舌の色はピンク
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今日もタラちゃんはクソガキだった。 月日が経とうとも、世界情勢が緊迫しようとも、 いつの日もタラちゃんはクソガキなんだと思うとホッとする。 本日のストーリーはというと 善良なオジそしてオバ両名を 恥辱にまみれた罠に陥れて憤激させたあげく 母親の親バカっぷりをたくみに利用して味方につけ 己の悪行を正当化し非難を避けたばかりか、 後日祖母の息子らに対する暖かな気遣いを 重箱の隅をつつく要領で指摘し激昂し、 自分の幼児であることのアドバンテージを最大限に活かして 確実に周囲にダメージを与えていく 悪の権化のようなタラオの話だった。いつものように。
……基本的に子供は好き。 ただタラちゃんはなかなか許せない。
ひる
海を隔てた欧米生まれとおぼしき異人さんが 並木道にて2人座り込んでおり 犬と戯れていた様相がたいそう見ものだった。
犬は3匹いて、そのうち2匹は一本の綱で 互いの首を繋がれているからまだ束縛性がある、が、 異人さんは綱で彼らを制するつもりは毛頭ないようで 己の自由を満喫し周囲にキャンキャン吠えまくる犬を こわもてで睨みつけながら 「スイマセン、スイマセン」 と人々に謝っていた。 何回も繰り返していた。
いや、綱握ってよ……。 1匹だけ完全に解き放たれてるのも意味不明さを補っていたし 混じり気ないプロだった。
ゆうがた
小雨以上本降り以下 程度の雨が降り始めて 30分、ほどしたときに事件は起こった。 道行く女が確かに言ったのだ。野外を歩きながらだ……!
「あ……。雨降ってきたね」
!と思った。 してやられた。完全に油断していた。 鳥肌と寒気に見舞われ体は金縛りのごとく活動を停止し 冷たい汗が頬をつたって呼吸が止まった。
この夏をして「さいきん暑いね。暖冬だね」とか言いかねないレベルだ。 こんな強物が野心ももたずに巷にひそんでいるとは…… 畏れ敬った。 日本もまだまだ捨てたものではない。
人が体験しうる限りの不幸災難を 生まれ出でて以来マッハで攻略していってる可哀相な先輩がいて その人と話してると常識感がおかしくなってくる。 「車にひかれた時ってまず持ち物の心配しちゃうよねー」 とかフツーに言ってくる。 あたかもあるあるネタのように。 普通の人はあまり車にひかれる経験なんてないのよ、 全然あるあるじゃないのよ共感できないのよ、 一年に3回ひかれたあなたは常軌を逸してるんですよ……。
むかし不意にシャンデリアが話題に挙がったときも 僕は冗談めかして 「TJ(ティージェイというアダ名)なら シャンデリアが落ちてきたことくらいありますよね」 とフッた。 「そう! それなんだけどねー ―――」 あった。
「……火事は」 「2回。自宅が半焼したのと、あともらい火で壁が焼けた」 「泥棒」 「大学時代に家財全部盗まれた!」 「病気」 「年に一回熱だして死にかけるんだよね!!」
その他にもシャレにならない家庭状況だったりとか 到底ここには書けないような凶悪犯罪の被害に遭ったりもしてる。 それでも本人はほとんどを自分で笑いにしてて、えらい。 「私ほんと生まれた瞬間から不幸がスタートしてたもん。 ていうのも、捨てられたんだけど……」 なんて激白を聞いたときは笑い死ぬかと思った。
仲間内での議論の末この人には 背後霊が50人ついているとの結論に至った。 背後霊が多すぎてどれが本人かわからないくらいの域に達してるという。 高名な霊能者に除霊頼んでも一見した瞬間 「ヴォゥェッ ママママジで!? 背後霊マジすげぇんだけど うわ 爆笑!! 超ウケるうゎマジ爆笑 ちょ ちょい写メ写メ! こいつ ッスッゲほんと ハイ写メ ホラッ! イェーイ」 くらいのハイテンションをかますこと請け合いだとか 本人の前でトークしてた。 本人は もー と苦笑してたけど内心オイシそうだった。
そんなTJ(アダ名)が最近になって仕事もプライベートも充実してて しごく幸せらしい。 あやういと思う。 絶対危険だそんなん絶対前フリじゃん……。 ライフイズビューティフルの前半かよ……。 ちょっと立ち止まって後ろ振り返ってみろよ、50人いんだぞ……。
今後の動向を見守るしかできないけどどうなるんだろう。 降水確率20%だったから傘持たないで外出したら 帰り際に隕石が降ってきたくらいの展開を期待したい。
| 2006年07月05日(水) |
バナナ専門呼び込み人 |
帰り際商店街で絶叫を耳にする。 ハテこの東京で何ぞ事変が起こってるのかしらと近づいてみると 元気な八百屋さんだった。 声に圧力がありすぎて何を言っているのか聞き取れず リスニングテストかと思った。 よく見てみるとバナナが一房49円という価格破壊を起こしており どうやらそれを謳っているらしい。
「バナナバナナバナナ! バナナバナナバナナァーッ!! バナナバナナバナナ (ブレス) バナナバナナバナナァァァァァァァ」
アァー ァァァァァー……
ほぼ絶え間なく叫んでたんで感服する。 (システムオブアダウンをホーフツさせるバナナっぷりだ) 道行く人々から49円を奪取するべく 夏を歌うように熱くわめき続けるおっちゃんを見かねて 一房買った。
「バナナバナナバナ ……ア、まっど! さァーバナナバナナバナナ! バナナバナナバナナ! バナナバナナ……」
捌くのにこれだけ奮闘してる割に 買った人には一言、まっど!(毎度) 徹底してる。
家賃支払いに行ったら大家さんが 商品券1万円分くらいくれた。 エ、なんでーッ? いや何だかんだいっても 最終的にはガッツリもらいますけど エ、なんでーッ? 「お世話になってるからねぇ」 こ、これが金持ちか。
ハイソの余裕と認めれば円満な話で済む、が、 この商品券を譲渡することによって 大家側が優位なポジションを得たと考えればもはや戦争だ。 いつなんどき彼らがのっぴきならない事情を抱え込んで 僕の部屋のドアを叩きに来るかわからない。 けして受け取ってしまってはならなかったのだ。 と後悔する未来を危ぶんでる僕を 人間不信扱いして優しく諭す人間が必要と思われる2006年初夏。
にわかガンオタである ワタャイアンくん(あだ名)によれば、 タバコに火を点ける際に 火の先であてるようにすると 点火したタバコのさまが「大気圏突入」のようになり それはたいへんハイレベルなギャグなのだそうです。 知るかよ。
まだまだ具合が優れず 今日は休みだし部屋でゆっくりヒッキーしてよと安穏してたら 母親から召集かけられて実家へ。
会うなり 「あらぁアンタあの……なんだっけホラあの…… ぶゆうでん♪ ぶゆうでん♪ のあのひと」 「あぁ。オリエ――」 「ぶゆう でん でん ででんでん♪♪」 「――ンタルラジオ」 「レッツゴー!」 「……」 「そうそう。あのメガネの人に似てるじゃない」 メガネだけです。 というか「似てるじゃない」じゃないです。実の息子です。
なにより50を越えた母親から ノリノリの「武勇伝♪」を聞かされて 僕の心情は限りなくブルーだった。
のみならず この女はどうやらブログを始めたらしい。 「お母さんはまだまだ最先端なのよ」オーラが鈍く漂っている。 ブログを覗き見してみたら 小生意気にもそれなりの人気を博していていっそう引いてしまう。 毎回の日記にちゃんとオチをつけてるのもまた……。 挙句の果てにはタイトルに「シュールな笑い」と題して 小話を披露なさる始末だ。 手に負えない。
風邪を引いた。
電車内では頭痛とめまいと吐き気と幻覚(ねずみ男を見た)に襲われ 心底参って ゼー ハー 言ってる自分が 「過剰に自分の病人っぷりを演出」してるみたいで寒かった。 帰宅方向を間違える、駅で切符をなくすなど 小刻みにベタなミスもコンプしつつなんとか無事家につき 何も食べたくないけど24時間食べてないから 丸ごとバナナで胃をごまかして すぐさまベッドに倒れこみ目を覚ましたのがさっき。 今はだいぶ楽だ。
パソコンが発狂した。
何を試しても起動できない状態にあった。 悪戦苦闘。 数時間に渡る一大スペクタクルだった。 接続機器全部引っこ抜いたり あらゆるキーを乱打したり 優しい言葉を投げかけてみたり 試行錯誤したあげく 構えてたおニューのベースを部屋に隅に置いたら 何事も無かったかのように起動。
な、なんだ嫉妬か。 オマエ嫉妬してたんか。 愛機の座を奪われたのが悔しかったんか。 兄ちゃんもうオマエのこと離さへん、離さへんでェ…。
ネットの工事が完了した。 作業にきたおっちゃんが冷めていて 無言でガタガタ壁をいじくりまわし 溜息と舌打と冷笑とで 散々空気を重くしたあげく 「じゃあね またね」 とさわやかく挨拶して去っていった。
黙々と仕事に徹する職人キャラを装っといて 最後に親近感を与えようとする混沌性、 意味不明のタメ口もさることながら、 「またね」って。 また来るのか。 工事不十分か。 工事不十分を認めた上で 親近感をアピールしつつ去るのか。 いただけない。
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