舌の色はピンク
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上野動物園にてハシビロコウさんに睨まれ、謝ってきた。
やぁ、俺は花粉狂の男だ。名前は捨てた。花粉を吸い込んだら死ぬと診断された幼少のみぎりにね。だってそうだろう? 花粉、即、死の男なんて他にいないのだから、個体差を識別するための名前なんて不要さ。何より名字を背負う人生が辛くてね。一族郎党が花粉狂差別に遭う不幸を避けたかったのだね、まったく英断だよ。うん、よくできた人間だろう? まっとうな大人だろう? でも花粉吸い込んだら死ぬんだぜ俺。 かといってね、嘆くばかりの日々でもない。ノーマルな花粉症の輩を見ると優越感があるのさ。なぜなら俺は花粉を吸い込んだ経験ゼロ。発症経験ゼロ。まぁ当たり前の話です。くしゃみしているノーマルが可哀想過ぎて泣けてくるよ。ブラウン管越しにね。そこが核シェルター生まれ核シェルター育ち核シェルター住まいの難点かな。一度くらいは生でノーマル拝んでみたかったもんだ。 さて、医者から「なんだかんだいって死ぬ前に狂うだろ」とかいう理不尽な根拠で名付けられたこの病を患って以来、どうにかこうにか健常に生き続けてもう15年が経つ。ここらで俺は動こうと思う。生身の体で、日照り風薫る世界を堪能しようと思う。ナニ、花粉で死にはしない。というか地上は俺以外死滅してる。花粉ふぜいに殺されるよりは、みんなと同じ放射能で死ぬってのがさ、人間だろう? まっとうな大人だろう? どんなに日が重くたって、風が腐ってたって、いいんだ。俺は花粉に負けなかった。心から満足して向かうよ。比べればすこしは美しい世界へ。
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花粉を絶つには核で地球が滅亡するしかない、というお話。
「インドアとアウトドアってあるけど。じゃあ半ドアは何だろう?」 「外でもあって内でもあって?」 「卓球、みたいな」 「屋内でイン、スポーツでアウトとする属性決定は短絡的でないか」 「例だよ。なにかある?」 「……迷路」 「迷路……」 「しか、ない」 「そんな!」 「迷路…迷宮…迷いの森…しか、ない」
…
「あ、テントは!?」 「テント! いや何かおかしくねそれもうイン半分アウト半分ていうか両方100%だもん」 「これが…全ドア!」 「『これが…全ドア!』…!?」
(20090404/恋人×れどれ/部屋)

ノビってきもちいい!
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ふと発心して先月末から姿勢を矯正しているわけです。 なにしろ骨盤の歪みが情けない。 ろくに両の足で大地踏みしめることもかなわんとは この世界に負けている気がしてかっこわるい。年取って腰痛めるのも嫌だし。
日中は人目あるから割合ビシッとできる。 問題は一人きりの夜で、これはもう自分とのたたかいだ。 この世界と自分には負けたくないね。(試合前のインタビュー風に)
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歴代CD売り上げの上位ってだいたいラブソングだ! すごいはっけんだ! ラブソングって偉大だな! と思って昼間どきどきしてたんだけど 冷静になってみればとてつもない今更感。そりゃそうかっていう。 掃いて捨てるほど愛の歌あるんですもの。 そういえばこの前真夜中にTVで吉井ロックスター和哉のソロライブ特集してて Do The Flippingって曲がやけにかっこよかった。ソロも追ってみようかしら。
| 2009年03月31日(火) |
昔のことなんか忘れちゃえ |
恋人のライブを観に横浜へ行った。 平成生まれの女の子バンドだったのだけど しょっぱなのMCで「わたしたちおばさんが」とか言っちゃうくらい 参加陣が若々しいイベントで、 高校生が多数のさばる異様な空間に生命エネルギーを奪われた。 あのテンションってなんなんだろう。 ヴィジュアル系なバンドが演奏してる轟音にまぎれて なぜか現場で写メ自撮りしてる男子客まで居た始末だから手に負えない。
若さ瑞々しい有様が著しく苦手で 己の生気が根こそぎ喪失する実感にげっそりやつれ果てる。 なんつって「若さが」とか語っちゃう論調自体がばかばかしくも思え、 黙ってうまいこと生理的失調が基調を乱さぬよう調律させたいのだけど、 一朝一夕では到達できないその域を目指している合間に また自身が若さから遠ざかる皮肉ときたら! …もういちいち語らず放っときゃいいんだよな。 若さとは振り向かないことさって宇宙刑事ギャバンも歌ってたもんな。
(見舞いってたのしい……)
「もしもし」 「もしもし、どうしたの」 「足怪我しちゃってさ、明日から入院するんだよねヨロシク」 「まじで! 今日ならお見舞い行けるよ」 「明日からだって言ってるだろ!」 「今日でもいいだろ!」 「意味ねぇだろ!」 「場所とか時間じゃなくてお見舞いする心が大事なんだろ!」 「する気ねぇだろ!」
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友達のワタャイアンくんが右足の腱を切ってしまい、 近々手術するのだそうだ。 それにともなって一週間の入院を強いられる報を聞いて 週末を使い見舞う決心を固めたのだが そういうときのスタンダードな持参品、 つまり果物や本やエロ本のたぐいを例に並べ立ててみたところ 「いや、何も要らない」とのたまう。 「じゃあどうすんの」 「いや…ふつうに…話相手になってほしい……」 いじらしいやつ。見て舞うしかない。でも寒かったら行かない。
| 2009年03月26日(木) |
非燃焼系♪ 非燃焼系♪ |
いよいよジンジャーエールにもカロリーゼロバージョンがでた。 カロリー欲しいんですけどね。それバージョンしか売ってなかったりする。 なんというか「サボるな」と思う。 カロリーゼロは糧としてサボってる。 ディズニーランドでエンターテインメントゼロデイがあったら残念じゃないですか。 いや実際あったらちょっと行ってみたくはなるけど。ディズニー嫌いな自分でも。 強調したいのは本分を忘れるなというところ。 むしろカロリー2倍とか2乗とかにして テラカロリーの単位にまでレベルアップした飲食物を望んでいる。夢が広がる。
| 2009年03月24日(火) |
ビフォアエイプリルフール |
気がつけばエイプリルフールが近い。 まったくこいつときたら極めて巧妙な日取りなもので、 月初に据えられているゆえに3月に意識しないといつのまにか当日だ。あるいは過ぎている。 エイプリルフールのごとき社会に手配された俗事は元々好まないのだけども、 いちどくらいは何かやっときたい気もする。
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おそらく4月1日は365日のなかで最もプロポーズが遂行されない日だろう。 そして4月1日だけは命日にしたくない。 訃音に接した知己も 「え、ウソだろ……って…、あぁwww ウソwww」 みたいなリアクションするだろうし。 冠婚葬祭おしなべて向いてない。 いやさ祭りか? そこが寒いよなぁ、あえて躍らされるとかゆってみたりするスタンスすら… やっぱやめとこう…… 誰とも話さず情報を遮断した孤島領域を構えて臨もう……
小学校に入ったくらいのころ、 母親と道を歩いていたら 割と遠くにある電光掲示板を指差され 「あれ読める?」と問いかけられた。 他愛ないひらがなのテストだったのだろうが、 それ以前に視力が追いついてなく 僕は「遠くて見えない」という正直な返答をした。
「え……っ?」
到底我が子に向けざるべき形相を母親はその顔面に浮かべた。 視力2.0の彼女には信じられないできごとだったらしく それがどんなに絶望的なことか思い知らされた少年がそこには居た。 世界とは己が視界が全てだったのに、 母親という他者を迎えて、さぁいざ劣等の事実を突きつけられたのだ。 「ぼくは実の母親に『え……っ?』とか言われてしまうこの劣等の視力で 今後の人生を過ごしていくのか。 今回の人生は『え……っ?』なのか」 そう思った。
母親が遠視と知ってからは 近視のアドバンテージに誇りを見出し始め どうにか活路が開けた。 でも次回は人並の視力に生まれたい。
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