープを足して完成となるが、 必要な生地がまだ届いていないのでそれ待ち。
入浴は早めに済ませた。 何を思い出したのか、 妻が オー シャンゼリゼー と口ずさんでいた。 シャンゼリゼー、の部分は聞こえるか聞こえないかのささやき声で歌う。 これは思い出の曲で、パリ旅行でシャンゼリゼ通りを二人で歩いていたときに、 実際のシャンゼリゼ通りでこの歌を歌うのは浮かれ過ぎで恥ずかしいから、 ということで、 オー と揚々声をあげてから (シャンゼリゼー) と小声で歌っていたのだった。 あのとき、なにかこう幸せの絶頂を感じた。 過去の一つ一つのがれきがうず高く積まれて、 その頂点に達したような気分が湧いたのを覚えている。
トキノ書けあがった! 嬉しすぎる。 村上龍が、限りなく…を書き上げたときに 道行く人に ねえ僕小説書いちゃったんですよ。 と吹聴したくなったって思い出を 文庫のあとがきかなんかで述懐してたけどよくわかる。 自分の書くものは、小説に寄せてこようとはしなかった。 表現したいものが第一にあって、 それがたまたま小説に近い体裁になっているかもしれないが、 小説という枠に収めるための成形をしたくなかった。 でも今回のこれは、小説なんだろうなと思う。 自分の表現したいもの…文学的な要素と、 自分の言いたいこと…社会的な要素とがうまく噛み合ったと思う。
すこぶる上機嫌。 今夜はもう夜に追われず、 ゆうゆう寝室に向かって 民話を読み聞かせて寝た。
| 2022年04月16日(土) |
未来のインテリア、代々木八幡ベビーカー、即興民話 |
8時起床9時休日トースト、 洗濯機回してOKストアと西荻へ。 ちょっと気が急いてしまい、肉屋に到着したのが10時前で、 開店を待つことになった。 何もせずただ待った。
帰宅後、洗濯ものを干して、ちょっと休んだ。 妻とぼんやりテレビを見ながら、 最近ちょっと思ったことを話してみた。 電子工学には明るくないからワカランけど、 お皿の表面に柄を映し出すっていうのはすでにできると思う。 液晶の柔ささえコーティングできれば。あと防水。 食品衛生上の問題があるからまずはソーサーから。 トントンと叩くと柄が変わる。20パターンくらい。 形と触り心地は変わらないとはいえ、柄だけは好きに変えられるっていう。 電池の問題もあるか。でもどうとでもなりそう。 いずれはテーブル、棚、カーテン、インテリアのいずれも 柄が変えられるようになるだろう。 つっまんねえの。 あほみたいな未来だな。訪れませんように。
お昼は本来なら昨日の夕飯であった中華粥をつくった。 干し椎茸と海老とネギで出汁は味わい深い。 体がよく温まる。
12時半に家を出て荻窪へ向かった。 相変わらず妻はたくさんの花を指差して名前を教えてくれる。 おそらく今が一年通して一番花の咲いている季節柄だそうだ。 荻窪駅から中央線で新宿、京王線に乗り換えて代々木八幡へ。 京王線久しぶりに乗った。 たまたまなのかなんなのか、 どの車両にもキレイ目のお姉さんがちらほらいた。 それに反してイモくさい男連中という対比。 コレに比べると中央線総武線はもっと平均的という感じがする。 私鉄って私鉄っぽさあるよなあ。
代々木八幡には初めて降りた。 ふらふらと商店街を歩く。 個人店が多く雰囲気はいい。活気がある。 そして道行く人が若い。20代が多い印象。 古本屋にだけちょっと寄らせてもらった。 雰囲気も品揃えも良かった。 井の頭通りに沿って、代々木公園前のベビーカー専門店へ。 入店制限をしている。 僕らが入ったあとも続々お客さんの列ができて、 なかなか人気店であるようだった。 店員さんからベビーカーの特徴を説明してもらい、 三輪の製品を紹介してもらった。 慣れた手つきでてきぱきと折り開きを繰り返す動作が小気味よかった。 実際に操作もさせてもらった。店の前をコロコロ転がす。 あまりの操作性の良さに感動した。180度回転もあんなにスムーズとは。 空気タイヤだからパンクのおそれがあったり、 空気を自転車みたいに注入してやる必要はあるとのことだったが、 それでもあまりある操作の心地よさ。 楽しいし、安定感もある。 もうほとんどこれで決まりなんじゃなかと思われた。 ほか、背もたれのマットも良さそうだった。 それだけで6000円するものだけど…。 妻はクマのタオルが可愛いと目をつけていた。 頬に傷があり、ヤクザのような見た目のクマが デフォルメされたデザイン。 さすがに勘弁してくれと思った。
店を出てカフェへ。 居住用マンションの一室。 満席であったので、建物の前で待ちつつ、 僕だけ成城石井に行って明日のためのランプフィッシュキャビアを買った。 戻ってみるとちょうど客が出てきたところで、入れ替わりで入店させてもらった。 客席は8つほど。 店員さんは一人なのか、かなり忙しそうにしている。 席が片付くのを5、6分ほど待って着席した。 そんなに美味しいものでもないだろうと思われつつ注文したクランブルは やけに味わい豊かだった。 ベリーの酸味がアイスクリームとよく合うこと。 僕のカフェオレは中身普通のカップが巨大なもので、 妻の頼んだロイヤルミルクティーがこの店いちばんの当たりだった。 甘いのに飲みやすい。 店内は僕以外全員女性。 隣にいた女子大生二人組の会話が ところどころ面白かった。 「なんかね、マジ、陶芸したい欲。 欲っていうかマジ、陶芸したい」 …やけに面白い日本語だと感心した。 “したい”自体が”欲”であるし、 それをこう言い換えてみる試みは、 なんだか人の頭を狂わせる面白さがある。
店を出て駅へと向かう道すがら、 チョコレート専門店に入ってみた。 店内は狭いが、無数のチョコレートが売られ、 そのほとんどが試食できるという…。 何も買わなかったけど、 あんな店近所に欲しいな、と誰もが思うような店だった。
小田急線から新宿に向かい、しかし新宿駅からの 手段化された道を通っていくのは白けるからと、 一つ手前の南新宿で降りて歩いてみた。 高島屋のビルが見えるからそこへ向かうだけ。 とろとろ歩いて迂回して、10分くらいかかった。 高島屋かと思われたビルはdocomoタワーだった。 さらにビルを回り込んで高島屋に入店、 9Fに直行してベビー用品売り場へ。 ベビーカーを3,4紹介してもらう。 ほとんど8万円以上の価格帯だった。 やはり先ほどの店舗で目をつけた製品が一番良さそうだった。 ベビーカー以外の用品も一応見てみた。 やはりマールマールの製品がとびきりかわいい。 妻はそれとは別の、コアラ柄のタオルを買っていた。 無数のコアラがヨガのポーズをとっていてこれも実にかわいらしい。
店を出て、寄り道には目もくれず一目散に新宿を後にした。 荻窪では駅前の日本茶葉の店で抹茶ソフトクリームを買った。 去年、真夏に買ってあっというまに溶けてしまったもの。 今回は申し分なく味わえた。 20分近く歩いて帰宅。 ちょっとだけ休んでから家事をした。
夕飯は天ぷら。 タラの芽は春の苦み。美味しい。 かき揚げの甘みとよく合う。 あとは茄子。鉄板で美味い。
夕食後、本日二度目のOKストアに行って無塩バター買った。 でオペラづくりに入る。 今回は苦戦した… バタークリームの油分がチョコを弾いてしまう。 またはチョコの油分がバタークリームを弾いてしまう…? 毎度のことだけど、その仕様のために ナッペは他のどのケーキよりもカンペキにしなきゃならないし、 あとグラサージュのゼラチン具合で大幅にできが変わる。 今回は粘度が低く、かたまるまえに側面から剥がれ落ちてしまう。 だからなんどもなんどもかける。 でもうまくいかない。 最終的にはゼラチンをちょっと足した。 少量の生クリームで溶かして混ぜ込む。 後足しはしたことないから怖かったがなんとかなった…か? ゼラチンが多いとこんどは 上がけが皮みたいな厚さになっちゃうからやなんだよな。
入浴後、1時間ほど執筆。 民話読んで、さらに語った。 アラブっぽい話しして、という雑なお題に答えた。 商人の男に妻子がいて、 妻と娘は絨毯を塗ってくれている。 失敗が続いていたがある日とうとう、魔法のじゅうたんが仕上がった。 ちょっとだけ浮く代物。 商人は歓喜して、これは市場に持っていくのはもったいない、 王様に披露して引き取ってもらおうと息巻く。 必ずたくさんの褒美をもらってくるぞ。 お願いします。お気をつけて。 で商人が砂漠を進んでいると、一人の旅人に出会う。 見ると裸足である。 灼熱の砂漠でこれはやりきれない。 二三のやりとりをして結局、商人は靴をやった。 いいんですか、こんな高価そうな靴を。 いいんだ、今日はとてもいい日だからね。 旅人の感謝を背に受けて、商人はまた宮殿に向かった。 今度は盗賊が現れた。 金目のものを置いていけという。 なるほど先ほどの旅人もこの盗賊たちに靴を奪われたのかもしれない。 私の靴はやってしまったし、絨毯をあげるわけにもいかない。 きみたち、じゃあこのロバで勘弁してくれんかね。 おお、これはいいロバだ、ありがとうよ。 盗賊が去ったのを見届けて、商人は絨毯を広げた。 これに乗っていけば砂漠も熱くないし荷運びも要らないぞ。 そして三人目の出会いがあり…… ……でどうなったか、忘れてしまった。 一緒に乗せていってみたら宮殿の関係者だったんだっけな。 即興の割には割とよくできてたんだけど。
| 2022年04月15日(金) |
雨中のウイルス、大日本人 |
雨。寒い。 7時前に起床して、雨のほとんど止んでいる瞬間を狙って ダンボールを捨てに行った。 あとペットボトル。あと不燃ごみ。 雨の日にかぎって多い。 ほんとダンボールとペットボトルと資源ごみを同日にしないでくれ…
弁当はなし。 妻は今日、産休前の最終勤務日となる。 その都合で会社へと出勤するらしい。 長らく在宅勤務だったから、何ヶ月ぶりになるのやら知れない。
トキノを完成文章を 職場で縦書きに仕上げてPDFにしようと思っていたのに データを持ってくるのを忘れてしまった。 まぬけだ。すごいへこんだ。
雨の中ぼんやり思ったこと。 ウイルスって土砂降りの中でも中空を漂えるんだろうか。 あまりに微小だから直撃されきれない? またはあまり影響をうけないのか… はたまた足元に流されうるのか…
あと仮に重力が何倍にもなったら やはりウイルスはちょっとは下にとどまるのか… 自重が殆ど無いから影響受けない、としたら どこまで重力強まれば地面にへばりつくのか…
あほみたいな疑問だけどこういう素朴な考え大事にしたい。
大日本人。 そこかしこで批評されてる文をこれまで見てきたけど 当を得てるものってほとんどない。 「ねらいが全部わかった上で、酷評せざるを得ない」みたいな文言に、 いやわかってないよ、と証すのはとてもむつかしい。 あのオチって、これまで彼がごっつやビジュアルバムでやってきた “嫌ぁ感じ”と、 放送室などで語られてきた 少年-青少年期に見舞われる”ブルーさ” などが、アメリカ人と対比させることで日本人のいじましさに背負われて… とかなんとか言い出すと、まぁ言い切れなくもないのだけど、 あのお見事な表現を小さく浅くしてしまう。
メタミステリと世界観のちゃぶ台返しを同時にやってしまったのが失敗の要因、 という批評分をどっかで読んだが的外れも甚だしい。 映画批評の文脈で捉えようとしたときにかとうじて成立するかもしれないが、 大日本人は 「コントの要領で映画をやった」のではなく 「映画の要領でコントをやった」と見なくては本質をつかめない。 映画は表現手法に用立てられてただけで、 表現されるべきものを形にするにあたって、ある手法が取り入れられた。 だから、手法は主語にならない。 そこを転倒させている批評家が多い。
夕飯は妻のリクエストでニンニクチャーハン。 キャベツだけ足した。実に美味い。
チャンネルまわしているとコナンの映画がやっていた。 つっこみ入れながら観た。 刑事どもがわらわらと群れをなして 捜査本部で立ち尽くして何もしていない画が面白かった。
明日はお義母さんと三人でベビーカーを見に行く予定だったが、 なんでも熱が出てしまったらしい。 37.5度。 コロナの心配は薄いだろうという見込みだそうだが、 明日は二人で行くこととなった。
民話を読み聞かせて寝た。
| 2022年04月14日(木) |
仕事と料理、ライト設置できず |
雨。ちょっと寒い。 今朝も妻は明け方に起きていた。 その後は眠れたようだが、 僕は6時から起きていた。
弁当は鶏もも肉と玉ねぎ人参豆板醤炒め…にするつもりが、 またもや豚肉と間違えてしまった。 豚肉の小間、まるめて冷凍しておくと鶏ももと区別がつかない。 急きょ、玉ねぎはやめて長ネギにした。 あとキャベツを足してやった。
仕事について。 今の職場を去ったかつての後輩たちの去り際の声として 仕事は好きなんですけど… と何度も聞いた覚えがある。 この場合の「仕事」、料理と似たようなものだな。 一概に料理といっても、調理そのものの前後に、 献立決めや好き嫌いの聞き取りや 食材の購入や管理や食器の選定や 皿洗いや生ゴミの始末や残り物の保管など 「面倒くさい」ことが山ほどある。 で 「料理は好きだけど、洗いものが嫌い」 みたいな言葉にまとめられる。 仕事なら、実業務そのものの周りに、 上下への報告やクライアントとの連絡や 機器在庫管理や設備メンテナンスや トラブル対応やスケジュール調整や 経費計上や法令の確認や 人間関係の調停や派閥による障害の緩和や 同僚のメンタルケアや会議や朝礼や打ち合わせや メールや電話やメッセージのやりとりや そういう雑多な面倒ごと全部ひっくるめて 「仕事」なわけで、 なるべくぶったぎるようなものじゃないんだけど まぁ手ぇ動かす作業だけをそう呼びたい気持ちはわかる。 面倒だからな。 とはいっても人が面倒がるところ、人が嫌がるところに、 仕事って発生するわけだからな。
すげー今更だけど ここの日記の文はあくまで自分用メモなので それっぽいこと言ってても論理の飛躍があったり 結論がなかったり 人に聞かせられる体裁になってないことが多い。 あくまで種です。 あとで咲かせるためのもの。
夕飯はカツオの刺身。 どうしても食べたくなった。 塩と酒を揉み込んで数十分冷やしてから キッチンペーパーで拭き取って、生姜醤油でいただく。 味噌汁が合うこと。美味しい。
食後、妻がソファに座ってくれといざなってくる。 そしてリモコンを手渡す。 テレビの方に向かってスイッチを押せという。 するとテレビが置かれている床の間に照明が灯った。 それもちかちかと点滅している。 「カラオケみたいだな」 電飾を壁にとりつけられるよう、せっせと工作したものらしい。 部屋の暗さをどうにかしたいといい続けていたが こう解決されるのか。ちょっと面白かった。
ソファ上にランプも取り付けたいらしく、そちらはちょっと苦労した。 配線が上手にいかない。 こうすればああすればと1時間弱ほど付き合ったが、あとは任せた。 寝室にこもってトキノを執筆した。 99%ってとこまでいった。
入浴は熱々でキメた。 春になっても冬の風情を楽しめるのはこれはこれでいいな。
洗濯、洗い物を済ませて0時過ぎに寝室へ。 今夜も民話を読み聞かせて寝た。
| 2022年04月13日(水) |
金儲け、カツオ漁船とフェミニズム、異文化おもろ |
あたたか。 弁当はビビンパ。 ちょっとご飯多めにしてしまった。
民放の朝番組で東大の入学式追っかけてた。 新入生をつかまえてインタビュー。 でどっかから引っ張ってきたアンケート結果を報じていた。 東大生が官僚よりも外資コンサルを志望しているとの話は 以前から聞いていたがつくづく嘆かわしい。 いやこのアンケート自体信用するにたるものではないし、 別に官僚志望であってほしいわけでもないし、 何より本人らが勝ち得た立場からどんな人生を希望するかは 本人らの勝手であって外野がどうこういうもんじゃない…のは それはそうなんだけれども、 でも、あくまで大学は学問を追究する機関であってほしい。 その頂点たる東大が、就職の通過点のように扱われるのは気にくわない。 集まる頭脳ももったいない。
金儲けについて。 拝金主義への嫌悪とか ゆきすぎた資本種社会への警鐘とか そういう思想抜きにしても、 金というのはとことん手段なのであって 金集めの目的化は馬鹿馬鹿しいものだとは (こんな)今でも言ってしまえると思う。 「金より大事なものはない」 「じゃあ、何にもお金を使えないね」 という撞着。
まあ実際には、保有資産そのものが 価値を付加させて事態を巻き込んでいくから その場合は目的化し得るし 一概には否定しちゃならんのだけど。 それも虚だなと思う。 その虚の扱いはほとんどの人間が持て余すもので、 高級な不幸を呼びがちでやっぱり馬鹿らしい。
帰り道、毎日のように妻と電話している。 10分程度とはいえ、どうせ家に帰れば一緒にいるのに仲のいいことだ。 今日はプールに行ってみたらしい。 家のほとんど目の前に区立体育館があり、 家を出てから5分後には着水できるらしかった。 20分ほど泳いだり水中を歩いたりしたそうだ。 妊婦にはちょうどいい運動だろう。
帰宅後即調理。 夕飯はペペロンチーノ。 菜の花入れたかったけど買えず。 海老とキャベツで仕上げた。
録画しておいた100カメのカツオ漁船の回を 途中まで見た。面白い。 土佐の一本釣りという漫画を読んで以来、 カツオ漁船には興味惹かれている。
当然のことながら男所帯。 二十数人の乗組員はすべて男。 見るからに不衛生であるし、 飯は冷ましてすぐに食え、 いつでも動けるようにしろという厳しい労働環境。 ここに対して、 「女性も働ける環境づくりを怠るな!」 と誰が声をあげるだろうか。 力不足であったり、生理があったり、 男女平等を目指す社会において そうしたハンディキャップは配慮されるべきだけれど、 ここに女がいても邪魔なだけだ。 別にやりたがりもしないだろう。 よしんばそういう声が (軽率な男性が女性に「脱げば稼げるんだからいいよな」というのと似た感覚で) あがったとして、 こうした男だけで構成されることを前提とした労働環境に 女性が組み込まれるよう改正措置が実施されるのは、 よほど後のことになるだろう。 優先順位の、後の後の後だ。
この「優先順位」が肝だ。 ここを呑み込んでくれたなら、 フェミニズム(にわかフェミも含む)に理解を示さない男たちも、 その男たちに呆れる女たちも、 それぞれちょっとは歩み寄ってくれそうなものなのだけど。 「いまだに○○が女性に配慮されてないのはおかしい!」 というご指摘は、単に優先順位の問題であることが多い。 いや、単にまとめるのは乱暴すぎるか…。 でもその考えかたを導入してみると、 もうちょっと理解がえやすいと思うんだけどな。
フェミニズム界隈の最大の問題は、 言論の正しさや妥当性よりも、 反論者と話が噛み合ってないことだ。 そこんとこに着目して、 両者が歩み寄れるように 議論の下地を整えてやるべきなのだけれど、 なかなかそういう話を聞かない。
入浴後、火照った身体にバスタオル一枚だけ巻いて庭で涼んだ。 なんてぜいたくなんだろう。
民話読み聞かせ。シリア。 友情の証。 父親が息子の友だちをぼろくそにけなす、 ついでに関係のないジプシーを引き合いに悪し様に罵り、 そしてお前の悪友たちの友情を確かめてやるという。 息子が殺人を犯してしまった、と一芝居打って、 ただワケありだから秘密にしてほしいと、その友人たちに言う。 だが友人たちはお城へと報告しに行った。 軍司令官が家に出向き、息子の代わりに父親は捕らえられた。 さんざんお騒がせさせておいてから、父親はことの次第を打ち明ける。 実は殺人なんてなかったのだと。 死体と見せかけたものは羊の死骸だと。 息子の友人たちがどう出るものか試したかったのだと…。 軍の司令官は感心して、父親には金を差し上げた。 息子の友人たちは友情の甲斐がないとして逮捕した。
は
はあああああーーー?
……ってびっくりしちまったけど、 これだから異文化は面白い。 今自分が無自覚に信仰している倫理観、正義、常識が、 絶対的なものではないのだと教えてくれる。 この話を「おかしいよ」ってあざ笑うのは違う。 まぁオフザケレベルではツッコミ入れて楽しんでるのだけど。
| 2022年04月12日(火) |
飯田橋駅嫌い、遺失物センター、爆発オチ |
晴れ。すっかり暑い。ここ数日は6月中旬並だとか。
今朝も早朝、妻に起こされた。 やはりよく眠れないのだという。 日中にプールへ行って運動してみるかと検討していた。 僕は再び寝たかったが、 ちくわ、ちくわ、と意味のない言葉をつぶやきつつ、ぶって妨害してくる。 「ふと思ったんだけど、ちくわって、竹の輪って書くよな、 竹の中が空洞だから、その構造からきてるのか…?」 「どうかな? 竹に巻きつけて焼くんじゃない?」 調べてみると僕の方が合っていた。 ちくわ、ちくわと妻は繰り返し、僕をぶった。
朝イチで豆腐特集。 またか!! と妻が声を上げていた。 「どいつもこいつも! 豆腐食えって豆腐食えって…」 実際、妻の弱めの身体には最適とすらいいきれる食べ物なのだが まだまだ好んで食べる気にはなれないようだ。
弁当は白菜と鶏もも肉を…と思って肉を解凍したら 豚肉だったけどもういいとして、 オイスターソースと醤油、みりん、胡椒で味付け。 それとは別に、自分用にタマゴサンドを用意した。
8時半に家を出て、駅に向かう途中、うぐいすの鳴き声がした。 どっかの民家の庭から聞こえてくる。 思わず妻に電話した。 すぐにそうやって伝えられる相手がいるってのはいいことだな。
昼休み。 九段下駅まで走って電車に乗り込み飯田橋へ。 徒歩5分で遺失物センターに到着。空いていた。 本当にそれらしい物が届いていないか調べなおしてもらったが、ない…。 鍵の番号はわかるかと問われ、観念して妻に連絡を取り、 紛失の旨を白状して番号を教えてもらった。 が、ない。 ウーン…。 しかし悪用のしようもないはずだから、 どっかからヒョッコリ出てくるものとして、 まだ待ってみることにした。
まだ12時20分だったので 飯田橋のブックオフに寄ったら20%オフやってた。 衛府の七忍がセット販売してたから買った。 レジ打ちの青年が研修中だったらしく はじめ8900円とかにしちゃっていて 先輩店員が声掛けもしたのだけど 見向きもせず一人でノロノロと対処しようとしていて よくなかった。 研修中だからね、仕方ない……。 しかし随分長々待たされたから謝ってはほしかった。 でも何か言うとクレームっぽくなってしまうから どうもとだけ述べて去った。
飯田橋駅前の交差点は入り組んでいて、 複雑な車の行き来のせいで信号待ちがべらぼうに長い。 だからあほみたいにでかく長い歩道橋がある。 で五又くらいになっているのだけど イッコだけ階段の延びていない角がある。 ちょうどそこに位置しながら、信号待ちにもひっかかり、 えらい待たされた。 ここを除いても飯田橋付近は道が悪い。駅構内もやたらと歩かされる。 東京有数の不快駅。 でも若いころの思い出もいくらかあるんだよな…。
12時40分。電車で帰るには惜しい天気。 サンドイッチを食べながら散歩がてら戻ろうと、 ろくでもねえ道を歩いてって九段下へ。 …本来なら10分程度で着くはずなのだけど、 なにしろ道が悪い。信号が長い。車通りも煩わしい。 戻りは休憩時間ぎりぎりとなった。
西荻から帰宅。 八百屋に寄ったが菜の花が売り切れており買えず。 肉屋に寄って今夜のハンバーグのための挽肉を買おう、 と思ったら少量か大量しかない。 挽肉は痛みやすいし、買ってきた挽肉を冷凍保存したことないから、 どちらを買うのもためらわれ、悩んだ挙句に 焼きゃあいい状態になってるハンバーグのタネを買った。 肉屋のだしな。ここのは他のも美味しいし信じられる。 あと牛肉を買った。総じて800円。ちょっとする。 帰り道で別の八百屋に寄り、菜の花を見かけたけれど 480円という高価格であったので諦めた。 まだマルエツがある…と最後の望みを託してみたのだが こちらには売っておらず。断念。
帰宅して、鍵の件をこってり妻から絞られた。 冗談めかしていじってくれるだけありがたい。 夕飯のハンバーグは出来合いだから調理時間に余裕があり、 数十分持て余すとかえって何も動けなくなったりした。 大根をおろし、味噌汁を準備し、いつものサラダを整える。 人参は軽く茹でてからソテーする。 ハンバーグは両面を5分ずつ焼いて焦げ色を付け、 水を入れて蓋しさらに5分焼き、火を止めて5分蒸らす。 肉汁に醤油と酒を入れて、煮つめたソースをかけて、 大根おろし、小ねぎ、人参を添えてできあがり。 ンまかったな。 それでも自分で作ったほうがわずかに美味しいかな。 微差だけど…。
録画しておいた、Eテレの 魔改造技術者養成学校とかいう番組を見た。 大科学実験みたいな企画かと思われたけど、 こちらは企業の技術者同士を競わせていて、 そのスピンオフみたいな形で技術者に講義してもらおうという 半ドキュメンタリー的な構成。 講義自体はそんなに面白くない。 まるでビジネスマン向けみたいだったな。
食後ちょっと妻と窓際ソファでくつろいで、 寝室に移動して漫画読んでから 1時間少々トキノの執筆にあてた。 執筆っていってもやってることは推敲で、 ここの言葉を置き換えよううーんうーんと 唸ってる時間がほとんどだから書いてるって実感はない。
22時半入浴。 昨日の残り湯を追い焚きしたつもりが、 栓が閉まりきっていなかったらしく空っぽだった。 蓋してるから入るときまで気づかないという罠。 やむなくそのまま入った。 湯が溜まるまでは寒い…というほどでもない季節の移りに感謝した。
さよなら絵梨を読んだという妻が、 面白かった、ルックバックよりずっとよいという感想を漏らしていた。 「爆発好きだからね、私は…」 そういえばそうだった。 で、爆発で終わる映画なにがあったっけ、というので脳内検索してみたが、 気狂いピエロくらいしか思いつかない。 つまはスワロウテイルをあげた。そういえばそうだった。 あとは全然だった。 「たぶん、ハリウッド映画にたくさんあるんだと思うよ」 「あれ、私、全然爆発映画好きじゃない…?」 爆発そのものも好きだそうだが、 結末として それまで丹念に積み重ねてきたものが 盛大に吹っ飛ぶという仕掛けがたまらないらしい。
今夜も倫理観の崩壊した民話を読み聞かせて寝た。
| 2022年04月11日(月) |
ちくわ、創作、老女と悪魔の民話 |
晴れ。あったけえ。 花粉はもりもり。
明け方、妻に起こされた。 道連れのテイだ。 僕を起こしたところで眠れるわけじゃないだろうに。 もうわけのワカラン言葉で許してもらうと、 ちくわ、 ちくわ、 と言ってたら寝入ってくれた。
昨日の生春巻きの出来が惜しく、 スイートチリソース作ってみた。 豆板醤、酢、砂糖、塩、にんにくを混ぜるだけ。 こんなもんだったんけ。ちゃんと美味しいし。
藤本タツキ先生の200P読みきり読んだ。 さよなら絵梨。 面白かったな。 ルックバックより好きだ。 映画の”編集”による映像選別が、 思い出したい記憶の選別と重なる構造に感動した。 で絵が超絶上手いっていう……。 こう見るともうほとんど沙村広明臭ないんだな。 イヤなのはネット上の…というかTwitter上の品評。 批評用語寄せ集めて一見ナルホドと思わせられるような 感想があちらこちらに発生している。 嫌だなあ、嫌としか言いようがないが……。
前回、ルックバックのときは、 ちょうど僕は天使の不在証明を書き終えるところだった。 今回はトキノを書き終えるところ。 いやがおうにも創作について考えてしまう。 圧倒的に、構成と表現手法、演出が上手い。 プロのなかでもほとんどテッペンの人といえるのだから そりゃあそうなんだろうが、 自分の素人くささが際立つ。 そして、読者にうったえかけるものがある。 僕の創作は好き勝手にやってるだけで、 どれだけ読者に響くか、全くこころもとない。 近しい人間を読者に想定してみてすら、 読まれない、読み解かれない、好みじゃないだろう、 誤解されそう、退屈がられそう、…と、 どの人も気に入ってはくれなさそうだ。 それでも書くけどね……。 面白いものは書けてる。 あとは技量の問題なはずだ。 技量なんて書いてりゃあがんだろ。 それが若い頃ならねえとかいって踏みとどまるような 意気地のなさにさえ取り憑かれなければ、なんとかなる。
夕飯は餃子。 冷凍の美味しいやつ。 これをグレーテルのかまど見ながら食べた。 菜の花のケーキ作ってた。 苦くないようにないように…って工夫してたけど、 はたして美味いのかしらん。 クリームは豆腐をアレンジしたもの。マジか。 作る気にはなれないが、 せっかく春が来たし菜の花のパスタは近日中にやっとこうと思った。
食後、今夜もソファでくつろいだ。 夜風を浴びながらだらだらと話した。 今週末、妻の同僚が遊びに来ることとなった。 外資コンサルのなかでも、外資コンサルっぽくない面々らしい。 男1女1。 僕は飯でもてなすこととなる。 もてなすのは好きだ。 とくに初回は、レパートリーのなかでも これぞという品を出せるしやりやすい。 ちょっと大変だけど。
民話読み聞かせ。 今夜はパレスチナの民話。 老女と悪魔とが、 どちらが人に嫌な思いをさせられるかの腕比べをする話。 この時点で面白いもんな。 悪魔と渡り合える老女何者だって話だし。 で 悪魔は男二人にちょっかいだして憎悪を煽って殺させてた。 老女は老女で、夫婦にちょっかいだして 夫が妻にひどい仕打ちをするよう仕向けたけど、 実は私がウラで糸引いてただけで あなたが妻を憎む理由はないのでしたー ドッキリ大成功 みたいな打ち明けをすることで 夫婦仲をもとに戻してた。 で悪魔に お前さんは取り返しのつかないことはできるようだけど その点私のほうが一歩ウワテみたいだねえ とかいっていきる。 は? 悪魔は悪魔で、 負けを認めなくちゃならんようだ とかいい出す。 え? 中東の論理わかんねえ。 わかんなさが面白い。
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