舌の色はピンク
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「ちょっとさー電車の席譲りなんだけど語っていいですかあ!?もう今までの流れとは関係ない話なんですけど!」 「好感度上がるか下がるかわからんから怖いけどよお」 「別に語っていいじゃないか。俺はいつでも味方だぜ」 「ちなみにキミは、じゃあ一人で電車に乗ってました。座席が空いていたので座りました。数駅通過して混みあってきたときに、おばあさんがやってきました」 「自分の目の前に。さぁどうする?」 「絶対にどかねぇよ!」 「あぁ、素直な青年」 「え、なんかあんの」 「僕はねえ今日は『本当の優しさ』について語りたいんですよ」 「ほほう」 「僕って意外に、結構優しいじゃないですか」 「あー。まぁ」 「まぁ優しくはないけど」 「どっちだよ」 「こう、悪と見なされたくない」 「自分自身に蔑まれたくないっていうのはあるんですよ」 「なるほど」 「おばあさんがね、いかにも座らせないといけないみたいな社会的オーラを放っていたら、そりゃあ寝てるふりはしませんよ」 「でもねえ!」 「でも!?」 「ここで、いわゆる『優しい男☆』みたいなやつって『あ、席どうぞ』とかいって席譲るでしょう!?」 「アレ、嫌いですね」 「大ッ嫌いです」 「えー、なんでぇ」 「完全に優しさふりまいてるじゃないですか」 「アレはアレで好感持てるんじゃなく?」 「周囲も『あ、この若者優しい』と思うわけじゃないですか」 「うん思うよ」 「自分目線でいくと『優しいと思わせたった!』っていうのが数%はあるじゃないですか」 「んーまぁ、あるかなぁ」 「おばあさんも『ありがとねえ』なんつって。それはそれでハッピーエンドですよ」 「しかしねー考えてみてください。」 「おう、何を考えるの」 「優しくされた側、気遣われた側の目線で考えてください」 「『気遣わせちゃったなあ』っていう気持ちが、やっぱり数%はあるんですよ」 「あーまーあるでしょうねぇ」 「『本当は譲ってもらうほどでもないのに悪かったなぁ』っていう場合とかね」 「本当の優しさっていうのは、相手にその気遣いを悟られてはいけないんです」 「実際は足腰強いかもしれないしね!」 「僕だったら黙って席を立ちますよ。立って、車両を一度出ます。そしてそのまま別の車両に移ります」 「うおっほ、カッコイイ」 「ウーンまぁ、カッコイイとかじゃなくて!」 「これが最も自然で、相手も『気遣われた感』を負わず、そして周囲に優しさをアピールするような浅はかなこともなくなる手段です」 「でも、車両の端の人には見えるかもしれませんよ!?アレ?この人また乗ったわって」 「見られたっていいじゃないですか!!」 「俺が一人変人に見られてもよ!」 「うわ降りる駅間違えてるってアホな若者はおもいまっせ?」 「まぁ、あくまで僕の場合はというひとつの解決法ですからここはさして問題じゃないんです」 「論点は『優しさアピール』のやつなんです」 「そもそもね!?」 「おう!」 「混みあったら席譲るくらいの覚悟ならはじめから座るなって話なんですよ!」 「そうでしょう!?」 「んー、まぁそうかなあ」 「それを始めに座るってことは、席を譲る快感、自己満足に浸りたいエゴエゴ野郎に過ぎないってことなんですよ」 「そ、それは飛躍してませんか?」 「いや、間違いないですね」 「たまたまおばあちゃん来ただけかもしれないじゃないですか」 「電車内で座っている輩は100%そうです」 「全員」 「え、じゃぁアナタは毎回たってるの!?」 「座りますよ」 「どないやねん・・・!」 「もうねぇ、100%そうですのあたりからねぇ、オチが見えてしょうがなかったわ」 「いやホントにねえ」 「え、じゃぁ、じゃぁ、座ってるんですね!?」 「というかほぼ大体座ってますね」 「あなたも譲る快感を味わいたい側なんですね!?」 「なんだったら立ってても席譲れオーラを放ってますね」 「コイツ最悪だww」 「いやいや、おばあさんとかが乗ってきたら譲りますよ!」 「さっき述べたとおりです」 「というかね! ちょっと聞け! 」 「ゆずるの否定する側に居たんじゃないの!?」 「聞け!」 「おう!」 「正座!」 「え、えぇ!?」 「あぁまぁしますよはい」 「さっき僕言いましたね。ハナから優しさアピールしたくて席につくようなやつはそもそも座るなと」 「これはね、おばあさんにも言えますよ」 「あいつら席は譲ってもらえるものだと思ってるんです」 「そりゃ思ってるでしょうねぇ老人ですから」 「譲ってもらったら『都会の優しさに触れた』感味わって満足なんです」 「譲ってもらえなかったら『これだから都会は』『最近の若者は』とか言うんです」 「井戸端会議で」 「頭ももう老衰してきてるから」 「だからね!? あいつらももう、そもそも電車乗るなって話なんですよ」 「こいつ……」 「井戸端会議もってくかどうかわからんけど、足腰弱いおばあさんは譲ってもらったら、優しさに触れた感よりも疲労しないでありがたいって思うと思いますよ?」 「疲労を前提に動くなって話なんですよ」 「アホが!」 「え、ちょちょっとまってちょっと」 「なんですか」 「電車が席を設置しなければいいっていう考え方も、成り立つよなぁ」 「……それは困るじゃんか」 「なんで!?」 「俺が」 「疲労を意識しないんだろ!?」 「意識せずに動くんやろ!?」 「(笑)」 「まぁ老人が電車乗るのはじゃあ百歩譲ってよしとしましょう」 「おう」 「百席、譲ってよしとしましょう」 「え、どゆこと?」 「完全に譲る側にまわったってこと?」 「知らん」 「は!?」 「俺の話を聞けえ!」 「聞いてるよ!」 「知らんってなんだよ!」 「やっぱりねー、優しさを履き違えている男が世の中多すぎるんですよ」 「あーそこまで話いきますかー」 「でもやっぱり好感度上げたいですよ」 「うーん。今まで言ってきたように、本当の優しさは相手に気付かれないから、たしかに自分への好感度が上がらないんですよ」 「でもね、本音を言えばやっぱり上げたいじゃないですか」 「……両立できるんですよ」 「実は」 「え、えええ?」 「じゃあ、僕の体験談をもとに話しましょう」
(中略)
「さっきの話だけどさぁ。核心の『僕だったら黙って席を立ちますよ』って、言うの。やっぱりどうかと思うよねえ」 「どういうこと」 「こうやって発言してる時点で、それも一つの優しさアピールじゃないですか」 「やっぱりねー僕ってねえ」 「おう、なによ」 「優しいと言われたくない男なんですよ。ていうか、別に優しくないし」 「もうね、寒いでしょう」 「(あ、優しいって思われたくて優しい行動とったみたいになってる俺ー……!)ってなってしまうんですよ。さっぶいんですよ」 「好感度上げようと必死なんですよ、要するに。世の中の優しい気取りどもは。彼らと同じに見なされたくない」 「んまぁ、要するにそうね」 「つまりね、彼ら自分に自信がないんです」 「自信があれば別に人に認めてもらう必要なんてないんですよ。 」 「さっき本音言えば好感度上げたい言ったじゃん!」 「あれは別」 「えぇえ」 「あの場合は別」 「コイツなんでもありだなぁ」 「いやいやいやいや!!」 「アー!」 「じゃあねえ!」 「えーーーーー」 「なによ」 「理性なんですよ」 「理性!?」 「今まで長々と理屈を述べてきましたよね」 「だらだらとやってきましたね」 「だらだら言うな」 「屁理屈と言われるかもわかりませんけど。でもいちおう、論理的ぽくはあったじゃないですか」 「理性を発揮して」 「それが屁理屈なんじゃね?」 「優しさにせよなんにせよ、善良な理性を乱すなってことなんです。僕が言いたいのは」 「ここでね 」 「じゃあ、問題を出しますよ」 「理性の反対語ってなんですか?」 「んー、まぁ野生とかそんなんじゃないのかなぁ」 「……ッハァー……」 「な、なんですかぁ」 「素潜り名人でもここまでの溜め息はでないわ」 「ハァー……。呆れるわ」 「素潜りは吸う側でしょう!はきません!」 「浅はかなよお」 「そんな、あんたの考えがもう野生ですわ」 「わからん」 「じゃあ、正解を教えてあげますよ。メモってください」 「はいなんですか」 「赤ペンを用意してメモってください」 「お、重要ですねぇ」 「赤ペンと修正液を用意してください」 「間違える気満々だなぁもういいから早くいけ」 「じゃあ言いますよ。理性の反対語はねえ」 「……」 「『恋』です」 「……」 「……いかん、これはいかんよ」 「先が見えてこないもん」 「理性と恋は両立できないんです」 「んまぁ、まぁそうだなぁ」 「だから、下心がある場合には、理性を下敷きにした理論は通用しないんです」 「じゃぁ理性と愛は成立できんのか」 「愛は別ですよ。愛は受動的なものですからね」 「対して、恋は積極的なものです」 「なんだー? 今日は哲学的だなぁ」 「愛っていうのは、どこか見返りを期待しているんです。利他的な行為って実は突き詰めると結局利己的な自己満足だったりするでしょう」 「するかもしれませんねぇ」 「恋は向こう見ずですから。自らを押しだしてくばかりの、積極的なことなんです」 「たしかにまぁそうですわなぁ」 「結構いいこと言ってるでしょう?」 「理性と恋は両立しないんですよ」 「言ってますけどペンは動いてないよ?」 「ええええーー!?」 「全然まだ書くことないわー、早く講義はじまらんかなあ」 「素潜り名人が全力の肺活量を振り絞ったええええーー!?が出るわ」 「メチャクチャいいこと言ってるんですけどねえ・・・」 「ここの講師なんやら触りの部分から核心になかなか入らないなあ」 「うん、いや、まぁいいことよ 」 「マジでね」 「うん、マジでね」 「好感度上げたい自分と優しさアピールしたくない自分は全然矛盾してないです」 「うん、まぁしてない、うん」 「でもこの考えは」 「じゃあ優しさアピールしたい連中も恋してるんだからいいじゃないかという意見もありますね」 「あるでしょうねぇそりゃ」 「先生、話しながらそのことに気付いてしまいました」 「やい生徒!」 「先ほど用意した修正液を先生に貸しなさい」 「あんたがつかうんかい・・・! 「センセー今日修正液忘れましたわー」 「自分の考えを自ら破綻させてしまった……もうやる気ないわぁ……」 「素潜りのくだりから消してください」 「長いなぁ」 「何も浮かばん……」 「ここまで浮かんでたらすごいと思いまっせ」 「じゃあ何かいと」 「俺はすごいと見なされてなかったんかいと」 「いやいやいや」 「さらに、ってことでね」 「いっそうやる気がなくなったわ」 「あまりになくなりすぎて何かもう逆に元気でてきたわ」 「禿げろ」 「アンタそれで本当に禿げたら自分が罪悪感負うんだから滅多なこと口にしないほうがいいぜ?」 「いや背負わんけど」 「死ね!とか言ってねえ。これも相手が事故でもなんでもして死んだら、どんな冷徹なやつでも少しは罪悪感抱きますからね」 「知らんけど」 「でも禿げは別にねぇ」 「知らんのか」 「知らんよ。実体験ないもん」 「禿 と 死 は天秤にかけてもぜんぜん禿に分銅が足りんよ」 「禿は死と直結してますからね」 「絶対してねぇ」 「生きることとは死に向かっていることなんです」 「えらいもんまた出してきたなぁ」 「どんな人間でも年をとりますから」 「年をとるごとに寿命に近づいていきます。これはもう生きとし生けるものの定めなんです」 「禿も同様です」 「完ッ全に同様です」 「完ッ全に同様て!」 「ヒャクパー」 「マジかよ」 「生きることとは禿に向かっていくことなんです」 「年をとるごとに脱毛は進行してきます」 「じゃぁ生まれた瞬間毛の生えてない赤ちゃんはなんですか!?」 「赤ちゃんは生まれたばかりでしょう」 「いま、生を授かっていたばかりなんです」 「ということはさっきまで生きてなかったんですよ」 「さっきまで死んでたんです」 「おなかの中で!?」 「死んでたんです」 「溺死?」 「知らん」 「・・・・・・」 「そういうわけでね、死と禿はとても近い存在なんですね」 「自殺者の統計から調べてみてください。中年サラリーマン多いですよ」 「彼ら皆はげてますからね」 「いやそれはわからんでしょう」 「だいたい今若者の自殺増えてますよ!?あなたの理論ですと若禿どころか小学生あたりがはげてますよ!?」 「ッアーもう」 「アホ生徒が」 「じゃあ」 「毛はえるまでもないですよ!?」 「じゃあな!?」 「お、おう」 「ちょ! やい生徒!」 「はい」 「赤ペンとメモ、さっきの。また用意しなさい」 「修正液、買っってきなさい」 「ははーん、さてはこの塾、教える気ないなぁ」 「何がだ。メッチャ教えるわ」 「自殺者はなんで自殺するのかって話なんですよ」 「だいたいにしてなんで修正液なんだよ! 黒板使って黒板消し使えばいいじゃんか! 」 「うるさいでーす!」 「席に着いて!」 「え、えぇー!!クラスみたいな感じで怒ってるけど個人レッスンって聞いて入ったんだけど」 「自殺の話をしてるんです」 「彼らは何で自殺するんですか?」 「無視かよ」 「知りません。人それぞれです」 「そりゃあ人それぞれだけども……」 「まぁ、理由がありますわな」 「そらなにかしらありますわな」 「簡単にまとめると悩みでしょうね。大小ありますが」 「まぁ大きくまとめればね」 「悩みをもつのはね、完全じゃないからです」 「不完全なんですよ」 「だから完全を求めて悩むのです」 「んーまぁそうも考えられますね」 「その悩みが極みまで達してしまうと、いわば『完全な不完全』である、死を自ら選んでしまうんです」 「やい生徒」 「赤ペン出して、姿勢正して」 「 ww 」 「全ての自殺者はつまり」 「心の禿をかかえているんnだよ……」 「噛んだ…」 「最悪だw」 「いかんわこれは」 「あぁ噛んだぁ」 「…いや、そういうことなんですよ」 「どういうことですか」 「つまり、ここぞの場面で噛んだ僕も」 「完全な人間じゃないということなんです」 「禿という不完全を背負っているわけです」 「これ禿の人怒ってくるぞ」 「それは何故かっちゅうと、先ほどキミから『ハゲろ!』と言われたあれですね」 「もうすべてあの発言で壊されてしまいましたね。呪われましたね」 「あぁ、ホントにぃ」 「罪悪感は計り知れないですね」 「いや別に」 「あぁー。禿げたくないわあ」 「君のような人はきっと…」 「じゃあ禿げて何が悪い」 「っていう話でね」 「いや何も悪くないですよ」 「!? どんな風に!?」 「いやだから悪くないですって」 「例をあげてくれんとわからん」 「体験談を発表してくれんとわからん」 「禿が悪くないということを示す体験談!?」 「十や二十あるんじゃないの」 「あるかそんなに!」 「それで良く言ったなあ」 「『何も悪くない!』」 「笑わせるわ」 「禿げて何が悪いってさっきはげたら自殺とか言ってたのは誰だ!」 「自殺て。あんなん極論ですからね」 「・・・・・」 「不完全はいいことですよ」 「ほんとこいつしばきたい」 「不完全だから完全を求めて人は成長していくんです」 「頂上は常に上にあるんです」 「頂上がなかったらつまらない世の中ですよ」 「世界が完全にまったいらだったらどうするんですか?」 「この世から登山家という職業がなくなりますよ」 「あんま気にならないかなー」 「俺もまったく気にならんわ」 「どーでもいいわ」 「人は不完全を厭って道具を手にしたんです。産業革命、科学の発展……。言うなれば人が不完全だからありえたんです」 「国の禿を治す仕事が政治家ですよ」 「まぁそんな政治家たちも禿げてますから汚職事件も起こしますけども」 「あんな禿ばっかり当選させる国民がアホなんじゃんそしたら」 「だから国民も禿げてるんです」 「みんな禿げてるんです」 「それをね!?」 「禿げろ! とは何事です!? それ」 「自分だけが優位に立ちたい、あさはかな虚栄心……」 「自己顕示欲……」 「ナルシスト……」 「おぉ、どんどん重ねてきたけれども」 「どれも同じような意味であんまり効果ないなあ」 「あんまり違う意味ではダメでしょうこの場合!」 「意外と同じ意味じゃ弱いんだよ!もっとずらしていかないと!」 「そういうわけでね」 「えらくばっさりとまとめにはいるなぁ」 「禿げろとは何事かっちゅう」 「これだけ話しておいて結局その一点かい」 「どうなのこれ」 「今日は終始そんなだなあ」 「まぁ僕は気にしないですよ」 「僕は心臓に毛が生えたような人間なんでね……」 「・・・・・・」 「決まった……」 「べつにうまくねぇ・・・」 「完全に決まった……。自分が怖い……」 「きまってないってー」
(20070220/れどれ×ジャス/チャット)
| 2007年02月13日(火) |
国語能力心的外傷事件 |
あれは忘れもしない小学校一年の、暑い夏の日のことでした。
その日、僕のクラスでカタカナの小テストがありました。 当該テストが、単純に点数をつけるのみにとどまらず 間違えた答は正解に辿り付くまで 何度でも先生に提出しなければならない形式を採っていたことが 幼い僕を悲劇へといざなう布石を磐石に至らしめていました。
設問は全て、ひらがなの字句を カタカナにして書けばいいだけの簡素なものです。 至極簡単な問題のためクラスメイトはどんどんテストを完了し、 休み時間に突入していきます。 僕はだめでした。 「ちゅうりっぷ」が難問過ぎました。 まずは「チュウリップ」でバツをもらい、 ならばと「チュウりップ」で提出するもバツをもらい、 もしやと「チユウリップ」で挑戦してもバツをもらい、 いよいよ今一度「チュウリップ」で立ち向かうも ことごとく先生にバツをもらいました。 周囲を見渡せば休み時間にはしゃぐ楽しそうな喧騒。 僕は泣きました。 当時、普段活発であった僕が泣いていることに対して 動揺しているクラスメイトの反応を見てまた泣きました。 ヒントを与えようとしてくれた友達の思慮に触れて 惨めの極みに達しまた泣きました。 落ち着いて考えればわかることだと自分でも理解しているのに いっそう焦燥に駆られるばかりでまったく頭は働きません。 体の熱が高まるのは夏のせいばかりではなかったでしょう。 たとえ汗を出してなくともこのテスト用紙は濡れていたでしょう。 いつしか僕は笑っていました。
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チューリップの花言葉は色ごとに違うそうですが それらに通底している概念は「愛」です。 いったいどこに愛があるというのでしょうか。
人が裁かれるところを鑑賞すべく 裁判所に行って来た。
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裁判傍聴は2回目、じつに1年ぶりになる。 しかしいつ来てもやるせない。ブルーだ。 強制わいせつや痴漢、児童ポルノ関連物販売などの 性犯罪に手を染めた被告が アカラサマに母親に庇ってもらっているシチュエーションなぞ 垂涎ものなのであります。 裁判官も人によっては随分と酷で、 判決を言い渡しその論拠を述べた後もすぐには閉廷せずに 「貴様の罪は一生残るぜ前科野郎」「わいせつわいせつ」という旨の お説教をネチネチ被告にまくしたてることにより ただひたすらに反省の言葉を繰り返す虚しい性犯罪者を法廷に存在させる。 法的罰則を超えた悲しき制裁。 いまや泣き出しそうな彼から放出されている 恥辱の空気感を傍聴陣は美味しくいただいた。ごちそうさまでした。
……犯罪はダメ。 とくに性犯罪はダメ。絶対。
| 2007年01月31日(水) |
トカゲの気分を抱きしめて緑に紛れ込もう |
ごっつのDVD3巻を購入して これで総集編全て揃った。 ロングコント「トカゲのおっさん」のほぼ全シーンにただよう もの悲しさったらない。 キャストやスタッフの笑い声が混じっていることで 哀愁が緩和されていなければ、あるいはむせび泣けるかもしれない。 むせび泣きながらニヤニヤ。
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いつも服を買うときは代官山のところを 一歩足伸ばして渋谷までおもむいてきた。 一目惚れしてしまったシャツに2万。 シャツに2万! ブランド志向・思考・嗜好ゼロの自分としては 考えられない未曾有の大事件なのだった。
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……んなこんなで散財激しい月末、 トドメは家賃の支払だった。 大家さんは隣に一軒家を構えているので 振込みではなく手渡しなのだけれど。 その大家さんがけっこうに高齢なこともあり 数的処理が脳内革命しているのか 誤って5千円多くお釣りを差し出してきたのだ。
正直心が揺れた。
漫画でよくある天使と悪魔みたいなんが 頭上にてぐるぐる舞い争ってた。 3秒もの期間にわたる良心戦争の末 結局誤りを指摘して正規のお釣りをいただいた。 こんがらがってるインマイブレインな大家さんは この若者の正直さに感激し ダイエーの商品券5千円分をくれた。 嘘のような本当のお話。 しかしトカゲのおっさんを全編観ていなかったら いやはやハナからパクッていたかもわからない。 僕はトカゲにならずに済みそうだ。
「私の面接に時間を割くなんてよほどヒマなんですね」 「キミも私の面接に来るなんてヒマなんだな」 「私は就職活動の一環として企業への面接に時間を割くことに人生上の意義を見出しています。また、目下の行動指標でもありますからね。あなたは仕事があるんじゃないですか?」 「仕事なんてヒマつぶしだ」 「お前がヒマだ」 「ヒマをつぶす。お前を潰す」 「古代ギリシャの史例を挙げれば、奴隷制度が生じたことから一般市民に暇が与えられ、哲学が発生されたといわれています。閑暇を意味するギリシャ語スコレーはスクールの語源でもあります。暇を一概に害悪とみなすのはいかがなものかと思いますが?」 「ここは日本だ」 「すいません」 「しかし文明開化を契機に、西洋の慣習、様式を取り入れることによって日本が近代化したのは事実です」 「ヒマに日本も西洋もない」 「先ほどの発言と食い違っていませんか?」 「いや?」 「すいません」 「ここは日本だ、という言葉に、日本と諸外国を同様に見なすなという抗弁が含まれていると浅薄な認識をしてしまいました」 「そうか、気をつけろ」 「ここは日本だ。という言葉にはここは日本だという意味しか含まれていない」 「なるほど、情報の告知ですか。ありがとうございます。ここが日本だということがよくわかりました」 「私はれどれです」 「そうか」 「今は面接中です」 「そうか」
「人生を左右する就職に際しての面接を私は軽視してはいません。私は面接される身でありながら、また同時に御社を見定めている、面接しているとも言えます」 「面接するのは私だ」 「そのあなたを面接していると言っているのです」 「俺はおまえを潰す!」 「潰すとは具体的にどういうことでしょうか。 肉体的、精神的、はたまた社会的にも捉えられますが」 「潰すとは潰すの意味しかない」 「失礼しました」 「しかし、黙って潰せばいいものを、わざわざ『潰す!』と宣言するとは、これは私の反応を伺っている――面接の一環であるということでしょうか」 「私はお前を面接する」 「ところで先ほどからタメ口ですか?」 「私はお前を面接する」 「質問に答えていただきたく存じます」 「タメだ」 「口が抜けています。同い年と解釈してさしつかえありませんか?」 「私はお前を面接する」 「オマエは壊れたテープレコーダーでしょうか」 「申し訳ありません。つい平素の、気の置けない友人間での口調が入り混じってしまいました」 「しかたないな」 「恐れ入ります」 「ん?恐れているのか俺を」 「そういう意味の語句ではありませんが、たしかにある種の恐れを抱いているのは否めません」 「そうか、気をつけろ」 「いざというときの備えはありますので心配は無用です」 「お気持ちだけありがたく頂戴します」 「気持ちなどない」 「うわべだけで発言されていたのですか?」 「気をつけろ。には気をつけろ。の意味しかない。気持ちはない」 「しかし、あなたに気をつけろとは、あなたの危険性を踏まえた上で、私の保身を案じている含みを持たせていることが行間からは読み取れます」 「気をつけろ。には気をつけろ。の意味しかない」 「もしや、気をつけ!ということですか?」 「ろがない」 「頭の中が朝礼の風景でいっぱいでした」 「そうか、気をつけろ」 「前へならった方がいいですか?」 「俺はお前を潰す!」 「どうぞ?」 「俺はお前を面接する」 「どうぞ」 「そうか、気をつけろ」 「どうぞ」 「ここは日本だ」 「どうぞ」 「銅像」 「オー、ノー」 「俺はお前を潰す!」
「ちゃんと面接をしてください」 「俺はお前を面接する」 「先ほどから宣言ばかりで内実が伴っていません」 「そうか」 「そんなようなら、私はあなたに面接されません」 「どうぞ?」 「私はあなたに潰されません」 「どうぞ」 「私はあなたに気をつけません」 「どうぞ」 「ここは日本じゃありません」 「どうぞ」 「日本ですよ」 「どうぞ」 「ドジョウ」 「すくい」 「あぁ、救われました」 「そうですか」 「やはりここの会社に決めてよかったと思います」 「はい、僕も」 「えっ?」 「えっ?」 「 (暗転) 」
(20060127/れどれ×タケシン/即興チャットコント)
いろいろ書いた日記が サーバーエラーによって 消去されてしまったことへの悲嘆を長々つづった文章を これまた長々日記にしてみて コピーもせずうっかり日記作成をした結果 同じ過ちを二度繰り返してしまった。 異常事態に陥ると平素が愛しくなる。 何でもないようなことが幸せだったと思う。
チャリーン! ジャーンケンポ ズコー。
…ちょっと言ってみたかった。
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うちの職場のオフィス構造信じられない。頭おかしいです。 リフレッシュルームには 昼時ともなれば20〜30人の同僚が憩いを求めて 楽しく集ってるのだけど その部屋に入るためのドアについている鍵が。
鍵って普通は、中への出入りを制するために 外に錠があるじゃないスか。 ここのドアは逆だ。 半年勤めてて今日初めて気付いた、というか 同僚の誰も気付いていなかった。 他のドアは全て正規の仕様なのに リフレッシュルームのそれだけが逆。 憩ってる人間たちを監禁するためだけの構造。 頭くるってる。
19年前に水牛を追ったきり行方不明となっていた少女が 腕の傷をきっかけに父親に発見されたらしい。
これビビッた、ビビッときた。 パパが傷見て確認て熱いなあ。ベタで。泣ける。
水牛を追いかけて行方不明になるなんて これだから世の中あなどれない。 うかつにいきものを追いかけられないじゃないの。底知れぬ恐怖を感じる。 お魚くわえたドラ猫追っかけて 裸足で駆けてくユカイなサザエさん その後彼女の姿を見たものは居ない
ちっともユカイではない。
| 2007年01月10日(水) |
いわゆる一つのコペルニクス的転回 |
今日もしかし寒かった。
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「また飽きもせず寒いとか言って!」 なんて叱らないでください。 飽きもせず寒さを提供してくる冬の方を叱ればいいんだ。 寒さしつこい。いいかげん虫唾的なものが走ります。 あと3ヶ月はこんな寒さがずーっと続くんでしょうね。うわあ嫌な発想。 3ヶ月、およそ90日。四捨五入して100日。 100連続でこの寒さ。あぁいやだいやだ。発想の転換をしないと……。 ……。 100日を四捨五入すれば0日。 こ、これだ! 見つけた プラス思考……!
今日も寒かった。
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……日記って、1日過ごした上で 印象深かった出来事を叙述する記録なわけじゃないですか。 ならもう寒かったとしか言いようがない。 他の出来事が寒さの印象に比肩しうるほどの ポテンシャルを秘めていない。
というかなんで世間では この寒さについて述懐しないでいられるのか!! 僕なんてもう今冬は毎日寒さについて触れていきたいですけどね!? あ、なんか語ってて熱くなってきた! 熱弁してる! 1億総勢で分かち合おうぜこの寒さ! 歌にしようぜ。 1億総勢で分かち合おうぜ ベベンベン この寒さ ドンチュノー
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